週末に公開される話題の映画の中から、気になる人物をご紹介します。今週は、10月21日公開の『トリスタンとイゾルデ』で中世の騎士にふんしたジェームズ・フランコをクローズアップします。本作では、禁断の愛と王への忠誠心に苦しむ青年を演じるフランコ。彼の苦悩にもだえ、苦しむ表情は愁いに満ちてあまりにセクシー! 今週は、これまでフランコが演じたキャラを振り返り、年々パワーアップする彼の麗しき姿をお楽しみください! |
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1978年4月19日、アメリカ・カルフォルニア州で3兄弟の長男として生まれたフランコ。子ども時代は歯並びが悪く、かわいくなかったんだとか。そのころから俳優になる夢を持ち、母親に「俳優は歯が命!」と言われ、しぶしぶ矯正。そのおかげで(?)、高校時代には「ベストスマイル賞」に選ばれ、超モテモテな青春時代を送ったのです。
そんな彼が演技と出会ったきっかけは、演劇部にいたガールフレンドが舞台で共演者とキスしているのを見て大嫉妬! 彼女に仕返しをするために演劇部に入部したという、甘酸っぱい理由。しかーし、それが彼の人生を変えたのです。その後、カルフォルニア大学ロサンゼルス校で英文学を専攻していたものの、1年で辞め、本格的に俳優の道を歩み始めました。「演劇との出会いは奇跡のようだった。演劇は、内気な自分を変えてくれたんだ」と語っています。
とまぁ、順風満帆な高校時代かと思えば、彼にも裏年表が! 演劇部に入る前は、悪い仲間と付き合っていて、市民の平和を守る方々によくお世話になっていたとか(笑)。その後、彼らとは縁を切り、学業に専念。「友だちがいなくて寂しかったよ」なんて、自分の弱さを素直に語るところが女心をくすぐります。アブナイアブナイ。そのほか、絵を描く才能も持ち、俳優だけではなく監督としても2005年『Fool's
Gold』『The Ape』、2006年『Good Time Max』と、3本製作しているマルチな男なのです。
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キラースマイル
Gregg DeGuire / WireImage.com / MediaVast
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元恋人マーラ・ソコロフとジェームズの弟デイヴィットとトム
Albert L. Ortega / WireImage.com / MediaVast
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大学を中退して演劇学校で1年半学んだあと、1999年『25年目のキス』でスクリーンデビューを果たしたフランコ。そして、2001年のテレビ映画「DEAN/ディーン」で彼の演技力の確かさが大爆発! ジェームズ・ディーンになりきるため、役作りに没頭。ディーンが出演したドラマや映画をすべて観るのはもちろん、姿勢や顔の傾き加減を観察し、バイクやギターを習得。「ただのマネごとではダメだ」と、ディーンが9歳で母を亡くし、その後、父と離れて暮らした孤独感を、フランコは撮影中、家族、友人、恋人とのコミュニケーションを3か月間絶ち、自ら“孤独”を味わうところまで実践したのです。本作を観終わったあと、「ジェームズ・ディーンってどんな人だったのだろう」と考えさせられます。そう、フランコは“ジェームズ・フランコ”ではなく、確実に“ジェームズ・ディーン”と化したのです。
本作のプロデューサーに「フランコに出会うまでは、ジェームズ・ディーンがこれまでに会った俳優で最も熱心な俳優だった」と言わしめた、その高い演技力で放送映画批評家協会賞とゴールデン・グローブ賞を受賞しエミー賞にもノミネート。そして、この演技を見たロバート・デ・ニーロは『容疑者』で息子役にフランコを大抜てきしたのでした。
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「似てるかな?」
Dimitrios Kambouris/WireImage.com |
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ジェームズ・ディーン役で注目を浴びた後、さらなるビッグウェーブが! 『スパイダーマン』のハリー役です。アメコミヒーローの親友でもある、敵役を演じ、一躍若手トップスターの仲間入り。元々は主人公ピーター役でオーディションを受けたのですが、主人公よりも華のある高貴なルックスはお坊ちゃまハリー役がまさにビンゴだったわけです。『スパイダーマン』で父を殺されたハリー、『スパイダーマン2』ではその立ち振る舞いが父とそっくりなのですよ。フランコの観察力の鋭さを実感。
その後、ニコラス・ケイジが初めてメガホンを取った『SONNY ソニー』では80年代のニューオリンズを舞台に、おばさまたちを魅了する男娼ソニー役を熱演。プロの男娼としての自信と、堅気生活にあこがれる青年の繊細さを見事に演じています。劇中では鍛え上げられた裸体を披露。胸筋がスゴイっす。潤んだ瞳に濡れた唇……やらしい……。いや、セクシーです。ここでも役作りは徹底しています。スタッフより2週間も早くニューオリンズへ乗り込み、地元の生活、実際男娼の人たちと交流したフランコ。とにかく彼の役作りは、その土地になじむことから始まるのです。ちなみに、ニコちゃん監督は「DEAN/ディーン」を観る前から本作にフランコをキャスティングしていたと語り、コッポラ一族の千里眼を自慢(?)。あの額には第3の目があるに違いない。
全米で9月22日に封切られたばかりの『Flyboys』では、第一次大戦を舞台に戦闘パイロットのブレイン役を演じているフランコ。そこで、彼はプライベートで小型機操縦士の免許を取ったというから、スゴイ! やれることはすべてやる! を信条としている男。見た目は優男、中身は超ストイック!
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「スパイダーマン役がやりたかった……」
Columbia / Photofest / MediaVast Japan |
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このまま行けば資格王(『Flyboys』場面写真より)
MGM / Photofest / MediaVast Japan |
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彼の演技力の高さ、その役作りのストイックさは10月21日から公開される『トリスタンとイゾルデ』でも発揮。本作はシェイクスピアの「ロミオとジュリエット」の元となった悲愛の物語。愛した人は敵国の王女イゾルデ。政略結婚でイゾルデと自分の命の恩人であるマーク王が結ばれ、愛と忠誠の板ばさみに苦しむトリスタンを演じています。その苦悩に歪む表情がたまりません! その麗しい姿と言ったら、文句なし! もちろん、彼の瞳はウルウル。髪は珍しく長めでクルクル。そんな姿に乙女心はキュンキュンです!
舞台となったアイルランドに初めて行ったというフランコ。ほかのキャストやスタッフとは別に、小さな漁村に宿泊し、役作りスタート。キャスト陣ではただ1人のアメリカ人俳優として参加し、剣術、乗馬、イギリス英語の発音に、8か月ものトレーニングを積んで撮影に臨んでいます。とにかく、彼がメインではないシーンでもすみずみまで観察するべし! 目線の送り方、指の動き、すべてが計算され尽くされています。計算され尽くされた演技は不自然ではないのです!
トリスタンが愛と忠誠心、どちらを選んだのかは劇場で! フランコ以外の男性陣もかなりのイケメンぞろいなので女子は思う存分目の保養ができますよ。そして、恋人と仕事の板ばさみの男子の皆さんもぜひご覧あれ!
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トリスタン、マジカッコイイです!
(C) 2006 TWENTIETH CENTURY FOX |
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文・構成:シネマトゥデイ編集部 |
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