森田まほ
映画が好き!現場で働きたい!その思いがこうじて単身アメリカ、ハリウッドへ渡り、現場でインターンとして日夜現場を飛び回る日々であったが、ある日アメリカ人の青年と結婚。その後予定外の妊娠をするが、無事出産。現在はグリーンカードを取得すべく待機中。 |
最近、本屋さんの売れ筋コーナーに並んでるのって、なんか似たよーなもんが多い。
「世界がもし百人の村だったら」とか「幸せになれる100の言葉」とか。
いわゆる人生のハウツー本つうのかしら。実は、私もこの手の本にはまった時期があった。私の場合、「男に振られない50のしぐさ」とか、「男が振り向く、女の香り」とか、「恋愛が長続きするには」とか、恋愛ハウツーもんばっかで、読めば読んだで、「フンフンなるほどー」ってことばっか書いてあるから、ついつい読んじゃうのだけれど、だからといって、男を見る目がよくなったわけでもなし、恋上手になったわけでもない。
例えば、「彼の電話番号を聞いても、こっちからはかけてはいけません」
よし。絶対絶対かけないぞ! って心の中では思っていても、時間がたつにつれて、ウウオオオオかけてえ。かけてえー。何で電話かけてこねーんだよあの馬鹿男!! と追い詰められた私は、結局またしつこくかけちまう。
どんなにたくさんルールを覚えたところで今までとおんなじミスを繰り返してはアチャアーっってことになるんだよね。ま、うまくいかないもんは努力したところでうまくいかねーんだ。
別に、この手の本が悪いってわけじゃないけど、ちょっと思うのはこういうの読むのってなんか簡単じゃあございませんか。私のこのエッセイのように。すらすらすらっと読めてワハハって終わっちゃうわけだ。
そこに文学的思考はあるのか?って聞かれたら、「いやあ。ございませんな」というしかない。
何でこんな話になったかというとですね。私は、アメリカにいってアメリカ人の読書好きにほとほと感心させられたからなんです。そりゃあ、みんながみんな読書家ってわけではないけれど、日本人よりはすっげえ読書家が結構な割合でいると思う。さらに、その人たちって、やっぱり物知りで、頭の回転も早くて、さらに!!ここが大事なのだけれど、人生も結構うまくいっちゃってる。
というわけで、今日はちょっとだけ私の感心した読書家さんたちを紹介しましょう。
さる超有名な映画会社の重役の場合。彼は毎朝スタバのコーヒーを飲みながら、携帯ででかい映画製作の話をして、さらに、くそ分厚い本を片手でハンドルに押さえつけて読みながら運転しているわけさ。
あんたは聖徳太子かって感じでしょ? これはあまりに危ないから、見習おうとは思わないけど、よれたTシャツに短パンで、見た目普通のいけてないおっさんが何で映画製作会社の重要なポストをさらりとやってのけられんのかその時にわかった気がしたね。
こういう人っツーのは絶対にビル・ゲイツの成功本とかは読まないわけよ。その代わりに、いつでも分厚い小説を読んで作品の原作探しをしたり、文学的思考力っちゅうもんを育ててるんじゃないかな。
それから、おっさんだけではなくって若い読書家だっているのよっていう生き証拠はストリッパーの女友達。彼女は、職業だけでアホっぽく言われるのがすごく嫌で本を読むようになったらしいんだけど、その読書量たるやものすっごい! だって、アメリカの作家だけでなく、日本の吉本ばななとか三島由紀夫まで知ってるんだから。
家が近かったからよく、バスの中で会ったんだけど、でっかいおっぱいを強調したボディコンスタイルの彼女が分厚い歴史の本を片手に乗ってる姿はかなりアンバランスだったなー。
でも、アメリカ人はどうやってこんなに読書家になったんだろう? この謎について、次週は私が真相に迫りまっす!!!
次週に続く
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