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ジョシュ・ハートネット来日インタビュー

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ジョシュ・ハートネット
ジョシュ・ハートネット来日インタビュー
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ブラックホーク・ダウン
3月30日公開
公式サイト:http://bhd.eigafan.com/
配給:東宝東和
東アフリカのソマリアでの部族間闘争に、アメリカ軍特殊部隊が現地の独裁者を捕らえる任務で派遣されて来た。しかし、2機のブラック・ホーク・ヘリが撃墜されることにより、全てが最悪の状況に変化していった……。

 

『パール・ハーバー』を撮影中に、原作本をプロデューサーから渡された

Q この役を引き受けることを決めた理由はなんですか?

A 『パール・ハーバー』を撮影中に、原作本をプロデューサーから渡された。本当に素晴らしい、ジャーナリスティックな本だなと感銘を受けたよ。ソマリアで起きた事件を、真摯にありのままに描いていると思った。同時に、僕がいかにそれに対して無知だったかということを痛感したよ。それで、この作品に参加できることは偉大なるチャレンジだと思ったんだ。

ただ、実際に僕にできるかどうかというのは、その時点では疑問だった。その後、監督がリドリー・スコットに決まったと聞き、彼と会ってキャラクターについていろいろ話をしたんだ。それで初めて、この役を演じることができると確信した。


Q 撮影現場はどんな雰囲気でしたか?

A とても厳粛な気持ちで日々撮影を進めていったよ。とにかく、この惨劇を誠実に描きたいとみんな思っていた。監督が「インフェルノ」という写真集を持っていて、それはソマリアの餓死している人々の写真集なんだけど、それは本当に今までみた写真集の中で最も悲惨な状況を捉えていた。そういった人々を人道的な観点からアメリカ軍が介入して助けようとしたわけなんだが、僕はその写真集をいつも肝に銘じて映画の撮影に臨んだ。

この映画はわずか一日の物語だが、実際の撮影には5ヵ月間がかかっている。そうすると、気持ちがダレてしまうこともあるだ。そういう時に、この写真集を見て気持ちを引き締めるようにしていた。とはいえ、笑えるエピソードもあったよ。日曜日は撮影が休みだったんだが、監督はテニスが好きで、休みの日にはよくホテルの裏庭でやっていた。

この映画に出演しているコメディアンのチキンという人がいるんだけど、彼はワンダーウーマンの衣装を一式持ってきていて、よくみんなを笑わせていたんだ。ある日、彼は僕からテニスラケットを借りて、ワンダーウーマンに成り切って監督の前に立ち、テニスをやる真似をしたんだ。そうしたら監督はゲームに負けちゃったんだよ(笑)。監督にこの話をしたら、そんなことはなかったって言うと思うけどね。これは事実だよ!


Q 実在の人物を演じているわけですが、役作りについて教えてください。

A 基本的に僕はエヴァーズマンを知る人々から、彼の話を聞いて参考にした。実際に本人と会ったのは、撮影が残りあと3週間という時になってのこと。もちろん電話では話をしていたが、その時まで会わなかったのは、彼の独特の動作やクセなどを真似する気持ちは僕にはなかったから。だから、あえて彼と会うことを避けていたんだ。それは一つには、映画の中のエヴァーズマンは、他の何人かの人物を合わせたキャラクターだったからだ。

会見でもブラッカイマーさんが言っていたけれど、この戦闘には大体100人ぐらいの兵士が携わっていたんだ。だが、映画では全員を深く掘り下げて描くことはできない。だからシチュエーションを大事にして、起こった出来事を選んで描いたから、中には実際にエヴァーズマンさん本人が関与しなかった戦闘も、彼が中心になった戦いとしてこの映画の中で描かれているものもある。実際の彼はどんな人物かというと、とてもインテリで心の優しい人物だよ。

時には彼が十分自分の意見を述べる機会がなく、命令で本当は出たくない任務に出たくない時もあったと思う。だが、彼はいつも自分なりに真実を追い求めている人物なんだ。現在彼は軍の大学で教授として教鞭を取っている。だけど彼がただの一般市民だったとしても、教授になっていたんじゃないかな。そういう人物だと思うよ。

 

リドリーの作品は『エイリアン』と『ブレードランナー』を子供の頃に観て、すっごく好きだった


Q 大作への出演を通して、俳優としての心構えなどに変化がありましたか?

