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アメリカ大統領選に3度立候補した男に話を聞く

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第3党に投票しようとした人を妨害したことについて、不正だと訴えても主力2党(民主党・共和党)寄りの判事が却下したりします。アメリカでは、こんなことが平気で行われている状況です。-ラルフ・ネーダー-アメリカ大統領に3度立候補した男に話を聞くラルフ・ネーダー
ラルフ・ネーダーという名前をご存知であろうか? 過去に米ニュース雑誌「タイム」で、米国で一番影響力のある民間人と書かれ、毎日彼あてに届く手紙の数は(悩み相談が中心だが)、ビートルズの全盛期を上回ったこともある。すでに彼は、アメリカで消費者運動家として、確固たる地位を育んできたが、おそらく日本人で彼を名を知っている人が抱くイメージは、1996年から3回、(最初の2回は緑の党から、前回は無所属候補として出馬)無謀にも大統領候補として立ち上がった男としか理解されていないのではないか? 実際ここアメリカでも、彼の偉業を知らぬ世代の若者たちは、単なる頑固オヤジと評された記事をそのまま鵜呑みにしているのが現実である。
 
それでも国民のために自らのプライベート・ライフを犠牲にして、あるときは政府を相手に、あるときは大会社に挑戦しながら、常に国民の健康を守り続け、消費者の権利を保障してきた彼。そんな彼に焦点を当て、2000年の大統領選以来ずっと日陰に追いやられた生き様を、彼自身を扱ったドキュメンタリー映画『An UnreasonableMan』を通じて、その波瀾万丈の人生に肉迫してみたい。彼が映画のプレミアとブックサインの時に語ってくれたことをまとめた。
映画『ハリウッドランド』に関して!
Q:この映画に対するご感想をお聞かせ下さい。
 
(ラルフ・ネーダー)映画については、私のことを賞賛しぎだとか、歪曲された見方だとはあまり感じなかったです。私は人々が……この部屋に居る多くの人たち(ネーダーの支持者)も含め、権力もなくとも、事実と信念と、そして一市民としての職業倫理を持ってワシントンにやって来れば、やがて民主的な力を作り上げ、司法行政の仕事を担う立派な公僕(こうぼく)になりえるという見解を持っています。
 
Q:あなたの子どものころからの家族の価値や伝統などを記載した"The SeventeenTradition "(原題)という著書を出版されたそうですが、その中で現在のアメリカ国民に対してあなたは何を要求しているのですか?
 
(ラルフ・ネーダー)アメリカ全体が、家庭、家族意識をもっと強く持つべきであると思います。それぞれの世代が持ち合せている経験や見識を共有できると思うからです。
子どもを育成する上で、自信持つことはとても重要で、今日(こんにち)のように外部からの影響で簡単に崩れさる家族形成であってはいけないでしょう。
Q:投票権を持っている大学生が、2000年での大統領選ではあなたを支持した強力なサポーターでしたが、現在の学生は政治に対して無関心ではないですか。
 
(ラルフ・ネーダー)単に投票するだけでなく、選挙の際に厳密に下調べをし、家族が民主党だから、共和党だから、という型にはまった投票は避けるべきですね。
ほかに学生として重要なのは、2、3年間くらい自分の住む地域での選挙活動に参加してみて、今の政治は、善き候補者が虐げられ、結局は信念を妥協する形になっている状態を知るべきです。
 
Q:第3党(民主党・共和党以外の党)からの大統領の出現は、当分の間は先のことかもしれませんが希望は持てるのでしょうか?
 
(ラルフ・ネーダー)国全体のレベルの話ですが、第3党に投票しようとした人を妨害したことについて、不正だと訴えても主力2党(民主党・共和党)寄りの判事が却下したりします。こんなことが平気で行われている状況です。
Q :話は変わって、環境問題と地球温暖化を扱い、去年のサンダンス映画祭で話題になった『不都合な真実』をご覧になりましたか?
 
(ラルフ・ネーダー)あれは、好きな映画です。ちょっと前に、アル・ゴア元副大統領がワシントンで、本のサイン会をしていたときに、私は並んで本を買ったのですが、実際の彼は、寛大な人だと感じました。彼自身もなぜ2000年の選挙で負けたか分かっていると思います。現在彼は、この地球温暖化の問題を最終的には大統領の問題としてくれました。ただ彼が就任していた8年間に、今指摘しているような南極やアラスカ、グリーンランドが生命のない、無生物の大陸にならぬように、もっと主張していたらよかったのにと少し悔やまれます。
 
Q:最後に、前回選挙では緑の党は、あなたを支持しなかった訳ですが、今は彼らとどういった関係を保っていますか? あなたの政治観も含めお話いただけますか?
 
(ラルフ・ネーダー)そうですね、私は彼らの幸運を祈ってます。彼らは現在、善良な政策綱領を持ち合わせていると思います。私の将来の政治観の矛先は、過剰なまでに巨大化した法人組織力(大企業が所有する力)が、一般市民の価値を駄目にしていること、営利目的の選挙や教育制度に目を向けるべきで、1938年の国会へのメッセージでフランクリン・ルーズベルトが明確に「われわれの政府が、経済力で支配されるようなったときは、それはファシズムである」と述べたように、一点に集中したような政府形態にならぬように、常時それぞれの機関に対しての調査をすることが大切でしょう。


必ずしも彼の主張に全ては、合意できないが、彼の打ち立ててきた消費者運動、それに基づく組織の運営には、目を見張るものがある。一国のリーダーたるものこれぐらいの行動力が必要不可欠であると思う。彼の垢でも煎じてブッシュに飲ませてやりたいと思っている人は、私だけではないはずであろう。
細木プロフィール
海外での映画製作を決意をする。渡米し、フィルム・スクールに通った後、テレビ東京ニューヨ-ク支社の番組モーニング・サテライトでアシスタントして働く。しかし夢を追い続ける今は、ニューヨークに住み続け、批評家をしながら映画製作をする。
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