『エンパイア・オブ・ザ・ウルフ』特集
『エンパイア・オブ・ザ・ウルフ』には、たくさんの魅力が隠れています。そして、その魅力のひとつが“衝撃”。口にするのもタブーとヨーロッパ中から恐れられていた実在の組織“灰色の狼”、すでにこの組織をテーマに映画を作るというニュースだけでもフランスでは大きな衝撃だった。そして、本編ではさらに視覚的にも、感情的にも、きっとさまざまなショックを受けるはず。数ある衝撃シーンの中から今回は、選りすぐりの衝撃ポイントをご紹介。悪徳刑事シフェールの驚きのコメントつきでお楽しみください(映画でのセリフとは関係ありません)。 |
「こんにちは、わけわかんない人です」 |
伝説の悪徳刑事ジャン・レノが、驚くべき姿で登場!! 『レオン』の頃のニット帽をかぶった素朴なオヤジのイメージはどこへやら、髪の毛は銀色、顔にはすごいとこにまでひげが生えちゃってるし、首にタトゥは入ってるし、アロハシャツだし、アロハ着てるくせにコートも着てるし。とりあえず「わけわかんない人」に大変身。さらに、こんなすごいことになっているというのに、ストーリー終盤にかけて、だんだんかっこよくなっいってしまうジャン・レノはさすが! 信じられないワルっぷりが、逆に男の色気ムンムンです。 |
「…」 |
『エンパイア・オブ・ザ・ウルフ』の魅力はなんといってもリアルな描写。監督自身、撮影中何度もマフィアから脅しを受けたというから、リアルな危険がふんだんに盛り込まれています。たとえば、映画の闇組織“灰色の狼”は、映画化はタブーとまでいわれた超危険な実在するトルコ系組織。検死のシーンでの、セリフだけで想定できてしまうようなトルコ式拷問の残虐さは、拷問シーンが一切なくても十分なほど。逆に、言葉だけのほうが、その恐ろしさは伝わってきてしまうかも……。死体、切り刻みすぎです。 |
「あかんやろ!」 「だ、だって……」 |
こんな刑事には絶対捕まりたくない!! 悪徳刑事シフェ-ル。情報を聞き出すためなら、手段などいとわないバイオレンスなシフェールが30分おきに暴走します。相棒のポール、自分から頼んだものの、かなりかわいそうなことになっています。壮絶なバイオレンスは、まさにフランス版『その男、凶暴につき』。重要な情報とはいえ、指切る! 殴る! 殴る! 犯人がかわいそうになってしまうほどの壮絶なバイオレンスに果たしてあなたは絶えられる?! |
「研究所がすっごいおしゃれよね!」 |
記憶がとぎれとぎれになったままのアンナが、シャワーを浴びながら断片的に記憶のフラッシュバックを起こすシーンは、アンナに注がれるシャワーの雫と、記憶がうつくしく交錯して、かなりアーティスティックに……。もともとカメラマンだったクリス・ナオンは、『フィフス・エレメント』のリュック・ベッソンに注目され、育て上げられた箱入り監督。クリスの刺激的な映像美に酔いしれちゃいましょう。なぜだか、ず~っと降っている雨も映画の雰囲気をより濃密にしています。 |
「 あなたの友達怖すぎだって……」 |
記憶障害に苦しむアンナを献身的に支える夫が、彼女を勇気づけるために開いた食事会。そこで、アンナの身に起きる恐ろしい体験を観客も一緒に体験してしまうことに……。CGを見ごとに組み合わせた、闇、雨、そして突然の恐怖。ここで、現実的に運ばれてきたストーリーがすべて一気に壊れていっちゃうことでしょう。私たちが観ているのは、現実なのか、それとも、発狂寸前のアンナの頭の中なのか?! その謎は思わぬところで明らかになっていくことでしょう…… |
「あちょ~!」 |
ジャン・レノ作品で忘れちゃなんないのが、やっぱりガンアクション。『レオン』『WASABI』で見せた華麗なガンさばきを今回もジャン・レノは、余すとこなく見せてくれます。ジャン・レノだけじゃものたりなーいっていうあなた! ヨーロッパ最凶の組織灰色の狼との銃撃戦は、迫力の一言。若きイケメン刑事ポールも奮闘します。かっこいいくせに信じられないくらい強い敵に、ふっとばされたりしながらの熱闘シーンは要注目。銃あり、素手あり、なんでもありの戦闘体制にコーフン120パーセント間違いなし!
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「お、落ちる……!」 |
なんといっても、この映画一番の見どころはクライマックス。舞台をフランスから、トルコに移した2人。大きな岩があちこちにある巨大な山で、カッパドキアの教会を舞台に繰り広げられる壮大な戦闘シーンは、観る者を圧倒。このシーンの撮影では、ジャン・レノ自身もナイフが耳にあたり流血するというハプニングもあったほど白熱したそう。また、ストーリー展開も二転三転、思いもよらなかったラストが、あなたを待ち受けているはず! |