A 俳優というのはどんなことでもできないといけないと思っている。それが大きなリスクを背負うことになっても、または誰も観ない映画に出てしまったとしても、またはその映画に出たことによって干されてしまっても、とにかく自分の判断で作品選びをしていかなければいけないと思う。

自分で選んだキャラクターをしっかりと演じることが大事なんだ。たまたま僕は『パール・ハーバー』でも『ブラックホーク・ダウン』でも軍服を着る役を演じたが、これまで僕は10本の映画に出演していて、幸か不幸か僕の一番のヒット作は軍人の役。だけど、いつも違った役を演じようと考えている。僕の中では『パール~』も『ブラック~』も全く違う役だと認識していて、そういう観点から役を選ぶようにしているよ。


Q 他のベテラン俳優との共演で影響されたことはありますか?

A 基本的に僕の役は自分の中での葛藤がメインなので、あまり他のキャラクターとやりとりをするシーンはなかった。従って、他の共演者たちとのシーンはなかったので、特に誰に影響を受けたということはないよ。もちろん、みんな素晴らしい俳優ばかりだったから、彼らの仕事ぶりには感心することもあったよ。トム・サイズモアやユアン・マクレガー、サム・シェパードらのシーンを脇から見させてもらって、すごいなと思ったりもした。だけど、綿密に意見を交わして、このシーンをこういうふうにやろうという話をしたことはなかったね。


Q リドリー・スコット監督との仕事はどうでしたか?

A 『エイリアン』と『ブレードランナー』を子供の頃に観て、すっごく好きだった。彼の作品にはなにかを突き詰めて描こうとしている姿勢があって、そこに惹かれるんだ。常に違う視点から、違う方向性でなにかを描くというチャレンジ精神があって、好き嫌いは別にして、彼の作品には常にそういったものを感じ取れて魅了されてきた。彼は今まで僕が仕事をしてきたどの監督にも似ていなかった。

彼の特筆すべき点は、とにかく落ち着いていることなんだ。撮影中はどっしり構えていて、僕たちがあたふたしている時でもすごく落ち着き払っている。心から頼りきれる監督だ。お世辞じゃなく、彼はすばらしい監督だよ。それは想像以上だったね!

 

僕のガールフレンドのお母さんがこの映画に対して彼らは最初はとても不信感を抱いていた


Q ジョシュさんが住んでいるミネソタ州にはソマリア人が多く住んでいるそうですね。彼らと接する機会もあったと思うのですが。

A 現在ミネソタでは、ソマリア国外で一番ソマリア人が多いんだ。僕はそれほどソマリア人と話をする機会はなかったけど、僕のガールフレンドのお母さんがソマリア人に英語を教えている教師なんだ。彼女に聞いたところによると、この映画に対して彼らは最初はとても不信感を抱いていたようだった。それはこの映画がソマリア人からの視点ではなく、アメリカ側からの視点で描かれていたからだ。

だが、僕はこの映画はある程度の威厳を持って彼らを描いていていると思うし、一番被害を受けたのはソマリア人なわけで、ただマーク・ボウデンが書いた原作はアメリカ人からみた話。これまでに、この事件をソマリア人の視点から書いた本はないんだ。僕はそういう本が書かれたら絶対に映画化されるべきだと思うし、残念ながら僕はアメリカ人なのでその映画には出られないだろうけど、ぜひ作られるべきだと思う。


Q 最後の長いモノローグのシーンが印象的ですが、どのような気持ちで演じたのですか?

A あのラストシーンでは、僕はできるだけ感情移入しないようにした。というのも、人間というのは本当に大事な人を失った直後というのは、泣き叫んだりするのではなく、ただ事実に呆然としてしまうと思うからだ。本当に悲しみを感じてくるのは、もっと時間が経ってからだと思う。だから、なるべく感情的にならないように気をつけて演じた。


Q 2度目の来日ですが、日本で行ってみたいところや好きな食べ物について教えてください。

A このホテル以外だったらどこでも行きたいよ! ここに軟禁状態だからね(笑)。日本は2度目といっても東京しか知らないから、今度来た時には、もう少し時間を取って田舎にも行ってみたいよ。食べ物はお寿司も天ぷらも大好きだよ。

僕は基本的に牛肉は食べないんだけど、日本には神戸牛というとてもおいしい牛肉があると聞いていたんだ。それで監督とブラッカイマーさんはしゃぶしゃぶを食べていて、「お前も食べてみろよ」と言われたんだけど、僕は12歳からずっと牛肉を食べていないので、今食べたらどんな牛肉でも体調を崩してしまうと思ったので遠慮したんだ。

(今 祥枝)

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