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見慣れた街が崩壊していくさまをリアルな映像で見せられると、ショックですね。日本各地のそういうシーンがあるから、どこの地域の人もそう思うでしょう。清水寺の舞台自体が落ちてるし、もう決死の度を越えてます。ブルブル。
こういうときに、一番働かなくてはならない官房長官らがとっとと逃げ出した中、女性大臣・鷹森沙織(大地真央)は、危機管理担当大臣に任命されるだけのことはありますね。いざと言うときに肝が据わってるのは女性ですね。非常災害時でも、アイラインまで入れたピシっとした化粧に崩れはありません。女としての身だしなみは忘れないところにも敬服します。
玲子(柴咲コウ)が小野寺(草なぎ剛)を「すごく好きで好きで」って、玲子をずっと見てきた、もんじゃ焼き屋「ひょっとこ」のおばちゃんは、ちゃんと2人の気持ちが分かってましたね。愛するもの同士の「互いの位置情報」センサーすごいです。いつも相手がどこにいるか、手掛かりなしで的確にたどりつけ、会うことができて、実に感動的でした。玲子に「抱いて」とまで言わせたのに、「できない」と押しとどめる小野寺、さすが日本男児です。ハリウッド映画だと、おいおい、そんなことしてる場合じゃないだろ、ってツッコミ入れる展開になる確率高いのですが。そして、2人のラブラブクライマックスで、主題歌「Keep Holding U」が超大音量で流れて、直前まで頭をかすめていた「異常な状態で出会った2人の恋は長続きしない……」っていう、『スピード』のサンドラ・ブロックのセリフもぶっ飛びました。2人が「すごく好きで好きで」同士だったということを、誰もがここでこれでもか、と実感させられることでしょう。
やっぱり、災害時にはリヤカーが役に立つんですね~。避難地でしっかり調達できていた「ひょっとこ」の面々、ぬかりなかったです。それにしても、富士山爆発が現実でも言われてる中、関東地方の人は山に向かって逃れていかなければならないって葛藤だよなあ……。溶岩で焼死or土砂崩れで生き埋め、海水で溺死、その危険性を選ぶ究極の選択だなあと思いました。でもね、会津地方は、度重なる地震も磐梯山の爆発もなく、安全がだいぶ長く保たれるようなので、みんな、逃げるならとりあえず会津だぞ、ってメモメモですよ。 |
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さて、日本全部沈没の危機を目の当たりにした後、今度は日本列島を残して、世界が全部沈んでしまう映画の観察に行きました。
73年版映画の小野寺さん(藤岡弘、)が官房長官、テレビ版の小野寺さん(村野武範)が総理大臣になってます。『日本沈没』では参事官として鷹森大臣にくっついてた方(松尾貴史)が、こちらでは外国人予報士になってました。どっちも「沈没研究」の権威は「田所博士」だけど、猫を愛でてたトヨエツ田所と違い、こっちはオネーチャンをはべらかして踊ってた田所(寺田農)でした。すてきな異次元です。
『日本沈没』でも、日本のお偉いさんはさっさと海外に逃げてましたが、外国も同じ。各国の大統領は沈没前に日本に避難して来てたようです。けなげにカタコトの日本語で、日本でどうにかやっていこうとしている外国人の皆さまに感動しました。どこの国ってすごく明確なのがこの映画の特徴。
出前のラーメンが川に落ちて沈めば中国沈没、フランスパンが沈めばフランス沈没。映画には映ってないけど、カレー(インド)、パスタ(イタリア)なんかも落ちたんだろうなあ。最初に沈んだアメリカは、ハンバーガーじゃなくて、アメリカ人妻が風呂に沈んでました(笑)。
それに各国の生き残り代表大統領さんたちのネクタイが国旗柄だから、すぐに見極められるのもいいですね。国連マーク柄の黒人の方、いつもつるんでる、中国・韓国もネクタイの柄で判別可能。別に区別できなくてもよかったですけどね~。いやほんと、今の近隣諸国の情勢が、隅々までブラックジョークになってて、空恐ろしいです。映画全編を通して、難民外国人のアホっぽく、能天気なハチャメチャ状態に脱力しながら笑ってましたけど、ラストのあまりに静かで、切ないエピソードのまじめっぷりに逆に驚かされました。
しかし、エンディングの日本列島の形態を観て、こりゃ「日本列島、ひょっこりひょうたん島化計画」いけるかも、万々万が一のときに備え、これを早いとこ進めた方がいいのでは、と思ってしまいました。とりあえずの移動先は、南太平洋がいいなあ。 |
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