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トビー・マグワイア独占インタビュー

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トビー・マグワイア
トビー・マグワイア独占インタビュー

スパイダーマン
公開中
上映時間: 2時間10分
配給: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
SDDS・ドルビーデジタル・ドルビーSR・ドルビー
Spider-man(R),the character,(C)2001 Marvel Characters.Inc
ピーター(トビー・マグワイア)は幼いころ両親を亡くし、伯父夫妻とともにニューヨーク郊外に住む普通の高校3年生。ある日、友人のハリー(ジェームズ・ブランコ)がオズコープ社の経営者で天才化学者である父ノーマン(ウィレム・デフォー)にピーターを紹介する。

監督の奥さんが『サイダーハウス・ルール』を彼に見せたんだ
「僕は子供の頃“リトル・オールド・マン”と呼ばれていたんだ」とトビー・マグワイアは言う。親戚の人が名づけたそうだが、25歳を過ぎても余裕で高校生を演じられる童顔と思慮深い発言のギャップで人々を驚かせる彼の人柄を、瞬時に伝える見事なネーミングだ。『サイダー・ハウス・ルール』『ワンダー・ボーイズ』など、穏やかな笑みをたたえたちょっと風変わりで静かな青年役の印象が強い彼が、コミック・ヒーローを演じると初めて聞いた時は、正直ピンと来なかった。だが、映画を見れば、彼を主役に抜擢したサム・ライミ監督の洞察力に驚くはずだ。

 

「サムの奥さんが『サイダーハウス・ルール』を彼に見せたんだ。そして、彼は僕をスパイダーマン役にどうか、と考えてくれて、会うことになった。サムの話を聞いて、僕もぜひこの映画に出演したいと思ったけど、その時は彼は他にも何人かの候補に会わなきゃならないと言っていた。そして数ヵ月後、サムは“やっぱり君がいい”と言ってくれたんだ。今度は僕が主役ということをスタジオ側に納得させるために、スクリーン・テストも受けなきゃいけなかった。僕にアクションができるのか、スパイダーマンのコスチュームが似合うのかを確かめたかったんだと思う」(小見出し)

 

5ヵ月間いろいろやったよ。ヨガ、リフティング……。ダイエットも厳しかったな
 主演が決まると、「友達はみんな喜んでくれた。“おまえ、スパイダーマンかよ!”って。どんな映画になるのか興味津々だった」。当の本人は、喜んでばかりはいられない厳しいトレーニングの日々が始まった。


「5ヵ月間いろいろやったよ。ヨガを週に4回。週に6回、ジムでリフティングをして、心拍数を上げる運動を30~40分間。サイクリングもやった。マーシャル・アーツはそんなに重要じゃなかったから週に2回1時間半くらい。足のあげ方、パンチの出し方なんかを訓練したよ」と事細かに説明してくれる。「トランポリンや床運動、ジャンプの練習とか、ロープをよじのぼったり」とスパイダーマンならではの身軽な動き 「あとはダイエットも厳しかったな。1日4~6回の食事をとるんだけど、決められたものを決められた量だけ、決められた時刻に食べる。あんまり楽しいもんじゃなかったね」


ほとんどの子供が、自分は学校で仲間はずれなんじゃないかと感じていると思う
 それだけ苦労して作り上げた肉体だが、今も保っているかと聞かれると、「う~ん、そうとは言えないな」と笑って誤魔化す。「撮影中は食事に気をつけて、よく眠るように心がけ、いつもより体調に気を使っていたから、エネルギーがあふれるっていうか、歩く時も身体が軽く感じられたんだけど。こう、飛び跳ねるようにフワっと浮き上がるみたいにね」


 彼が演じるピーター・パーカーは、勉強は得意だが、地味で冴えないティーンエイジャー。悩める彼の姿を描き、物語の前半は学園ドラマとしてもしっかり構成されている。
「ほとんどの子供が、自分は学校で仲間はずれなんじゃないかと感じていると思う。自信がなくて、不安で、みんなと同じようになりたい、みんなに受け入れられたいと願ってる。人気者やかっこいいと言われる子だって、同じだよ」と言う。
 

スパイダーマンは僕のヒーローじゃなかった
 トビーは、共感できるキャラクターだと前置きしながらも、ピーターをかわいそうだとは思わないと明言した。 「僕自身についても同じだよ。子供の頃には確かに辛いことや寂しかったこともいろいろあったけど、そういった様々な経験を積み重ねて、今に到るわけだから」とクールに話す。


「スパイダーマンは僕のヒーローじゃなかった」と記者会見で告白し、小さな声で「Sorry」と付け加えていたが、出演前と今では「そりゃ、スパイダーマンについての考えは変わったよ」と言う。「でも、どう変わったかを今答えるのは難しいな。自分が演じてしまうと難しい」と悩んでいた。「出演する映画全てが僕にとってターニング・ポイントだ」と話す彼だが、今後はトビー・マグワイア=スパイダーマンと思われるかも。
「その質問には数年後に答えるよ」 そう言うと、ニコっと微笑んだ。

(冨永由紀)

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