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『SPIRIT』ジェット・リー

今週のクローズアップ

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今週のクローズアップ ジェット・リー

週末に公開される話題の映画の中から、気になる人物をクローズアップしてご紹介します。今週は、3月18日から公開の 『SPIRIT』で、実在した中国の伝説的な武道家を演じ、ひさしぶりの本格派カンフーをみせてくれたジェット・リーの人生を再検証! 中国で一番の武道家から、ハリウッドで活躍するトップスターまで昇りつめた彼をささえたSPIRITとは……? プライベートに関してはほとんど公言することのないストイックなヒーロー、ジェット・リーに迫ります!
中国武術界の神童!リー・リンチェイ

今ではすっかり有名になったジェット・リーという名前。でも、彼を語る上でもっとも大切な名前があります。それは、リー・リンチェイ。ジェット・リーがハリウッドで活躍するアクションスターになるよりはるか昔の1963年、リー・リンチェイは中国で五人兄弟の末っ子として生まれました。

8歳から北京の業余体育学校で中国武術を始めると、チャンピオンを目指して練習の日々を送ったリンチェイ。その練習内容はすさまじいもので、一日8時間の血を吐くような練習だったといいます。そして、そんな地獄のような練習の甲斐あってか、わずか3年後に出場した中国武術大会で優勝した彼は、最年少チャンピオンとして一気に中国全土にその名前を広めました。

「リー・リンチェイ」中国武術界の至宝と呼ばれた神童はその後6年間、彼が海外遠征で欠場した年をのぞいて連続優勝という伝説的な記録を作ったのでした!

 
実際、こんな感じです……
Twentieth Century Fox/Photofest
そして、俳優の道へ・・・・・・
中国武術界のヒーローとして国民的英雄となったリンチェイは、武術の素晴らしさを広めるために映画界への進出を決意。

このとき、まだ16歳だったリンチェイは、芸術的な体の動きと、甘いマスクで一躍人気者に。初の主演作『少林寺』は香港・中国でいまだに破られていないほどの興行成績をあげました。デビューから中国市場最大のヒットを飛ばしたリンチェイは、武術界のみならず映画界でもヒーローに。……けれども、それほど簡単にいかないのが映画界の厳しさ。史上空前のヒットとなった『少林寺』以降は、これといったヒット作に恵まれなかったリンチェイ。

俳優の道をあきらめようかとまで思ったというまさにその時、リンチェイは運命の映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ』に出会います。本作で、ようやくリンチェイらしい演技と、アクションを存分に発揮した彼はふたたび中国のヒーローへと返り咲いたのです。
 
ついにデビューじゃあ~!
TriStar/Photofest/MediaVast Japan
念願のハリウッド・デビュー
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ』シリーズで、香港・中国のトップスターとなったリンチェイ。

ところがまたしてもスランプに陥ってしまいます。彼の生真面目な性格があだとなったのか、なぜなのか……。不毛の時期が訪れたリンチェイは、2度目の映画界からの引退を考えたのでした。ところが!

そんな彼に舞い込んできた朗報がありました。それはハリウッドの大人気シリーズ『リーサル・ウエポン』第4作からのオファー!

起死回生を狙ったリー・リンチェイは、ジェット・リーとしてハリウッドの地を踏んだのでした。初のハリウッド映画で初の悪役を演じたジェット・リーはハリウッドでも一気に注目を浴びて主役格に。アジアのスターとして五本以上の作品に主役として出演するという、偉業を成し遂げたのでした。
いや~ここまで遠かったわ……あらよっと
Warner Bros./Photofest/MediaVast Japan
最後のカンフー映画「スピリット」
これまで、多数のカンフー映画に出演してきたジェット・リー。彼が、武術を始めて映画界に入ってから培ってきた武術への愛、そして俳優である前に武術家であらんとする信条。

そんな彼の持つ熱いSPIRITが描かれた作品『SPIRIT』。伝説の武道家フォック・ユアンジェの壮絶な生涯を、ジェット・リーが体をもって演じた本作はおそらく彼が出演する最後のカンフー映画になるだろうといわれています。

インタビューでも、「一人の武術家として、伝えたかったことがすべてこの映画に詰め込みました。今は、そのことに満足しています」と答えて、これからはカンフーではない、違ったテイストの作品選びをすることを匂わせていたジェット・リー。映画を観て、リー・リンチェイ、そしてジェット・リーとして歩んできた彼の人生に触れてみてください!
カンフーアクションはこれで最後!
(C) Wide River Investments Ltd.
(C) Hero China International Ltd.
文・構成:FLiXムービーサイト編集部

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