『ゴーストライダー』ニコラス・ケイジ 単独インタビュー
僕の1歳の息子がもう少し大きくなったら一緒に観たいね
取材・写真・文:シネマトゥデイ
『ロード・オブ・ウォー』『ワールド・トレード・センター』と話題作への出演が続く、個性派スターのニコラス・ケイジ。腕にタトゥーを入れているほど大好きなコミック"ゴーストライダー"の実写版『ゴーストライダー』に主演した彼は、実に楽しそうに地獄のライダーを演じている。この映画で悪魔にとりつかれたがい骨ライダーになりきるため、減量までしたというニコラスのゴーストライダーへの情熱はハンパではないようだ。全米初登場第1位を飾った本作への、アツイ思いを来日したニコラスが存分に語った。
ゴーストライダーとの出会いは、7歳のころ
Q:『ゴーストライダー』との出会いを教えてください。
7歳か8歳くらいのとき、僕はカリフォルニアに住んでいて、「ゴーストライダー」のコミックを買ったんだ。それは第一巻でとてもカラフルだった。ゴーストライダーはバイクに乗って飛び跳ねていて、頭が燃えていて炎が耳みたいで、見たままの燃えているがい骨という感じだった。自分の想像力を、かきたてられたよ。この人怖いけどかっこいいな、怖いモンスターの新しい友だちができたし、悪夢を見てもこいつがいればよく眠れるな、と思ったね(笑)。
Q:本作の主人公であるジョニー・ブレイズのキャラクターは、オリジナルよりもかなりユニークなキャラクターになっていましたね。
そうそう、彼がジェリービーンズを食べるというのが面白いだろ? ほかにもカーペンターズが好きだったり、チンパンジーが空手をやる番組を見たりするんだ。そういう珍しくて、面白いキャラクターにすることで映画にユーモアを与えたかったんだ。
Q:面白い部分を入れたのはあなたのアイディアだったんですか?
うん。だって彼がいる状況は、すでにユニークだし、自分の中に入ってくる悪魔をジェリービーンズを食べることやカーペンターズを聞くことで追い出そうとするというキャラクターにしたら、もっと面白いんじゃないかと思ったんだ。つまり、ジンやウォッカを飲ませたりするよりもジェリービーンズを食べさせたりしたかったんだよ。でも、ジェリービーンズの中にも砂糖が入ってるから、それはそれで問題なんだけどね(悪魔は砂糖が好きと言われているから)。
ゴーストライダーになりきるため、大減量に挑戦
Q:バイクのアクションもすごかったですね! あれはご自身が挑戦されたんですか?
何シーンかはやったよ。こういったアクション映画では、俳優自身がスタントをすることもあれば、スタントマンが演技をすることもある。スタジオ側は俳優ができる限り自身でやって、映画を完成させることを望むしね。バイクに乗って走り回ったり、飛んだりするシーンはほとんどやったけど、それ以上のことはできなかったよ。
Q:バイクの上に座ったりも?
うん。やったよ。どうやったかは、また別の話だけど(笑)。とりあえず、やったはやった(笑)。
Q:『ワールド・トレード・センター』では、以前より少し痩せた印象がありましたが、それはこの作品の役作りのためだったんですか?
ディレクターと二人でこのキャラクターにふさわしい見た目を話し合って、減量することにしたんだ。この撮影は『ワールド・トレード・センター』を撮る前に行われたから、とても細くなるためにかなりの時間を費やしたんだけどね。細くなったほうがゴーストでがい骨のような感じがでるから、良かったよ。減量した自分を見て、変な想像をして、心配しちゃう人もいたけど(笑)。最近の俳優は、役作りで太ったりすることが多いんだけど、僕はこの役のために痩せたんだよ。
ヘルバイクは、臓器を持って生きている
Q:バイク好きのあなたから見た、ゴーストライダーが乗るヘルバイク(炎のバイク)の印象は?
ワイルドなデザインでとても気に入ってるよ! まるでバイクが臓器を持って、生きているみたいに見えるよね。魂を持つエンジンだよ。初めは普通のハーレーダビッドソンなんだけど、ジョニー・ブレイズがゴーストライダーに変わるとハーレーもヘルバイクに変わる。ジョニーと一緒にバイクも変身して、2人は霊的な存在になっていくんだよ。このバイク、スタッフはくれるって言ったんだけど、まだもらってないよ。スタジオにまだあるみたい。
Q:男の子たちが大喜びしそうですね。
そう! まさにこの作品は、男の子たちのために作った映画なんだ。当時の自分みたいにこういうのが好きな男の子向けだね。僕の息子のカル=エルは1歳なんだけど、もう少し大きくなったら一緒に観たいね。うちの子はユニークで、あの子を怖がらせるものはあまりないから、きっといつ見ても楽しんでくれると思うよ。でも、子どもに関しては、時と場合を考える必要があるけど、これはそこまで怖い映画ではないし、笑える部分もあるからね。
ゴーストライダーのガイコツは僕のがい骨!
Q:このゴーストライダーは変身すると、がい骨姿になりますが、あのがい骨姿はあなたのものですか?
そう! 僕のすがい骨なんだ! (目の前にある、ゴーストライダーのおもちゃの頭を指さして)僕のずがい骨です!
Q:40代に突入しても、まだまだ精力的に活動されていますが、いまだにセクシーでいられる秘けつを教えてください。
えっ!? 正直、自分では、セクシーだとは思わないよ(笑)。でも、そう言ってもらえるのはとてもうれしい! だから答えたいんだけど……、答えはないね。僕も、毎日けっこう大変なのよ(笑)。
目の前にある、ゴーストライダーのおもちゃをスーツのポケットに入れてみたり、とにかくご機嫌だったニコラス・ケイジ。自らをコミック・オタクと言い切るだけあって、“ゴーストライダー”の話になると止まらなくなってしまうおちゃめさを見せた。1歳の息子とも早く一緒に観たいという彼は、日本の子どもたちにもゴーストライダーファンになってもらいたいと熱く語っていた。仮面ライダーが主流の日本の子どもたちにも、炎のバイクに包まれた燃えるがい骨ライダーの活躍をぜひ楽しんで欲しい。
『ゴーストライダー』は、3月3日より日比谷スカラ座ほかにて公開。