ドラッグカーを持っているエキストラはすぐに集まったんだ |
まほ:あなたにとって、続編への出演は初めての経験だったと思うんですが、いかがだったでしょうか?
ポール:そうだね。思ったより難しいものじゃなかったよ。たしかに緊張感も、プレッシャーも前より感じたけどね。ワイルドスピードはすごく人気が出たから続編へのみんなの期待はとても高かったし。でも、初めて観る映画は、期待とかできるもんじゃないし、続編に対してみんなが期待するのは当たり前でしょ? だから…人は人だよ。っておもうことにしたんだ。
続編っていうことでプラスなこともあったしね。例えば、今回の監督のジョン・シングルトンはとてもすばらしかったし、この映画のメインともいえる、カーレースのシーンではたくさんのエキストラが呼ばれたんだけど、その条件がドラッグカーを持っていることが条件だったんだ。でも、前作であれだけ人気が出ていたから、彼らを集めるのはとても簡単だった。
『ワイルドスピード』ファン全員集合! ってかんじでね。いつも、現場は興奮状態でエネルギーが満ちあふれていたから。すごく乗れて撮影ができたよ。
まほ:それじゃあ、プレッシャーも吹き飛んだでしょう?
ポール:ふっとんだね。それに、この映画にかかわった人たちみんなが、車や、映画に対する情熱を持っていたから。はじめの頃は緊張したりしたこともあったけど、すぐになくなったよ。だから、この映画が完成したときはすごく充実した気分になれたよ。
まほ:監督が替わったことに対してはどうだったでしょう? ジョンは主に黒人を主人公にした映画を撮ってきた監督ですが。
ポール:すごく違いがあったよ。監督が代わったことによって前作も、今回も全く違った物になった。でもそれが、一番よかったことじゃないかと思う。ダイナミックさも、カースタントも、もっと派手になったし、たまに、監督が代わるとやりにくくなるとかいう意見を聞くけど俺の場合は全く逆ですごく刺激になったしうれしかったよ。撮影の前は不安だったけど、新しい監督も、役者もみんな一緒にいてとても居心地の良い人達だったからね。
まほ:キャストはあなた以外総入れ替えでしたが、寂しくなかったですか? 前作のメンバー達が恋しくありませんでした?
ポール:だいじょうぶだったよ(笑)。始めは恋人役だったジョーダナ・ブルースや、ミシェル・ロドリゲスのパンチが恋しく思ったりもしたけどね。もちろん、兄貴分だったヴィン(ディーゼル)ともまた共演したかったけど…。そのかわり、タイリースっていう最高の相棒ができたからね。タイリースとは、撮影が終わってからもちょくちょく遊んでるくらい仲がいいんだ。
いまは日産スカイラインを運転しているよ。日本の車は最高だね。 |
まほ:運転の技術の方は上達しました?
ポール:前作の撮影の時から、引き続いて、いろんな運転のトレーニングプログラムを受けたからね。たぶん8クラスぐらい通ったんじゃないかな。レースにも、たくさん参加してるし。
まほ:どんなレースですか?
ポール:クラブカーレースって呼ばれてるやつさ。サーキットには、すごく頻繁に行ってるんだ。だから、運転はかなりしてる。1のときより運転の技術は、かなり上達しているよ。
まほ:車は何を運転してるんですか?
ポール:日産とか。いろいろ。
まほ:もしかしてたくさん持ってます? 何台お持ちですか?
ポール:うーん。多すぎて数えられない。
まほ:本当に?!
ポール:もうすぐ、売らなきゃ(笑)。
まほ:改造もするんですか?
ポール:もうしないよ。
まほ:もうってことは、してたんですね。
ポール:若い頃はね(笑)。親父が、大の車好きで、よく二人で改造したりいろいろしてたけど。金も時間もかかりすぎるからやめたんだ(笑)。今は改造なんかしなくても速い車は買えるし(笑)。この映画の現場でみんなにああしろこうしろ言ってるので十分さ。
まほ:その経験は、この映画のあなたの役にも生かすことができたんじゃないですか?
ポール:うん。車は大好きだし。ストリートレースも青春みたいなもんだったから、仕事で、しかも役者として、主役もやれて、自分の大好きな車の映画で。こんなラッキーなことってなかなかないだろ? だから撮影もすごい楽しくて。もう最高だったね。仕事っていうより、遊びだったよ(笑)。毎日現場に行って、遊んで帰ってくるって感じ。うらやましいでしょ?
まほ:ほんとに! 最高ですね。ところで、撮影ではどのくらいの速度まで出したんですか?
ポール:始めの方で、マフィアのボスに言われてレースをするシーンがあるんだけどあのときが一番かな。時速195キロ位だと思ったよ。
まほ:速いですね。怖くなかったんですか?
ポール:全然。たぶん他の人達は怖かったと思う。カメラマンが一番怖かったんじゃない? だから、彼が笑われないようにちょっと怖がってあげたんだ。
まほ:プライベートでそのくせが出たりしていないですか? チケット切られていない?
ポール:気を付けてます。
まほ:なんか隠してますね。さては、結構だしてますね。
ポール:う、うん。だから今、サーキットによく行ってるんだよ。車に普通に乗ってると、ついスピードを出したくなっちゃうからさ。フリーウェイにのってると、むずむずしてきちゃって。
まほ:わたしロスに住んでたんですけど、運転するのただでさえ怖かったのに。
ポール:どこに住んでたの?
まほ:ハリウッドです。
ポール:そりゃ危険だ。車が多すぎだ。しかもみんなしらふじゃないしね(笑)。
まほ:話は変わりますが、この映画は、車のほかに、男同士の熱い友情もテーマの一つだと思うんです。今回は、タイリースとの友情が中心に描かれてましたが、彼との共演はいかがでしたか?
