2006年6月 全米話題作 2006年7月12日 米ボックスオフィスのチャートを賑わす全米話題の映画を厳選して紹介します。 2006 年 6 月は、夏休みまっ盛りのアメリカでファミリー映画が大混戦!子どもたちの大好きなアニメ映画対決は、ピクサーと、ドリームワークスの一騎打ち!軍配はどっちにあがったのか !? 日本でも公開間近の話題作が続々登場です! 全米初登場 2位 5/26~5/28順位 3位 英題:Over the Hedge 監督:ティム・ジョンソン/キャリー・カークパトリック キャスト:ブルース・ウィリス、アヴリル・ラヴィーン、ニック・ノルティ アライグマRJ(声:ブルース・ウィリス)は、ともに暮らす家族もおらず、一匹で生きているアウトロー。ところが、熊のヴィンセント(声:ニック・ノルティ)が冬眠用に貯めておいた食糧を、RJは、ある夜すっからかんにしてしまう。目覚めたヴィンセントに「満月になるまでに、食糧を戻さないと食べてやる!」と、脅された彼は、さっそく食糧集めを始める。1人じゃ絶対間に合わない!と気付いたRJは、冬眠から目覚めた亀のヴァーン(声:ギャリー・シャンドリング)、リスのハミー(声:スティーブ・カレル)たちの仲良しファミリーを巻き込んで、食料集め大作戦を開始した。ところが人間たちの住む新しい町から食べ物を盗むのは困難の連続で……。 6月は、まさにファミリー映画対決!先に公開スタートした『森のリトルギャング』と『カーズ』が、今月のランキングを騒がせた。『森のリトルギャング』は、『マダガスカル』に続いてドリームワークスが製作した“アニマル”もの。前作よりもさらにかわいらしさがアップしたキャラクターたちと、ブルース・ウィリス、アヴリル・ラヴィーンなどの豪華声優陣が話題を呼んで、5月末の公開から6月中旬までの丸々1か月ベスト10以内に滞留した。 “大人志向”なピクサ-に比べて、完全に“おこちゃま”重視の本作は、子どもたちからの支持率はナンバーワン。大人からみるといささか安っぽいストーリーだが、子どもにはそんな単純なお話が1番!もともと、子どもに大人気の絵本がオリジナルだったこともあって、ゲームボーイソフトなど関連グッズの売上げも上々のようだ。 <ブルース・ウィリス> 家族のいない孤独なRJ役のブルース・ウィリス。前妻のデミ・ムーアが、超年下男のアシュトン・カッチャーと結婚してしまって以来「かわいそうな人」の同情視線が集中してるブルースですが、本人はいたってマイペース。普通に考えたら、かなり複雑な関係になるはずのアシュトンとも、一緒にプレミアに同行したりと、なんだかとても仲良しな様子です。ブルースも、最近はすっかり独身貴族を満喫しているようで、たまに仕事したりしてゆったり遊んでいるみたい。本作で、ブルースは初の声優体験となったようですが、手ごたえはなかなか上々だった様子。「この声、ブルース・ウィリスだよ」と言われるまで、絶対分からないはずです! 現在ブルースは、『ダイ・ハード4』を撮影中。ブルースが見せる、久々の大活躍を期待しましょう! 全米初登場 1位 6/16~6/18順位 1位 英題:Cars 監督:ジョン・ラセター 製作・主演:トム・クルーズ キャスト:オーウェン・ウィルソン、ラリー・ザ・ケーブル・ガイ、ポール・ニューマン 新人レーサーのライトニング・マックイーン(声:オーウェン・ウィルソン)は、レーサーとして絶頂期を迎えていた。しかし、回りのレーサーたちが温かいクルー・ピットの仲間たちに支えられているなか、いつでも自分中心のライトニングは1人ぼっちだった……。そんなとき、彼はひょんなことから田舎町のラジエーター・スプリングスに迷い込んでしまう。