ジョージ・ルーカスの一大叙情詩『スター・ウォーズ』シリーズ全6作の第2章にあたる『スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』はシリーズ最大の戦闘シーンとラヴ・ロマンスが壮大なスケールで展開されるSFエンタテインメントの最高傑作だ。日本では7月13日の公開が待たれる。『エピソード1』から10年後の物語、19歳になったアナキン・スカイウォーカーを演じるカナダの新星ヘイデン・クリステンセンが去る5月22日初来日し、帝国ホテルにて会見を開いた。
--役作りをする上で、色々な訓練をしたと聞きましたが実際どのようなことをしましたか?
クランク・インの2か月前にニック・ジラード(スタント監修)がつきっきりで1日、5時間色々教えてくれたんだ。役作りという面では『エピソード1』のアナキン少年の感性を意識しながら演技するようにしたよ。それに『エピソード3』へつながるようダース・ベイダーへ変化する予兆などをところどころに表現するように努力したよ。僕の兄は『スター・ウォーズ』シリーズの大ファンなんだ。兄が僕にこの『スター・ウォーズ』という映画を教えてくれたようなものなんだ。僕の出演が決まってすごく喜んでいたけど、同時に弟がダース・ベイダーの評判を落とさないかと気に病んだりもしていたよ。
--『スター・ウォーズ』の人気の秘密は何だと思いますか?
映画の醍醐味って別世界での楽しみを味わうってことだよね。それに加えてこの『スター・ウォーズ』は地球から遠く離れた世界での物語で、観ている人をあっという間に別世界へ連れっていってくれるという魅力があるね。でも、一方で人間の善と悪の葛藤を描いていて荒唐無稽でありながらも、人間的だったりするところが多くの人から支持を得ている理由じゃないかな。
--『エピソード2』ではアナキンはどのようにしてダークサイドに近づいて行くのですか?
又、今日の会見場も“帝国ホテル”ですがダース・ベイダー率いる帝国軍と何か関係(笑)が?“帝国ホテル”との関係は……神の力が働いたんだろうね(笑)。アナキンがダークサイドに堕ちていく過程は、除々にゆっくりと堕ちていくんだ。『エピソード2』では彼の自信と不安が葛藤する過程を描いている。それから幼い頃憧れた女性に恋をする。ジェダイは恋をしてはいけないという戒律があるけど、恋をしてしまう。オビ=ワン・ケノービとの関係も彼を尊敬してはいるものの、いろいろなことを指導されるとフラストレーションがたまってしまう……これらの要素が暗黒面に堕ちていくきっかけになっているのかもしれないね。そして『エピソード3』でどうなってしまうかは、聞かされていないんだ。ルーカスはヒントも教えてくれないよ。
--ジェダイとしてアナキンが期待されることと、今回の役に抜擢されて期待されることは重なりませんか?
抜擢された時は、本当にびっくりしたよ。エージェントが僕のビデオをオーディションに提出して、最終的に12人が残ったんだ。それでルーカスと直接会うためにロスへ行かなければならなかったんだけど、僕はテレビ収録と予定が重なってしまって行けなかったんだ。それで、もうアナキン役は落ちたと思った。だけど、その後、ルーカスから電話が入り、ナタリー・ポートマンとカメラテストをした2か月後に自分に決まったと聞いてびっくりしたんだ。
--アナキン役は自分にしか出来ないという自信はありますか?
そんなことを言い切る自信はないよ。アナキン役を自分以外の人が演じたらどうなるかなんて見当もつかない。でもこの役に全てを捧げて全力をつくしたよ。自分でやるべきことは全てやりつくしたと思う。それについては自信を持っている。
--(電撃ネットワーク/南部虎弾)-『エピソード2』では日本人をキャスティングするという話があり、実際に何度かルーカスと手紙のやりとりをしました。自分は出られませんでしたが、あなたはどうして出られたんですか(笑)? それと『エピソード3』の撮影はもう終わったって聞いたんですが、もう間に合いませんか(笑)?
終わってないよ(笑)! 出演できる可能性はまだあるんじゃないの? キャスティングの権限は僕にはないけど、推薦の言葉を言っておくよ(笑)!
--今回の撮影でかなり負傷をしたと聞きましたが、武勇伝などあったら教えてください。
僕は元々スポーツ好きなので助かった部分もあったけど、それでも傷だらけだったよ。みんなもキズだらけだったね。
--ルーク・スカイウォーカー役のマーク・ハミルが以前、ブルースクリーンの前での演技は物足りないと言っていましたがあなたは?
僕にとっては初めての経験だったのでとにかく、慣れることが大切だと思った。ブルースクリーンの前で演技するというのは、舞台の芝居に似ているね。何もないところにイメージだけで演じるのだから。
--『スター・ウォーズ』と最近のSFXを多様した映画の違いは何だと思いますか?
SFXという意味では、銀河系と全く違ったシチュエーションなので、思いきったことが出来るということだね。キャラクター一つとっても全く自由な発送で創作されているし。でも、そうでありながらも、一つ一つの設定が細かく丁寧に作られているんだ。それが魅力の一つなんだろうね。
--興行成績は気になりますか?
僕はただの俳優だから、興行成績は気にならないよ。満足のいくギャラはもらっているしね(笑)。
--日本に対して感じることは?
日本人はお互いに敬意もって人と人がつき合っていると思った。また、日本に古くからある儀式なども大切にしている一方でハイテク技術に優れてるし、古いものと新しいものとを大事にするというバランスが素晴らしいと思った。
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