70年代、アメリカで伝説的なテレビプロデューサーと言われたチャック・バリスの出版した自伝は、そのあまりに奇想天外な内容に世間は驚くどころか相手にせず、自伝は全く売れなかった。その驚くべき内容とは自分はテレビプロデューサーの傍らCIAエージェントとして仕事をしていたというのだ。そのユニークさに目をつけたのは俳優のジョージ・クルーニー。本作ではなんと初監督に挑戦した。今回のインタビューでは初の監督業について彼に色々な質問をぶつけた。
Q.今回初監督と言うことだけど、監督という仕事についてどう思う?
素晴らしい人材、素晴らしい俳優を雇って、素晴らしい台本を手に入れて、後はそれを台無しにしないように頑張るのみだ。
これが僕の仕事さ。台無しにしないようにすること。大将になって、どこにどのショットを入れるか指示して、みんなを盛り上げて仕事をさせる。台無しにしないよう祈るのみさ。
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才能のある人たちがたくさん周りで僕の仕事振りに注目しているからね。
Q.特撮をカメラだけで撮ったそうだけど…
特撮はすべて、グリーンスクリーンを使わずにカメラでそのまま撮ったんだ。
登場人物が走りまわったり、出入りの激しいシーンでは、文字通り実際に俳優たちが走りまわったり、入れ替わったりしていたんだ。ワンテイクの間にね。
例えば、デーティング・ショーのテイクでは、サムがここにいたとしたら、デートコンテストに参加しているサム(サム・ロックウェル、主演)までカメラがパンしている間にダッシュで先回りして着替えてパンが止まる前に位置についてカメラにおさめられて、その後他の参加者もおなじことをするんだ。
大急ぎで、でも静かに走りまわらなければならない姿は愉快だったよ。
Q.撮影に対するアプローチの方法を教えてくれない?
1シーンを撮るのにほとんど時間をかけなかった。数テイクしか撮らなかった。もちろん、2、3のとても複雑なシーンには15から20テイク撮ったけれど、ほとんどは3、4テイクかそこらで終えたよ。中には1テイクで出来たシーンもあった。
以前、監督の仕方に関する本を読んだが、そこには、第一日目の最初のテイクは、シンプルなセットでワンテイクで次に進めと書いてあったんだ。そうすればスタッフ全員が圧倒されて、その後の仕事運びがよくなるからね。
実際やってみたら、本当にその通りになったよ。
Q.自分自身を監督することについてどう感じた?
撮影中はいろいろあったけど、中でも、自分自身を監督するのが一番難しかった。
だいたい2、3テイク撮った後にカットを入れてモニターで確認してよければ進むというかたちをとった。
サムが主役だから、ほとんど彼がフレームの焦点となるわけだし、僕は自分の役がカメラの前で言うべきことはわかっていたから、問題はなかった。
Q. CIAエージェント-ジム・バードはどんな性格なんだろうか。
1960年代初頭だったみたいだ、ケネディー暗殺事件なんかがあった時代だよ。
その頃、バード(ジョージ)がチャック・バリス(サム)の人生に登場したんだ。CIAに入れるためにね。
刺激があるし、興味深い世界だといって誘ったんだ。
創造力に行き詰まりを感じていた彼に他の選択肢を与えるというやり方でね。
『コンフェッション』は8月16日丸の内ピカデリー2他全国にて公開
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