そこには、ライトニングが知らなかった“友達”がいた。ボロボロにさびついた車のメーター、長老のドック・ハドソン、そして弁護士のサリー。ラジエーター・スプリングスの仲間たちに囲まれて、ライトニングは一番大切なことに気付いていく……。 現在、サマーバケーション中のアメリカの小学生、中学生、高校生(?)、ひまをもてあましているキッズたちが待ちに待っていたのがこの『カーズ』だ。ピクサーの最新作でもある本作は、『ファインディング・ニモ』、『トイ・ストーリー』と、大ヒット作が過去作品に名を連ねているだけあって、子どもたちの期待もハンパではなかったよう。その期待が反映してか、6月9日に公開以来トップを2週連続でキープ! 夏休み向けの大作を抑えてのこの成績はさすがピクサー。それでも、『ファインディング・ニモ』、『モンスターズ・インク』の興行収入には届かなかった『カーズ』。やはり、車がキャラクターということで、アメリカの女の子たちの興味を引くのは難しかったようだ。 <オーウェン・ウィルソン> 何かとばかにされることが多いボールドウィン兄弟に続く兄弟俳優の“お兄ちゃんの方”。2枚目な役柄が多い弟のルークに比べて、オーウェンはコメディ一直線の兆しが……。無造作な金髪が印象的だった『シャンハイ・ヌーン』では、ジャッキー・チェンと息の合ったアクションを見せてくれました。また、監督のウェス・クレイヴンとは大学時代からの親友で、『ロイヤル・テネンバウムス』では、ウェスと一緒に脚本も執筆。ルークと兄弟役を演じた本作は、アカデミー賞にノミネートされるなど、才能あふれるお兄ちゃんなのです。私生活では、『ショーガール』の意地悪ねーさん、ジーナ・ガーションと結婚。交友関係も広いことで有名なオーウェンは、今年も来年も出演作品が目白押しの人気者なのです! 全米初登場 1位 6/2~6/4順位 2位 英題:X-MEN 監督:ブレット・ラトナー キャスト:ヒュ-・ジャックマン、ハル・ベリー、ファムケ・ヤンセン 近未来、ある大企業の社長の息子ウォーレン(ベン・フォスター)は、大きな悩みを抱えていた。その悩みとは、背中から翼が生えてきてしまったこと……。しかし、それから数年後、ウォーレンには、ミュータントとしての自覚も芽生え、いつしか人びとにエンジェルと呼ばれるようになっていた。そのころ、ミュータントと人間の関係は複雑化。ミュータントのなかでも、ウルヴァリン(ヒュー・ジャックマン)が率いる平和主義のX-MENと、マグニートー(イアン・マッケラン)率いるテロリスト組織<ブラザーフッド>の抗争は勢いを増していた。人類との共存のため、X-MEN最後の戦いが始まる……。 カンヌ映画祭で行われたプレミアには、パリス・ヒルトンを始めとした多くのセレブが訪れて、『ダ・ヴィンチ・コード』よりも好評を博した本作。大人気シリーズの最終作で、家族で楽しめる娯楽作品だけあって、初公開週末3日間の興行成績はなんと1億300万ドル!この数字は、今年ナンバーワンメガヒットで、大本命だった『M:i:III』や『ダ・ヴィンチ・コード』を抑えた新記録達成にメディアは大騒ぎだった。やはり、サスペンスよりなによりも、純粋に楽しめる“エンターテイメント”が大好きなアメリカ。6月末に入り、順位は6位に落ちたもののまだまだ絶好調の本作。このまま、どこまで成績が伸びるのか期待したい。 <ヒュー・ジャックマン> ヒュー・ジャックマンは、オーストラリア出身のイケメン俳優。母国で人気を確立した後ハリウッドに渡り、『X-MEN』の主役に大抜擢されました。本作で、アメリカのコミックヒーロー、ウルヴァリン役をクールに演じたヒューは、その後オファーが殺到! 