Q:活気があるってことですか?
うん、そうだね。すごくよくしゃべるし、声も大きい(笑)。それから、電話が大好きで、本番中とかでも大きな声で話してたりする。でもそれは、日本と中国のスタイルの違いなんだなって分かって、単純にギャップは感じましたけどね。
中国から日本に入ってきてる映画は、世界出資だったりするから違うものも多いだろうけど、(音と画の撮りを)シンクロでやっていない映画も少なくないみたいで。日本では、丁寧にシンクロさせて撮るから、本番中に話すなんて大変なことだけど、中国のドラマなんかは、アフレコとかが多いらしくって、あまり撮影に音が関係ないんだよね。もうそれは、ほんとにスタイルの違いだよね。
Q:コミュニケーションは?
僕もふたりもまったく英語はダメだったから、通訳を通してのコミュニケーションでしたね。ただ、日本では割と、演技を固めてから本番を演じる役者さんが多いんだけど、徐静蕾はとにかく本番で演じようというスタイルの人で、リハーサルも確認程度で済ませから、演技上でのコミュニケーションって言うのは、あまり必要ではなかったね。
そりゃもちろん、日常会話でのコミュニケーションはあるけど、その程度ですんじゃう。“上海ロケ”なんて聞くと、一瞬楽しそうじゃない? だけど、役者って言うのは、それがどこであろうと同じで、芝居を作り上げることが仕事な訳で、それがいちばん難しくって、大変なことなんですよ。だから、反対にコミュニケーションが余計に感じてしまうこともあったりするし。最後の方はふたりとも慣れてきたみたいで、話す機会も増えたりはしたけど、だからと言って、それが芝居に影響すると言うことはなかったな。そういうことで、芝居は左右されないんだよね。違うところで、作りあげて行こうと言う意識があるから。
■共演のふたりは真面目な人
Q:ふたりの印象は?
ふたりともシャイ。おとなしくて、すごく真面目だった。日本のスタッフでの撮影だからということじゃなくて、きっとどの現場に行っても真面目なんだと思うよ。
Q:英語のセリフが多くて大変だったのでは?
ネイティブの役ではないから、発音が悪くても、ニュアンスが違ってても、それはしょうがないと思ってはいたけど、それでも、大変だったね。
「ここはそういう言い方はしない」とか、「この単語はそう発音しない」とか言われちゃうと、そういう細かな決まりごとと気持ちとどっちが大切なんだろうって思っちゃうよね。だからと言って、伝わらないと言われればそれまでだし……。そこのへんが非常に難しかったね。
でも、僕らは、まだ英語に多少なじみがあるけど、董潔の日本語のセリフなんて、相当大変だったと思うよ。でもさ、いいんだよ。言葉の意味を知らないと絶対に、その言葉の意味を聞いて、それを伝えようとするじゃない? だから、普通のセリフよりも、伝わりやすいはず。一生懸命に言おうとしてるからね(笑)。この映画はそういう人たちの集まりだね。
(取材・文:高山亜紀)
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