週末に公開される話題の映画の中から、気になる人物をご紹介します。今週は、3月10日公開の『ラストキング・オブ・スコットランド』に出演しているジェームズ・マカヴォイを一足お先にクローズアップします。……誰? と思う方もいるかもしれませんが、『ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女』で心優しきフォーンのタムナスさんにふんしたのは彼です。本作では、あの心優しきタムナスさんことジェームズさんは、金、権力におぼれていく若き医師を熱演。ブレーク必至のジェームズさんを要チェック!
さて、まだまだ知られざるジェームズさんの生い立ちについて迫ってみましょう。1979年1月1日、スコットランド・グラスコー出身。やや小柄な170cm。ボクシング、フェンシング、ラグビーもするというスポーツマン。学生時代はバンドも組んでいて、ベース担当。“タムナスさん”で日本のファンの心もギュッとつかんだ彼ですが、実は既婚者。イギリス・チャンネル4で放送されたコメディードラマ『SHAMELESS』の第1シーズンで共演した、アンヌ=マリー・ダフと2006年10月に結婚。新婚ホヤホヤなんですよ。彼女もイギリスでは人気のある演技派女優なのだそう。スコットランドで歌手をしている妹、そして母。
彼が7歳のころに両親は離婚し、祖父母に育てられたジェームズさん。おじいちゃんはお肉屋さんで、おじいちゃんの作る四角いソーセージが大好きだった彼。子どもを5人育てた祖父母は、孫のジェームズさんに、型にはまった価値観や行いを押し付けず育てたそうです。伸び伸び育ててくれたことに、とても感謝し、祖父母を尊敬しているジェームズさん。おじいちゃんの影響か、ジェームズさんの生活の中心は「食事」なのだそうだ。俳優デビューする前の2年間はパン職人として働いていた過去を持ちます。リラックス法の1つは「自宅で料理をすること」と語るくらいなので、奥さんにも手料理なんか振る舞っている、ステキなダンナさんなのでしょうね。『ナルニア国物語』の撮影中にルーシー役のジョージーの成長を見ているのが何よりの楽しみだったというので、将来は料理もできる、子煩悩なパパになること間違いなし!
奥さんも小柄なのです。
Jon Furniss / WireImage.com / MediaVast Japan
初めて演技をしたのは学芸会。「オズの魔法使い」でライオン役だったけれど、歌が下手で木の役にされてしまった気の毒なジェームズさん。15歳で本格的に演技に目覚め、ロイヤル・スコティッシュ・アカデミーに入学。1995年、16歳のときに『The
Near Room』で映画デビュー。その後は、主にテレビドラマや舞台で活躍と……案外、芸歴が長いのです。彼が出演した映画は10作品を越えますが、日本で公開されたのはポール・ベタニーの弟役だった『ウィンブルドン』と『ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女』の2作品だけ。ファンにはちょっと悲しいですね。彼の仕事の拠点は、あくまでイギリス。ハリウッド映画出演については「よくできた脚本で、大量生産の映画でなければ出演してもいいよ」なんて、これはまさしく“ハリウッド嫌い組”。スコットランド出身のユアン・マクレガーも同じことを言っていました。優しい顔して、愛国心が強く、主張も強いのがスコティッシュ!
そんな彼が『ナルニア国物語』に出演。キャストはイギリス人俳優で固められているけれど、間違いなくハリウッド大作……。ジェームズさんいわく「小さいころから『ナルニア』の原作本が好きで、出演依頼が来たとき、断ることができなかったんだ」「人間じゃない者を演じることはとても興味深いものなんだ。型にはまらない何かをできる自由さがあるからね」と150歳のタムナスさんを演じた喜びを語るジェームズさん。しかし、「指輪物語(ロード・オブ・ザ・リング)」のほうが、もっと好きなんだそうですよ。
売れっ子の道を歩み始めたジェームズさんが映画出演で得たお金の使い道……。それは、DVDのほかに「しょっちゅうキャンプに行くわけじゃないのに、とりつかれたようにキャンプ道具を買ってしまうんだ」って、奥さんに怒られないのでしょうか!? 心配です。
正装してみました。
Jon Furniss / WireImage.com / MediaVast Japan
これもある意味、正装です。
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ファンの皆様が待ちに待ったジェームズさんをじっくり堪能できる機会がやってきましたよ! 3月10日から公開の『ラストキング・オブ・スコットランド』で堂々の準主役を務めるジェームズさん。若きスコットランド人医師・ニコラスを演じています。純粋に「人を助けるため」にアフリカ・ウガンダへ向かうニコラスですが、アミン大統領に気に入られてから、彼の人生の転落が始まります。ジェームズさんのお尻! ジェームズさんの暴行シーン! と、「タムナスさん……(泣)」となってしまうような衝撃的シーンが満載です。
ゴールデン・グローブ賞やアカデミー賞ではアミン大統領を演じたフォレスト・ウィッテカーが主演男優賞にノミネートされ、注目度が高いですが、ジェームズさんだって、イギリス・アカデミー賞の助演男優賞にノミネートされていますよ。
ちなみに、15歳で演技に目覚めるまでは、宣教師になりたかったというジェームズさん。その理由は「アフリカへ行って世界を変えたかったから」。まるで、映画のニコラスのようです。しかし、当時のジェームズさんは教会へ行くこともせず、聖書は読まず、祈りはするけど祈りの言葉は言わないという、本当に宣教師になりたかったのかよ! とツッコミたくなりような有り様。そして「信仰深くないんだよね~」と語るジェームズさん。奔放すぎます。
そんな奔放ジェームズさんは、クリスティーナ・リッチ共演『Penelope』、アン・ハサウェイ共演『Becoming
Jane』、キーラ・ナイトレイ共演『Atonement』、モーガン・フリーマン共演『Wanted』など待機作も多く、ブレークの予感です。まずは、『ラストキング・オブ・スコットランド』でじっくり堪能して下さい!
ダークサイドに堕ち気味のジェームズさん
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文・構成:シネマトゥデイ編集部
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