『ソード・フィッシュ』、『ヴァン・ヘルシング』など話題作に、立て続けに出演して、あっという間にハリウッドの売れっ子になったのでした。また、ブロードウェイに初挑戦したミュージカル「ボーイ・フロム・オズ」では、2004年にトニー賞最優秀主演男優賞を受賞! 甘い歌声と、長い手足をいかしたダンスでNYの女性たちを虜にしてしまったのです。でも、ヒューの奥さんは、「怖そうなおばちゃん」で有名。すごい若い美女じゃなくて、「怖いおばちゃん」に尻に敷かれていることが、頑張れる秘訣かもしれません。 全米初登場 4位 6/16~6/18順位 8位 英題:THE OMEN 監督:ジョン・ムーア キャスト:リーヴ・シュレイバー、ジュリア・スタイルズ、 ミア・ファロー 6月6日の午前6時。ローマの病院で、アメリカ人外交官の夫婦に待ち望んでいた赤ん坊が死亡してしまうという悲劇が訪れていた。絶望の淵に立たされた夫のロバート(リーヴ・シュレイバー)は妻に内緒で、ある契約を医師と交わす。それは、出産後に母親が死亡した、生まれたばかりの赤ん坊を自分たちの子どもとして引き取ることだった。何も知らずに、我が子と思い込み“ダミアン”を抱く妻ケイト(ジュリア・スタイルズ)だったが、彼には、恐ろしい秘密が隠されていた。そして、ダミアンが5歳の誕生日を迎えた日から、ロバート夫婦にとって恐怖の日々が始まる……。 2006年6月6日、というものすごいタイミングで公開した本作は、予想通り、この歴史的な公開日に観客が集中した。しかし、集中したのはこの日だけだったようで、それからは興行収入も低下する一方。夏休みなのでハッピーな映画が多い中、夏にホラー映画が大ヒットする日本と違って、アメリカではあまり歓迎されていないようだ。また、敗因はそれだけではない。最近、やたらと多くなってきている「リメイク」作品であることや、キャストもなんだか地味な役者ばかりと、苦戦を強いられる要素はたくさん。今月末には、順位もどんどん下降していき、最終週にはついにランク外まで落ちてしまった。これも666の呪いなのかも? <リーヴ・シュレイバー> 悪魔の子“ダミアン”の悩めるパパを演じるのは、最近大注目のリーヴ・シュレイバー。まあ、注目とはいっても新人ではなくて、もう40近いおっさんなんですがね。でも、この人ってば、実はスゴイ人なんです。なんと名門のイエール大学演劇大学院を卒業した超エリートで、ニューヨークのシェイクスピア演劇にとっても造詣が深いんだとか……。スクリーンで、彼がもっとも印象を残した役といえば『スクリーム』での、主人公の母親を殺したと冤罪(えんざい)を負わされた犯人役。思い出した方いらっしゃいますか~? 最近は、『ロード・オブ・ザ・リング』のイライジャ・ウッドを主役に迎えた『僕の大事なコレクション』を監督。批評家からも絶賛され、マルチな才能を見せつけたのでした。 全米初登場 4位 6/23~6/25順位 6位 英題: 監督:アレハンドロ・アグレスティ キャスト:キアヌ・リーヴス、サンドラ・ブロック、 ディラン・ウォルシュ シカゴの大病院で働くため、お気に入りだった湖畔の家を引き払うことになった医者のケイト(サンドラ・ブロック)。彼女は、次の住人に宛てて手紙を書いて、ポストに入れた。しかし、その手紙は、魔法のような奇跡によって、2年前の住人の元へ届いた。彼の名前は、アレックス(キアヌ・リーヴス)。2年という時を隔てて、2人はその日から文通を始める。夢のこと、人生のこと、恋のこと……、思いを手紙につづっていくうちに、2人の間にはいつしか恋心が芽生えていた。