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わたしのヨン様をもとめて? それとも仕事で新境地を開くため? はっきりした理由は本人にも謎のまま、
直感だけを信じ、いきなり韓国へ留学した安田佑子のエッセイ連載開始です!
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キム・ソンス監督作品『美しき野獣』。サンウもジテも76年生まれの30歳。ジテがサンウのアクション演技と作品に対する情熱を褒めれば、サンウも「自分は自信がないが、ジテならドヨン役もジヌ役も両方できたと思う」とお互いを称えた。
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1月14日にソウル劇場で行われた舞台あいさつ。私が見た回は映画上映後に監督、俳優陣が登場。「皆さんが映画を見た後であいさつができるのはうれしいです(サンウ)」「映画が面白かったならもう一度見にきてください。面白くなかったらどうぞどんどん叱ってください(ジテ)」。サンウはとにかく小顔、ジテはすらり長身が印象に残る。 |
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南楊州(ナミャンジュ)総合映画撮影所敷地内にある、ポストプロダクション(撮影後の作業)をする建物。
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とあるミキサールームのモニターには『美しき野獣』の中でクォン・サンウふんする刑事ドヨンが犯人を追うアクションシーンの一場面がっ!
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ガラス越しのスタジオでクォン・サンウの足音を出しているのは果たして……?
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フォーリー・アーティストのお兄さんはサンウの動作に合わせてワイルドな(?)足音を出します。
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映画の迫力を出すのに大役立ちのドアたち。
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日本で2月11日に公開を控えたクォン・サンウ(『火山高』、ドラマ「天国の階段」)&ユ・ジテ(『オールド・ボーイ』『春の日は過ぎゆく』)主演の『美しき野獣』(原題『野獣(=ヤス)』)が、韓国では一足先に1月12日に封切られました。
その中で、クォン・サンウは犯人逮捕のためなら言葉よりも拳が先に出る刑事・ドヨンを演じています。
普段は化粧品のCMをしている程白くて透き通った肌のサンウが色黒でワイルドな野獣刑事に変身。
映画の中ではとにかくぼこぼこに相手を殴りまくり、口を開けばヨク(韓国語で「汚い言葉」※1)ばかり。
「これならむしろ殴られる方がまし」とこぼしていたとかで、サンウにとってはこれまでのイメージをがらりと変え、俳優としてのステップアップとして大きなチャレンジだったようです。
対するユ・ジテは非情なまでに冷酷なエリート検事ジヌ役。
検事が使う専門用語を確実に話すために、ジテは家でも現場でも基本的な発声を徹底的に練習して役に入っていったそう。
そんな2人が演じるドヨンとジヌは同じ事件を追うことによって運命的に出会い、反発し合いながらも呼応していきます。
真の勝者は正義なのか、地位なのか、それとも本能なのか……普遍的なテーマが頭の中をぐるぐる。悩ませてくれる映画でした。
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冬の初めに、南楊州(ナミャンジュ)総合撮影所※2を見学させてもらった時の話です。
『美しき野獣』と縁のある経験をしました。
撮影所はソウルの南東、南楊州市にあって、ソウルからはバスで1時間半~2時間くらい。
『JSA』の板門店のセットを見学できることでも有名な、韓国最大規模の総合映画撮影所です。
今回は特別、一般のお客さんは入れないポストプロダクション(撮影後の作業)の現場を見学させてもらいました。
案内してもらったのは防音設備が整っているミキサールーム。ミキサー台が一台置いてあり、モニターを見ながら、作業中です。
画面を見ると……おっ、クォン・サンウではありませんかっ!
偶然にも『美しき野獣』の音入れ作業中でした。
ガッガッガッとクォン・サンウが勢いよく歩く足音に合わせて「足音の効果音」を入れています。
撮影しただけのままでは音が全部マイクで拾えないので、こうやって効果音を後で入れることによってより自然にもなるし、迫力を出すこともできるわけですね^^
ミキサーさんは何やらマイクで誰かに足音を「あーしろこーしろ」と指示しています。
私はその時見えづらい位置にいたので、はじめは気がつかなったのですが、よく見ると、この部屋の隣にスタジオがあって、そこで歩き回って足音を出してる人がいるみたいなのです。
なぬ? アフレコ(撮影とは別にセリフを後入れする作業)の場合は当然俳優さん本人が来ますよね……。 |
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……と、一瞬思ったんですが、果たして足音の正体は……何やらラフな格好のお兄さん^^。
同じ場面を目の前のモニターで見ながら、サンウの動作に合わせてお兄さんも歩きます。
そして私はそのお兄さんが、決してそこらへんの人ではなく(私も失礼ですね)、れっきとした音出しのプロ「フォーリー・アーティスト(Foley=「生音」を表す業界用語)」だと言うことを知り、自分の無知さを反省するのでした^^;
誰でもできる事じゃないんですよね。俳優のアクションに合わせて迫力、タイミングを合わせるだけでなく、その俳優さんたちの表現したい感情まで再現しなきゃいけないわけですから。
その音出しをするスタジオの方にも入れていただいたんですが、いろいろな種類のドア、窓、車のドアなどなど、効果音を出すのに用いる小道具の数々。
最新技術とアナログ技術をバランス良く使っているんですね。 |
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※1 韓国語の「ヨク(汚い言葉)」について。
ロマンチックで詩的な台詞は韓国映画・ドラマの魅力の一つ。でもそれとは逆に、ヤクザや不良、ちんぴらなんかがたくさん出てくる韓国映画では、びっくりするくらい悪い言葉が飛び交っていて、とても全部は日本語で訳せないみたいです。
まだ住んで1年ちょっとの私は聞いてもどのくらいひどい言葉なのかがわからないのでノーテンキなもんなんですけど、(例えば外国人が「おたんこなす~」と言われてもきっとどのくらい悪い言葉かがわからないのと同じ。え、例が変?)。韓国語で「ヨク」と言われる「相手を侮辱する汚い言葉」は数万個を超えるという説も。日本の「ヨク」と言えば「ばか~」「あほ~」「このやろー」「このあまー」とか? 汚い言葉自体はあるけれど、相手を侮辱する時の「決め台詞」にはあんまり使わないですよね。
韓国語のヨクは英語と似ているのか「このやろー」レベルから下品極まりないもの、R指定もの、しまいには韓国人も意味不明の汚い「決め言葉」がいっぱいあり、たしかにヤクザ映画とか男同士のケンカシーンなんかでは同じようなキーワードが何度も出てくるかも。
※2 南楊州(ナミャンジュ)総合撮影所へのアクセス
地下鉄1号線の「チョンニャンリ(清凉里)」駅からヤンスリ(両水里)方面バス2228番または8番のバスに乗り「ヤンス大橋チンジュン交差点」で下車。約1時間半~2時間。そこからタクシーで10分。
観覧案内HP(韓国語)
http://nsc.kofic.or.kr/contents/html/index.aspx?MenuId=60 |
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文・構成:FLiXムービーサイト編集部
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