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ヴィゴ・モーテンセン『オーシャン・オブ・ファイアー』来日記者会見

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『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズでアラゴルン役を演じ、一気に時の人となったヴィゴ・モーテンセン。彼の最新映画『オーシャン・オブ・ファイヤー』が4月17日より公開される。1月末に来日したばかりで早くも再来日したヴィゴは、飲み物を自分自身で運んだり、通訳さんが翻訳してくれている間顔をジーっと見つめたりなど、彼らしい気配りが随所に垣間見られた。また、長い日本語のメッセージを披露するなど、サービス満載の会見となった。

ヴィゴ(以下V):今日は記者会見に来てくれてありがとう。つい最近来日したばかりだけど、また戻ってきたよ。今回のプロモーションには、馬のT.Jや他のキャストが一緒に来られなかったので、少し寂しいな。でも、今日この場に来ることができてうれしいよ。

Q:日本の印象はいかがですか?

V:初めて来たのは1997年で、去年と今年で4度目になるよ。初来日の時は息子と一緒に2週間ほど滞在して、車や列車で北海道や九州まで旅したんだ。とても楽しかったのを覚えているよ。

Q:撮影中一番大変だったシーンはどこですか?

V:周りの景色が美しくて、常に癒されていたから、特に大変だとは感じなかったよ。ただ自然はかなり厳しかったから、砂嵐のシーンなどは馬も苦労したんじゃないかな。それでも皆仲良く仕事ができたので、うまく乗り切ることができたよ。それでもあえて挙げるとしたら、レースがスタートするシーンの撮影かな。あのシーンは馬が密集して押し合っていたから、想像以上に危険なんだ。でも幸運なことに、僕も馬も怪我をすることは無かった。他の乗り手の中には怪我をした人もいたけど、直ぐに回復したので安心したよ。

■馬も人も変わらない存在

Q:撮影中は馬のT.Jとどのようにコミュニケーションを取られていたのですか?

V:優れた俳優には人も馬も同じルールが当てはまると思う。楽しい時間を過ごして良い結果を出すためには、相手に要求するのではダメなんだ。相手にお願いをして、敬意を示すことが大切なんだよ。そうすると相手は自分の経験や意見を教えてくれるようになるわけさ。特にこの作品ではSFXを使わず、本物の馬が出演しているから、彼らのパーソナリティや演技力が作品の出来を左右することになるんだ。そういった意味では、今回T.Jと共演できたことはラッキーだったよ。

Q:今日胸に付けているバッチについて教えて下さい。(『ロード・オブ・ザ・リング』で来日した際も付けていた。)

V:これはただのバッチでしかないよ。国連のマークが記されているんだ。このような公の場で話す機会をくれた人から貰ったものなのでつけているだけだよ。"国連"というのは、"ユナイテッド=統合"と"ネイション=国"という2つの言葉が組み合わさって出来ているので、とても気に入っている。もちろん単純な組織ではないけれど、注目に値すると思う。

■観客を信頼して作られた映画なんだ

Q:反戦に対する意識の強いヴィゴさんですが、この作品を選んだ理由と、最近の娯楽映画についてお聞かせ下さい。

V:今回の作品には、見た目の違う様々な人が登場して、最初は対立するけど、お互いに努力して理解するようになるんだ。とはいっても今の世界状況を踏まえて作ったわけじゃないんだ。何しろ9.11以前に脚本は出来上がっていたし、イラク進行前に撮影は終了していたからね。そんなあからさまなメッセージでは観客が引いてしまうだろ? まず楽しんでもらわなくちゃね。最近のハリウッド大作は観客の知性を信用しないで、あからさまな作品が多いよね。この作品は確かにカウボーイが出てきて、中近東が舞台だけど、単なるカウボーイ映画ではないよ。ちゃんと観てもらえれば、根底にあるメッセージに気が付くと思う。観客を信頼して作った、古き良きアメリカ映画だと思うよ。

(答えが長くなってしまったので、通訳さんに"グッドラック"と一言。その後通訳さんに対して拍手し、自分の水を飲むように勧めた。)

Q:今お飲みになっているのはなんですか?