ポール:最初にできた脚本では、彼と俺はすごく仲が悪くて映画中ずっと喧嘩してお互いを警戒し合ってるような設定だったんだ。で、僕はそれが気に入らなくて。というのもそれってなんか前回のに似てると思わない?
それに、タイリースともすぐに打ち解けたから、映画の中でもすぐに仲直りさせて、ずっと仲良しな幼なじみって風に変えてもらったんだ。おとこなんて長年喧嘩してて会ってなくたって、あんなふうにすぐ仲直りするもんだしね。観客だって、疑いあってる二人を観るより、ふざけあって楽しそうにしてる俺達を観る方が楽しいだろうと思ったんだ。実際、撮影が始まったら俺とタイリースが一番働かなきゃいけなかったからね。
二人でいる時間はいっぱいあったから、仲良くなるのなんて全然時間がかからなかった。
まほ:だからでしょうか。白人と黒人の友情をテーマにした映画ってどうしてもわざとらしさがあったりするんですが、今回はそれが全然感じられませんでした。
ポール:そうだね。それは、勿論お互いが心から尊敬しあってた結果だとも思うし、二人が共通して愛する車という存在やすべてがいい結果を生んだと思ってる。
まほ:劇中での、あなたのしゃべり方もすごいストリートでしたよね。
ポール:それがおかしいところなんだけど、あれは僕の地のしゃべり方なんだよ。楽なんだよね。"YO BRO!"とか"WHAT'S
UP?"とか普通に言うよ。すごいおかしいのは、あのしゃべりはコーチについて習ったの? とか言われるんだけど、こんな風に礼儀正しくしゃべってる話し方の方が教えてもらいたいくらいで、あのしゃべり方はロスにいれば普通にしゃべる言葉なんだよね。
まほ:ストリートレースにも実際出たりしてたんですか?
ポール:うん。昔はいつも出てたよ。高校の時は地元のサンバレーで毎週水曜日にレースがあったから。そのときはトラックもってたんだけど、地元のレースなんて、映画みたいに派手なもんじゃなかったから、余裕で出てたね。楽しかったよ。
まほ:初めて持った車は何だったんですか?
ポールA86年型フォードの‘ピックアップトラック’全然速くないやつ。
まほ:改造した?
ポールしてないよ。そのころはサーフィンしてたから、荷台にサーフボードと犬のっけて海に行ってた。
まほ:サーファーですか。かっこいいですね! さぞプレイボーイだったのでは?
ポール:まあね(笑)。
まほ:今の車に、ニトロは載ってます?
ポール載ってないよ。ニトロってモーターをだめにするから嫌いなんだ。だから何のスイッチもついてない(笑)。
まほ:映画の中で一番気に入ってる車は何でしょう?
ポール:そうだな。スープラと、日産スカイラインかな。日本車はすごいよ。一番だね。
世の中、子供に悪い影響を及ぼすようなものはいっぱいあるけど… |
まほ:それでは最後の質問になりますが、この映画が公開されるとき、「このような映画は若者達にまた悪い影響を及ぼす」という意見がアメリカでありました。日本でもたまにこういうばかばかしいことを言う大人がいるんですけど、彼らについてはどう思いますか?
ポール:うーん。これって、結構難しい問題なんだけど、この映画の中心であって、一番のターゲットでもあるのは、紛れもない若者達なんだ。
それから、この「ワイルドスピードX2」を一番楽しみにしてくれているのもキッズ達だと思う。俺自身の意見としては…世の中悪い影響を及ぼすかもしれない物なんてあふれているけど、今のキッズ達はそこまでバカじゃない。特にこの映画を楽しみにしてくれているキッズ達の中に映画とまるきり同じように公道をぶっ飛ばすなんて奴らはいないと思っている。
俺も高校の頃は車に夢中だったからわかるんだけど、改造って時間もかかるし、金もかかるから、まじめにバイトもしなくちゃいけないし。それに、改造ってそれなりに頭も良くないとできないもんだろ?
この映画には、特に目立った暴力シーンもないし、日系人も、ラテン系も、ブラックもホワイトも人種は違っても車への情熱が根底にあるから、たとえ、黒人と白人が対立しても、それは暴力ではなくてレースで解決される。確かにレースには、様々に危険が伴っているけど。もしかしたら、暴力へ向けられるかもしれない若者特有の情熱やいらいらや、そういった物がレースに向かうんだったら、そこはポジティブに考えたい、というか考えてほしいと思うよ。
ワイルドスピードのホットな二人のインタビューは本当にホット! でありました。いやあ、ポール様、かっこよすぎ! たぶん私が生きてきた中で、出会った男の中でいちばんハンサムではないだろうか。彼が笑うたんびに、白い歯がきらきらって輝いたのがホントにまぶしかったです。そして、そのたびに私はくらっくらっと失神しかけたのもまた事実。でもなぜか裸足。超かっこいいのに、なぜか裸足のワイルドさに、またくらっとし
てしまう私。生ポールはほんとにみてるだけで、大興奮! インタビューしながらも私の妄想は大暴走。思う存分視姦させていただきました。へっへっへー。
エヴァ・メンデスは、いかにもラテン姉ちゃんでいやあよくしゃべるよく笑う。ポールのインタビューでとろけすぎてた私に張り手の一発でもかましてほしいくらいでした。さらに頭の回転も超フルスピード!これから、もっともっとビッグになって、ジェローなんて追い越しちゃってほしいです!
(インタビュー・文/森田真帆)
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