特設ステージの外にも約2千人のファンが詰めかけ歌舞伎町は「マトリックス色」に染めあがっていた。
天候は雨。くしくも『マトリックス レボリューションズ』のクライマックスシーンが雨なのは偶然とはいえ、このイベントを迎えるに相応しい舞台となった。主演のキアヌ・リーブスはファンと丁寧に握手をかわした後今日の日を迎えた感想を感慨深げに語った。
「僕はこの『マトリックス』に人生の6年間をかけました。僕の人生の中でもっとも記念すべき6年です。その間アーティストとして成長することが出来、素晴らしい体験をすることができたと思う。その素晴らしいビジョンを与えてくれたのがここにいるこのウォシャウスキー兄弟だ。そして、何よりも僕らは日本のファンがとてもこの『マトリックス』シリーズを愛してくれたことに感謝しています」
またプロデューサーのジョエル・シルバーは、いままでだれも考えつかなかったこの世界同日、同時刻公開というプランをどうして思いつき、実行に至ったかの経緯について語った。
「『マトリックス リローデッド』を全世界の人に観てもらった後、一刻も早く次が観たいという声が殺到した。そして我々もとにかく早くこの続きを観てもらいたいと強く思うようになり、その結果こういうプランに行きついたんです」
また、マスコミに対していままでコメントが少なく、その正体が謎めいているとも言われていた監督のウォシャウスキー兄弟もこのイベントには2人そろって顔を出した。
「日本に来ることが出来て幸せです。これだけマトリックスを愛してくれたのは日本だけです。その愛は他の国に勝っています。本当にありがとう」
そして、迎える日本時間11時の30秒前、ジャダ・ピンケット・スミスのノリのいいかけ声とともにカウントダウンが始まる。スモークがたちこめ、緑色のレーザーがキャストのシルエットや『マトリックス レボリューションズ』のロゴを形どる。10秒前には場内の声も一つになり興奮も最高潮。そして、カウントアップと共に空から無数の緑のテープと紙吹雪き、11月だというのに雪と見間違うような泡が降り降り、華やかにイベントは終了した。
(取材・文 下村麻美)
『マトリックス レボリューションズ』は11月5日、丸の内ルーブル、丸の内プラゼール他全国松竹・東急系にて公開。
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