V:マテ茶だよ。南米にある飲み物で、エネルギーを補給してくれて、健康にも良いんだ。日本にあるかわからなかったから、自分で持ってきたんだよ。スクワォッシというかぼちゃのようなもので作られたカップを"マテ"というんだ。そしてストローのようなものを "ボンビージャ"とうんだ。ちなみに中のお茶のことも"マテ"と呼ばれているから、僕が手にしているのは、マテ、ボンビージャ、更にマテということになるね(笑)。

■彼に過去の共演者についていろいろ質問しちゃったよ(笑)

Q:オマー・シャリフさんとの共演について感想を聞かせて下さい。

V:監督から彼が出演するかもしれないと聞いたときは、すごく期待したよ。そして出演が決まったときはとても嬉しかった。『アラビアのロレンス』大ファンだったので、デビッド・リーン監督や、ピーター・オトゥールと一緒に仕事をした感想などいろいろ聞いたよ(笑)。先ほどT.Jという馬について言ったけど、彼に関しても同じことが言えるんだ。彼のお陰で作品がよりレベルアップしたと思う。もちろん彼は映画史に残る人物だけど、それだけではない。エジプト人であると同時に、回教徒でもあるんだよ。つまり片足を西洋に、もう一方を東洋に置いている存在で、まさに"コスモポリタン"そのものなんだよ。彼の存在はこの映画にとって幸運のお守りだった。また、良い役者を体言したような人で、とても自然でさりげない演技をするんだよ。俳優としてはもちろん、人生の師としても尊敬しているよ。

Q:西洋と東洋の融合が描かれている本作は、今の世の中にどのような意味を持つのでしょうか。

V:メッセージは観客がそれぞれで感じてくれればいいと思う。僕の場合本を読んだり映画を観たりするのは、普通では行けないような場所や時間に行けるからなんだ。そして登場人物と自分を置き換えることによって、普段考えていることを受け入れやすくするんだ。だから、皆がこの映画を観て何かを感じてくれればそれで満足だよ。あと、映画の中では混血について触れているけど、そもそもこの世に純血なんて存在しないと思うんだ。子供には必ず父親と母親がいて、彼ら自身も個人なわけだからね。世界の歴史から見ても、純血を主張するのは危険な行為だよ。この作品はカウボーイの話でもあるんだけど、彼らには常にネガティブなイメージが付いてしまっているだろ? でも僕が出会ったカウボーイたちは、利己的で自意識が強い人は全くいなかったよ。そういうことも知ってもらえれば嬉しいな。

■永遠に人生を学び続けたい

Q:『ロード……』の成功ですっかり有名人になられましたが、今後の目標はありますか?

V:確かに前作の成功がなければ、この作品に出演することもなかっただろうね。いくら監督が僕を使いたがったとしても、無名俳優ではあまりにリスクが大き過ぎるだろ? だから『ロード……』に出演させてくれたピーター(ジャクソン監督)には本当に感謝しているんだ。今後の目標?俳優としてのゴールというのは特に決めていないよ。人間として言えば、永遠に学び続けたいと思っているんだ。例えばすごく疲れてうんざりしているときなどは、色々なことが面倒に感じることもある。でも、世の中には新しいことがあふれているから、常に前向きな気持ちでいたいんだ。そういう意味でも前作や本作は、ストーリーも興味深いし、役者としても様々なことに挑戦できたのでラッキーな出会いだったと思うよ。そういう気持ちは観客にも伝わっているんじゃないかな?

 

 

 

■一緒にハルウララを助けよう!

(花束を贈呈する為に騎手の武幸四郎さん登場)

武(以下T):映画を観ただけでも、ヴィゴさんと馬の信頼関係が伝わってきました。乗馬もとても上手だったので、ぜひ教えていただきたいですね(笑)。『ロード……』のときはとても神秘的で、本作ではとても男っぽかったです。そして実際にお会いしてみたらとっても紳士的な方だという印象を受けました。

V:僕からもプレゼントがあるんだ。僕が撮った馬の写真集(The Horse Is Good)なんだけど、中に書いたメッセージを日本語で紹介してみるよ。"ドウゾ コウシロウサン ハルウララ ヲ タスケテ クダサイ"多分僕ら2人が力を合わせれば何とかなるはずだよ(笑)。


(文・取材:FLiXムービーサイト)

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