「どうしてもあなたに会いたい」「君に会いたい」2つの心が重なったとき、2人は時を越えるという危ないリスクを背負って、愛する人のもとへ向かっていった……。 『タイフーン TYPHOON』のイ・ジョンジェが主演して、韓国で大ヒットしたオリジナルを、ハリウッドでリメイク。『スピード』以来の共演となるサンドラ・ブロックと、キアヌ・リーヴスのコンビは、アメリカでは二代目のトム・ハンクス&メグ・ライアンになる可能性もあり? ……なのか、久々の共演を観ようと公開初日は若い女性が殺到。ラブロマンスというジャンルが、低迷な中、全米では本命の『ワイルドスピードX3/TOKYO DRIFT』や、『ナチョ・リブレ/覆面の神様』に続いての4位はなかなかいい結果ではないだろうか。韓国映画がオリジナルということは、あまり知られていないようだが、運命が結びつける不思議なめぐり合わせを描いた本作。どこまでアメリカ娘の心をくすぐれるかに今後の運命が左右されそうだ。 <キアヌ・リーヴス> 思い出すのは、本作で2度目の共演になったサンドラ・ブロックとの『スピード』でしょう。ああ、あの日のキアヌは本当に美しかった……。 正直、『スピード』のビデオを、観てから『イルマーレ』を観ると、「キアヌ老けたなあ……」としんみり思ってしまうかもしれません!だってだって、仕方ないって!キアヌもう42歳なんですよ。日本で言えば、寺島進と同世代なんですよ!つまり、『スピード』のときのキアヌは、30歳だったってこと!?若いっ。そう考えると若いっ。いくつになっても年齢不詳のキアヌ。『マトリックス』シリーズの大ヒットで、ちょっとお疲れ状態だった彼が、初心に戻って一息ついた映画がこの作品だったのかもしれません。そんなキアヌが本作で見せる「ひと休み」状態な、リラックスした表情をお楽しみに! 全米初登場 1位 6/9~6/11順位 2位 英題: 監督:ペイトン・リード キャスト:ジェニファー・アニストン、ヴィンス・ヴォーン、 ジョーイ・ローレン・アダムス 夫のブラッド・ピットが、アンジーのお尻に敷かれながら、せこせこオムツを換えているころ……、元妻のジェニファーは仕事に頑張っております! 『迷い婚』で、結婚に悩む女性を演じた彼女が挑戦したのは、大喧嘩をしていながらも「お前が出てけよ!」という、意地の張り合いで、結局同居し続けてしまう……というラブ・コメディ。こちら、6月の最初の週に、見事トップを飾りました。やっぱり、ジェニファーにはこういうおとぼけコメディーがぴったりです! 公開2週目からは、だんだんとランク落ちしてはいるものの、まだまだ10位以内にとどまっているのは、けんか中のカップルが仲直りのために観に行っているせいかもしれませんね。 ジェニファーの転機は、アメリカの大人気テレビドラマ「フレンズ」の主役に大抜擢されたこと。それまで売れない時代を過ごしていたジェニファーが、輝かしいキャリアの第一歩を踏んだ瞬間だったのです! そして、ジェニファーがつかんだのは、キャリアだけではありません。イイ男、どころの騒ぎじゃない、世界で一番のイイ男、ブラッド・ピットのハートまでつかんでしまったのです。結局、いろいろあって、2人は離婚という悲しい結末を迎えてしまいましたが、「ブラピと同じ屋根の下で、1年以上いっしょにいられたんだから、ええやん!儲けもんや!」と言ってやりましょうじゃありませんか? そんな風に、吹っ切れたのかは知りませんが、ジェニファーも、本作で共演したヴィンス・ヴォーンっちゅうホットで渋い男を手に入れて今はウハウハなはず。これからも、元気で明るいジェニファーに期待しましょう! 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