ライアン・フィリップ
脚本がとても魅力的だった。
特に、一風変わった兄弟愛に
興味をそそられたよ
「10年役者をやってきて、16本の映画に出演した。どの作品も、オリジナリティ溢れる脚本で、キャストや監督がとても魅力ある人たちだから出演したんだ」と言うライアン・フィリップ。大作映画の二枚目を演じてもおかしくない美貌の持ち主(実際、インタヴュー中に見とれてしまった……)なのに、出演作は独立系か、一風変わった作品ばかり。まるで初期のブラピを彷彿とさせる。
「この映画は、脚本がとても魅力的だった。特に、僕が演じた兄オリヴァーと、キーラン・カルキン扮する弟イグビーの間の一風変わった兄弟愛に興味をそそられたよ。2人は父親が違う兄弟なんだけど、それをイグビーが知るのはずいぶん後になってから。オリヴァーは、イグビーの方がより自分の父親と心を通わせている現実をクールに受け止め、生活している。そうした複雑な家族関係が面白いと思ったね。僕には3人の姉妹がいるんだけど、兄弟がいないから、“男の兄弟愛”というものにも憧れたんだ」とか。
“今まで観たことない映画”というのを基準にプロデュースしようと思っている
しかし、憎んでもおかしくない環境の下で、常に弟に救いの手を差し出すオリヴァーは、とても不可解なキャラクター。男の兄弟愛の典型的なパターンでないところが、まさにライアンの路線だ。
当初、この作品にはプロデューサーとして関わるはずだったという。
「3年くらい前に、プロデューサーとしての僕に脚本が回ってきたんだ。読んで、すぐに飛びついたよ。僕は、“今まで観たことない映画”というのを基準にプロデュースしようと思っているから、まさにぴったりだった。興行的には、大ヒットという期待はまったくできない作品だけど、そんな興行うんぬんとはかけ離れた魅力のある作品だと思った。とにかく“この作品を映画にしたい!”と思ったんだ。でも、その後プロデュースの話が流れてしまったんだ。で、出演することになったんだよ」
1日中ビニール袋を顔に被らされてベッドに横たわるという状況でも、文句一つ言わないんだ
ワシントンD.C.の裕福な家庭のねじれた家族愛を描いた本作で、ライアン演じる優等生のオリヴァーとは対照的に、閉塞感を上手く処理できず、不良少年として家族の問題児となった弟イグビーを演じたキーラン。そんな2人の息子のエキセントリックな母親には、オスカー女優(5回のノミネーションの末、『デッドマン・ウォーキング』で受賞)のスーザン・サランドンが扮した。それぞれの共演者について聞いてみた。
「キーランは、僕が19歳だった頃よりも、もっと一所懸命に頑張っている役者だよ。正直、彼の演技でブッ飛んだこともあるんだ。素晴らしい俳優だよ。スーザンはもちろん偉大な女優だけど、加えてとてもカッコイイ女性。撮影で、1日中ビニール袋を顔に被らされてベッドに横たわるという状況でも、文句一つ言わないんだ。あれほどビッグな女優なのにね。彼女は、若い人たちと一緒に頑張ることができる数少ない大物俳優だね。僕らは家族ぐるみで友人になったんだ」
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今、妻のために
アニメを作ってるんだ。将来は監督または脚本家と女優という形で仕事をするかもね
スーザンの長年のパートナー、ティム・ロビンスとは『アンチ・トラスト』で共演済みのライアンは、彼女が“ウォーク・オブ・フェイム”の仲間入りを果たした時のセレモニーで、ティムの後にお祝いのスピーチを述べている。
妻のリース・ウィザースプーンは、ラヴコメの新女王に君臨したばかりの人気スター。そんな状況についてライアンはこう語る。
「彼女は今、とてもいい時期。だから僕はそれを邪魔したくないね。“一緒に何かやりたいね”と言ってるけど、彼女のこの好調期に無駄なことをさせたくないから、いつ、どんな作品でそれが実現するかは分からない。でも、今、彼女のためにアニメを作ってるんだ。将来は共演というよりも、監督または脚本家と女優という形で仕事をするかもね」と、同業者のジェラシーよりも妻への愛が大きく深いことを示したライアン。ごちそう様です!
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