インド系イギリス人のジェス(パーミンダ・ナーグラ)は、アツくて純情なサッカー娘。厳しい家庭に育ちつつも明るく元気で素直。決してスタイルや容姿が抜群でもないのに親近感の沸くヒロインです(そして忘れられない太い眉!)。
ベッカムに憧れてサッカーをする女の子のお話ということで、かなりミーハーな展開かと予想していたのですが彼女の境遇はかなりヘビー。
ライバルとの競争、トラウマ、家族や宗教の問題などなど、彼女の悩みはてんこ盛り。何度もイライラ、ハラハラさせてもらいました。
それでも全編に流れる脱力系インド音楽、深刻にさせてくれないお気楽キャラたちのせいで重苦しい雰囲気は全くありません。
まさかこんなに泣けるとは思いませんでした。
さて、彼女の入るサッカーチームには女子しか選手しかいません。ロッカールームは完全に女子高ノリ。
気が強くて美人なライバルがいるところもかなり少女漫画チック。この手の設定でもう絶対においしい役どころの「厳しくて美形の鬼コーチ」。
どう見てもライバルの彼女の方がお似合いなのに、主人公にひかれてしまうんですねー。
女性陣が皆たくましくて骨太な方ばかりなので、細くて繊細で色白な風貌が美しく際立ちます。
コーチのジョー役の彼はジョナサン・リース・マイヤーズ。
「ベルベット・ゴールドマイン」でのビジュアル系な風貌と見比べてみると面白いかも。
この作品に出てくる人々はそれぞれ信じるものが違いますが、みんながサッカーとベッカムを愛してます。
それがとてもすがすがしくもありました。このご時世に意味のあるメッセージがこっそり込められている映画です。
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