第18回東京国際映画祭コンペ作品見どころ 2005年10月26日 <コンペティション部門> バイ・バイ・ブラックバード 美しく幻想的な悲恋の物語 監督:ロビンソン・サヴァリィ 出演:ジェームス・ティエレー、イザベラ・マイコ 見どころ:写真家としても活躍するロビンソン・サヴァリィ監督の、長編デビュー作。サーカスを舞台に描かれる、空中ブランコ乗りの切ないラブストーリー。まるで絵画のように美しい映像と、幻想的でドラマチックなストーリー展開が魅力。 ストーリー:魅力的な空中ブランコ乗りのアリス(イザベラ・マイコ)に恋したジョセフ(ジェイムス・ティエレ)は、自分も空中ブランコ乗りになろうと決心する。 女たちとの会話 映画の新たな可能性を問いかける実験的作品 監督:ハンス・カノーサー 出演:ヘレナ・ボナム・カーター、アーロン・エッカート 見どころ:本作で長編映画デビューを果たすハンス・カノーサー監督が、“2分割フレーム”という斬新な撮影方法で挑む挑戦的な作品。1つのシーンを2つのアングルから捉え、両方を同時にスクリーン上に登場させる編集方法を採用した。そのため、1度観ただけで2本ぶんの映画を楽しめるだけでなく、より深い作品理解にもつながる。 ストーリー:昔恋人同士だった女(ヘレナ・ボナム・カーター)と男(アーロン・エッカート)は、結婚披露パーティで再会し再び惹かれあうが……。 ダラス地区 ハンガリー製の渋い人間ドラマ 監督:アドリアーン・ローベルト・ペヨー 出演:ゾルト・ボグダーン、ドルカ・グリルシュ 見どころ:1人の男が、幼少時代を過ごした故郷に戻り、自らのルーツを辿ることによって本来の姿を取り戻していく様を描いたヒューマンドラマ。アドリアーン・ローベルト・ペヨー監督が、巨大なごみ捨て場で生活する人々の姿を映し出すことによって、消費社会に生きる現代人のあり方を問うた社会派作品でもある。 ストーリー:教師のラドゥ・ディーマ(ゾルト・ポグダーン)は、父親の葬儀に参加するために生まれ故郷のダラスに帰る。そこで荒れ果てたゴミ貯めのような故郷の姿に愕然とする……。 ヒトラー・カンタータ 期待の新人女優レナ・ラウセミズの美貌に釘付け 監督:ユッタ・ブルックナー 出演:レナ・ラウセズ、ヒルマー・ターテ 見どころ:ヒトラー政権下に実在した、ヒトラーを盲目的に敬愛する少女たちの姿に迫った衝撃作。彼女たちの存在も驚きだが、主演のレナ・ラウセミズの往年の大女優を思わせるクラシックな美貌に目を奪われる。 ストーリー:独裁者ヒトラーの50歳記念に、バースデーソングを作曲することになったブロッホ(ヒルマー・ターテー)は、助手のウルスラ(レナ・ラウセミズ)と共に曲作りに励む。 レター・オブ・ファイヤー シリアスな社会派ドラマ 監督:アソカ・ハンダガマ 出演:ピヨミ・サマラウィーラ 見どころ:母国スリランカの厳しい現状を映画を通して表現し続ける、アソカ・ハンダガマ監督の社会派ドラマ。母親と息子との信頼関係の崩壊など、シリアスで重厚な人間ドラマも描き出されている。 ストーリー:下級判事の母親(ピヨミ・サマラウィーラ )は、殺人事件の裁判を担当することになった。しかしその事件には自分の愛する息子が関係していて……。 ドジョウも魚である 庶民派監督のヒューマンドラマ 監督:ヤン・ヤーチョウ 出演:ニー・ピン、ニー・ダーホン 見どころ:「庶民派」監督として知られるヤン・ヤーチョウならではのリアルな生活描写が満載の作品。中国国民の生きるエネルギーを感じることができると共に、出稼ぎ農民の貧しい現状も知ることができる。 ストーリー: 離婚し、都会に出稼ぎにやってきたドジョウ婦人(ニー・ピン)は、偶然自分と同じドジョウという名前の男(ニー・ダーホン)と出会う。 落第 オタクがヒーローの痛快コメディ 監督:ニコラス・ロペス 出演:アリエル・レヴィ、セニア・トスタード 見どころ:ハリウッドを始めとして、世界中から注目されているニコラス・ロペスの爆笑青春ラブストーリー。監督はまだ22歳の新人で、作品同様かなりユニークな人物。“日本オタク”と呼べるほど日本好きで、特に宮崎駿や鳥山明など“ジャパニメーション”にも精通している。 ストーリー:マンガが大好きなオタクのロベルト(アリエル・レヴィ)は、冴えないルックスの内気な学生。しかし美女クリスティーナ(セニア・トスタード)に一目ぼれしたことにより、一気に恋愛モードに火がつく。 