ローランド・エメリッヒ監督(以下監督):東京に戻って来られてうれしいよ。ぜひ映画を楽しんでほしい。
マーク・ゴードン(以下製作):この映画は素晴らしい映像と、ハートフルな物語の融合を楽しむことができるはず。そして見終わったあと、みんなが考えなくてはいけない重要なメッセージが込められているよ。
ジェフリー・ネクマノフ(以下脚本):今回初来日なんだけど、日本は美しい所だね。みなさんにはぜひ映画を楽しんでほしいな。
デニス・クエイド(以下D):僕は10回目くらいの来日になるんじゃないかな(笑)。でもこんなに大きな会見は初めてだよ! 温かい歓迎に感激しているよ。今回の映画は見る価値のある作品に仕上がっていると思う。
ジェイク・ギレンホール(以下J):東京はとても美しい所だね。監督が破壊しなくて本当に良かったよ。
エミー・ロッサム(以下E):ハイ、コンイチハ。今回は呼んでくれてありがとう。実は子供の頃から日本に行きたかったから、夢が叶ったわ。特にこの作品で来ることができてうれしい。
Q:宣伝文句で「あなたはその時どこにいますか」とあるのですが、現実に起こったらどこに行きますか?
監督:メキシコの自宅にいるよ(笑)。
D:南のどこかかな。
J:いつかメキシコに家を持ちたいから、そこにいるつもり。
脚本:エメリッヒ監督宅のドアを叩くよ(笑)。
E:私も監督の家に招かれたいわ(笑)。でも多分家族と一緒にいると思う。
製作:僕も国境を越えた南側がいいな。
Q:この作品が科学者からも支持されていることについてどう思われますか?
監督:シナリオの段階から科学的根拠のリサーチには力を入れていたよ。ただ映画ということもあって、実際よりスピードは速めているけどね。
Q:実際にはどのようなリサーチをされたのですか?出来上がった映像を観た感想は?
脚本:科学者や環境学者に実際に会って話をしたんだ。映画を観たときは感動したよ。俳優の演技も素晴らしいし、エンターテインメントとしても楽しめる上に、私が調べたことが忠実に描かれていたからね。
Q:作品には政治的メッセージが多く含まれていますが、意識されて作ったのですか?
監督:この映画を思いついたのは、大型台風が上陸するというSF小説がきっかけなんだ。その本を読んだとき実際に起こりえると思ったよ。政治的メッセージに関しては、経済大国として傲慢になっているアメリカも、非常事態にはメキシコのような小国に対して、腰を低くしなくてはならないということを伝えたかった。
製作:そうだね、それは国に関してだけでなく、一般的な教訓としても言えることだね。
脚本:僕が描きたかったのは、人間が困難に直面したとき、個人として、国として協力し合いながら解決していく姿なんだ。
Q:パニック映画が大ヒットする理由はなんでしょうか?
D:この手の映画は僕も好きで、『大地震』なんかは良かったよね。エメリッヒ監督の『インデペンデンス・デイ』もとても気に入っていて、できることなら出演したかったな。監督はどうすれば観客を楽しませられるか熟知している、パニック映画の巨匠だと思う。だからこそ今回出演することを決めたんだ。観客は純粋に娯楽作品として映画を楽しめばいいと思うよ。そしてもし、劇場を出るとき地球の温暖化について考えてもらえれば、それはうれしいボーナスになるね。
Q:ジェイクさんはインディペンデンス系作品への出演が多かったですが、大作映画を選んだ理由は?
J:スケールや製作費用などを除けば、ハートは今までの作品と変わらないと思うよ。この映画には、大作にしては珍しくきちんとした意味や意義があるんだ。その上興行的にも成功して良かったよ。
Q:撮影現場も寒かったのですか?
製作:実際はとても暑かったんだ。暑すぎたから外で撮影したほうがいいんじゃないかと思ったけど、モントリオールは寒くてね(笑)。セットの中で人工の雪を使って撮影したよ。
D:寒いのは好きじゃないから、セットが暖かくて良かった。でもその中で南極仕様のコートを着ていたから、汗だくになっていたよ。
E:私はニューヨーカーだから、暑い夏や寒い冬に慣れていて、寒暖の差には適応できたわ。セットの中であまりにも暑くなったときには、外に出て寒さとはどんなものだったかを思い出したものよ(笑)。
J:僕は水に浸かっていることが多かったんだけど、水も温かかったんだ。
D:なぜ温かかったんだ?(笑いながら、分け有り気の様子)
J:なぜかはわからないけどね(笑)。2週間半くらいかけて撮影したんだけど、楽しかったよ。ただ700人ものエキストラの人たちと一緒に激しい豪雨にさらされたり、水浸しになったりしたときは、正直うんざりしたけど、僕は打たれ強いし気にしない性質だから問題はなかったね。
Q:災害時にたった1冊持って逃げるとしたら何の本にしますか?
D:「馬鹿が生き残る本」かな。(会場大爆笑)
E:「二十日鼠と人間」というスタインベックの作品かしら。何度読んでも素晴らしい作品なのよ。
J:なんだろう……。あんまり本を読まないんだよね。そうだジェームズ・ボールドウィンの「アナザー・カントリー」がいいな。僕にとっては素晴らしい本なんだ。
Q:撮影中辛かったときの対処法は?
D:俳優は普通の仕事とは違うんだ。どんな困難に遭ったとしても、僕らはただ演じているだけだよ。しかも大きなトレーラーはあるし、ギャラもたくさんもらえるから辛いことなんかないよ(笑)。俳優が不平を言うのはもっとちやほやされていからなんだ(笑)。あと監督は、苦痛のないような撮影方法を心得ているから大丈夫。スタントを使ったりしてね(笑)。
J:僕は演技面での苦痛より、待ち時間が長いほうが辛いかな。そんなときは「素晴らしい映画に出演しているんだ」という思いが支えになったよ。僕はいわゆる映画一家出身なんだけど、いつも家族から「意味のある映画に出演しろ」と言われていたからね。
E:2週間半ズブ濡れになって演じていたけど、撮影中は気分が高揚しているから辛くなんて無いのよ。ローラという役は芯が強く賢くて、その上女性らしいという尊敬に値する人物だったから、役を信じ、好きで演じていたのでとても充実していたわ。
(文・取材:FliXムービーサイト)
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