森田まほ
映画が好き!現場で働きたい!その思いがこうじて単身アメリカ、ハリウッドへ渡り、現場でインターンとして日夜現場を飛び回る日々であったが、ある日アメリカ人の青年と結婚。その後予定外の妊娠をするが、無事出産。現在はグリーンカードを取得すべく待機中。 |
ハリウッドのバーで正体不明の液体を飲まされて数時間。私は、自分の部屋のベッドの上で、今までにない頭痛と吐き気にやられてた。ぐおおお。これが噂の二日酔いか。それにしてもきもわるー。
ふらふらしながら、台所でタイレノール(頭痛薬)を探しているとムッツリ顔のフィリップがやってきた。
「まほ!お前、酒に強くなって男を誘惑する前にもっと軽くなれ!!!」
く、くううう。女には一番痛いお言葉。この頃私は、ハリウッドのジャンクフードとハンバーガーで日本にいる頃よりも9キロ近く体重が増えてた。
そんな私を、フィリップちゃんは酒場からかついで帰ってきてくれたらしい。なんてこった。ごめんよフィリップー。でもたった一杯で完璧に意識を失うとは。
一体全体あの酒はなんだったんだろ。朝っぱらから、にやけ顔のジェスねえさんも、フィリップも誰も正体を明かしてくれない。どうやら「アメリカンボム」と呼ばれるお酒らしい。
それにしても。それにしても。
もう酒なんていやだー!!! なんなんだこの気持ち悪さは。オエエ。もうぜっっったい飲まないぞ!!
と私は、心に堅く誓った…はずだったのだけれど。
ジェスねえは強かった。嫌がる私を強引に。ううう。再びガチンコ飲酒学院に連れ戻されるわたし。金髪娘のジェスは、大和龍門より恐ろしいのであった。
師匠の突きつけた試練は
最終回!自分の酔った姿を確認せよ。
みなさんは自分が酔っぱらった姿を見たことがあるでしょうか? えー、ジェスねえの考え出した、酒に強くなるぞ計画最終プランは、その醜態を自分の目によおく焼き付けておくこと。
PM7時
私とジェスは2人、ベッドの上。目の前には、テッキーラー。の瓶。そして…。ビデオカメラ。
そう、セックスと酒とビデオテープ?ってちがーう! ノーセックス。だって、私とジェスだけだもん。
何をするかっていうとね、これから2人で飲むだけ飲んで、酩酊期をしっかりビデオに収めて、後に反省会を開こうというのさ。
でも私までジェスみたくテキーラなんて飲んだ日にゃ、また一気に撃沈しかねない。だから好物のマリブコーク何杯で、酩酊期に入るのかをしっかり確認するためでっかいコーラと、マリブリキュールのを一瓶フィリップさんから差し入れてもらった。
よし!これで、自分の限界を知ることが出来ます!(酔いこのみなさんは決してマネしないように)
ちなみに、この日フィリップはまたも巻き込まれないように友人宅へと逃げていったのでした。
ゴーン
そして…。
カメラは、私とジェスの酩酊期を確実にとらえておったのさ。私の場合、マリブコーク6杯目にして完全な酩酊期。相手がジェスだというのに「やべーやべー!!ちょうたのしー!!」と無意味な日本語を繰り返し、げらげら笑い続けその後、沈没。しかもカメラは、30分後青い顔をして、トイレに走る私の姿まで目撃していた。
が!!!! 一番ひどかったのは師匠本人だったのさ。ジェスねえさん、何倍かたてつづけにテキーラを一気飲みした後、完全にハイに。
その後、元彼の名前を叫び、カメラに中指は立てる。狂気のダンサーと化した彼女は、すでに酩酊期を通り越し、青い顔した私をトラボルタのごとく、くるくると回す回す。沈没した私の眠るベッドの上ではねる。一人で踊る。私たちの飼っていた犬にまたがる。しまいにゃ、
「フィリップー!フィリップの野郎はどこだー!!??」と怒鳴りだす。
そんな阿鼻叫喚の模様がしっかり収められたビデオを見た私たちに、翌日近所からの怒りの攻撃があったのは言うまでもない。
次週につづく
お知らせ:月刊フリックスでまほちゃんが、「好き勝手クロスレビュー」の連載を始めました。ハリウッドのカリスマビデオ店員マイケルのちょっと辛口レビューも要注目!
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