恋愛の目的 韓国の今が描かれたリアルな恋愛白書 監督:ハン・ジェリム 出演:パク・ヘイル、カン・ヘジョン 見どころ:本作で監督デビューしたハン・ジェリム監督が、カジュアルな恋愛を楽しむ若者たちの姿を描いたラブコメディ。ヒロインを演じた、韓国若手実力派ナンバーワンのカン・ヘジョンがとにかくかわいい! ストーリー:高校教師のユリム(パク・ヘイル)は、突然助手のチョイ・ホン(カン・ヘジョン)に「君と寝たい」と告白する。 サングレ カンヌも度肝を抜いた衝撃作 監督:アマ・エスカランテ 出演:シリロ・レシオ、ブランカ・サルダーニュ 見どころ:カンヌ国際映画祭の「ある視点部門」で上映され、話題となった注目作。アマ・エスカランテ監督は、隣人や近所の風景など、自分に近い存在を撮影に使用することにより、自らの「心」を映し出そうと試みている。 ストーリー: テレビを見るようにセックスを楽しむ日々を過ごしていたディエゴ(シリロ・レシオ)とブランカ(ラウラ・サルダーニャ)夫婦の元に、前妻との間に生まれた娘が助けを求めてやってきた。 シレンティウム 北野武監督を敬愛するオーストリアの監督作品 監督:ウォルフガング・ムルンベルガー 出演:ヨセフ・ハダー、シモン・シュワルツ 見どころ:教会を舞台に繰り広げられる、スリルとコメディに満ちた一級のエンターテインメント作品。1つの作品の中に何種類ものジャンルが絶妙のバランスでを融合されているので、誰もが楽しむことができる。 ストーリー: 1人の男性の不審な死をきっかけに、教会を捜査することになったブランナー(ヨセフ・ハダー)は、なぜか殺人容疑をかけられてしまう。 13人のテーブル 初恋の記憶が呼び覚まされるラブストーリー 監督:エンリコ・オルドイーニ 出演:ジャンカルロ・ジャンニーニ、カシア・スムトニアック 見どころ:脚本家としても活躍するエンリコ・オルドイーニ監督が、トスカーナを舞台に描いた愛の物語。観光地としても有名なトスカーナ地方の美しい自然と、美女アンナを演じたカシア・スムトニアックのはつらつとした魅力が見どころ。 ストーリー:結婚に失敗したジュリオ(ジャンカルロ・ジャンニーニ)は、幼い頃家族と過ごしたトスカーナの別荘を訪れる。すると初恋の女性アンナ(カシア・スムトニアック)との思い出が懐かしく甦ってきた。 3日間のアナーキー 人生の再生を描いたラブストーリー 監督:ヴィート・サガリオ 出演:エンリコ・ロ・ヴェルソ、ティジアナ・ロダト 見どころ:戦争という混乱の最中、愛に翻弄されながらも自らの人生を見出した男の物語。監督はヴェネチア国際映画祭に短編作品を出品したことのある、映画学者のヴィート・サガリオ。終戦直後のシチリアに訪れた指導者不在の3日間を、生きる人々の姿が生き生きと描き出されている。 ストーリー:軍人のジュゼッペ(エンリコ・ロ・ヴェルソ)は、休暇で戻った故郷で、対照的な魅力を持った2人の女性と恋に落ちる。 雪に願うこと 豪華俳優陣と馬の迫真の演技が光る 監督:根岸吉太郎 出演:伊勢谷友介、佐藤浩市 見どころ:北海道帯広の厩舎を舞台に、兄弟の葛藤を軸に描いた家族愛の物語。『透光の樹』の根岸吉太郎監督の下、日本映画界を代表する演技派の佐藤浩市、伊勢谷友介らが集結した。迷いや挫折を経験しながらも、諦めずに人生を切り開いていく姿が共感を呼ぶ。 ストーリー:東京の生活に挫折した学(伊勢谷友介)は、故郷の帯広に戻るが、兄(佐藤浩市)との間には大きな溝があり……。 ゲルマニウムの夜 芥川賞小説を映画化した衝撃の問題作 監督:大森立嗣 出演:新井浩文、広田レオナ 見どころ:井筒和幸監督の助監督として活躍した大森立嗣の監督デビュー作で、原作は花村萬月の芥川賞受賞作。「自分自身の価値化を強く持つことが大切」という監督のメッセージが込められている。 ストーリー:人殺しの罪から逃れようと、かつて育った修道院に身を隠す朧(新井浩文)。しかし神の家修道院でも朧の異常な行動は治まることはなかった。 私たち 老人と少女の友情物語 監督:マー・リーウェン 出演:コン・チェ、ジン・ヤーチン 見どころ:アジアで評価の高いマー・リーウェン監督による、年も価値観も違う老夫人と少女の心の触れ合いを描いた感動作。少女との出会いによって、老夫人の人生が息を吹き返したかのように輝きだす様は、観る者に深い感動を与える。 ストーリー:ある日突然老夫人の家に転がり込んできた少女。戸惑いながらも共同生活を始めるうちに、2人の間にはいつしか友情が芽生え始める。 ADVERTISEMENT