 |
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ロッキーといえば、シルヴェスター・スタローンにとって最大の当たり役。だが、無名のボクサーが自らの夢を賭けて、無敵のチャンピオンに挑み、ついにアメリカン・ドリームをつかむというサクセスストーリーはまさにスタローン自身の人生とだぶる。そこで、さまざまな障害や困難を乗り越え、不屈の精神でハリウッドスターにのし上がったスタローンの人生を振り返ってみよう。 |
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 |
1946年7月6日。アメリカ・ニューヨークの無法地帯ヘルズ・キッチンで、シチリア系移民の子として生まれたシルヴェスター君。生まれたときに医師のミスで顔面の神経に傷がつき、言語障害というハンディキャップを持った彼は、いつもイジメられてばかり。最悪でした。仲間うちでは、“スライ(=ずるいヤツの意味)”なんてニックネームが付くほど、トホホな幼少期。おまけに12歳のときには両親が離婚! グレまくったシルヴェスター少年は小学校から中学まで14もの学校で放校処分。再婚した母親とフィラデルフィアへ行き、新生活スタート。でも、すっかり悪ガキになっていたシルヴェスター少年は更生するどころか、相変わらず悪ぶる生活。母親が経営するボクシング・ジムで体を鍛え、腕っぷしは強くなるはますます悪を増長させていくという悪循環な生活を繰り返していた。このままじゃ、末は用心棒か、ストリートギャングにでもなるしかないか……。 |
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 |
体育奨学金を得て入学した、スイスのアメリカンスクールで在籍中に演劇に目覚めたシルヴェスター。帰国後、マイアミ大学の演劇学科に入学する。ところが、授業料の支払いが滞り、2年で中退。しかし、一度知った演劇の世界に夢中になったシルヴェスター。23歳で生まれ故郷のニューヨークに戻り、本格的な俳優を志して修業の日々に入る。だが、与えられるのはいつもセリフの少ない端役ばかり。ポルノ映画の出演や用心棒などをこなして、何とか生計を立てながら、54回ものオーディションに挑戦。失敗しても、なお俳優の道をあきらめず、74年青春グラフィティもの『ブルックリンの青春』で主役の一人に抜てきされて、ハリウッドヘ。だが、新天地でもすぐには芽は出ず、相変わらず下積みの生活が続く。 |
 |
75年、29歳のとき、たまたま観戦したボクシングの世界ヘビー級タイトルマッチ「モハメド・アリ対チャック・ウェプナー」の試合に感銘を受けたシルヴェスター。それをヒントに、たった3日間で書き上げた脚本を、自らの主演を条件に売り込み、ついにチャンスをゲット。映画『ロッキー』として、世界中で大ヒットし、76年、『タクシードライバー』や『大統領の陰謀』など、本命視されていた作品を押しのけて、アカデミー最優秀作品賞を受賞。無名の俳優だったシルヴェスターが無名のボクサー、ロッキー・バルボアを演じ、荒れた生活から一夜にして栄光をつかみ、ハリウッド映画史に残るアメリカン・ドリームに! この成功を受けて、2年後には続編の『ロッキー2』(1978)で監督業にも進出。『勝利への脱出』(1981)、『ロッキー3』(1982)とヒット作を連発し、さらに、『ランボー』(1982)も大当たり。不屈の精神がついに花開き、シルちゃん、人生最高の時がやって来た! |
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 |
『ロッキー』に『ランボー』などの人気シリーズを我がモノにし、アーノルド・シュワルツェネッガーと並び称される、ハリウッド二大アクションスターに。だが、それだけでは飽き足らぬシルヴェスター。『オスカー』(1991)、『刑事ジョー/ママにお手あげ』(1992)など、コメディー路線に果敢に挑んでみせたが、センスがないのか、まったく振るわず大失敗。結局、『クリフハンガー』(1993)でアクション・ヒーローで復活を遂げる。もっとも、アクションスタートして第一線で活躍していたのも、年々、衰退気味。カーアクション映画『ドリヴン』(2001)では製作、脚本、そして主演を務めるものの、引退したカーレーサーとして若手俳優の二番手に。また『スパイキッズ3-D:ゲームオーバー』(2003)では子役相手に悪役にふんし、60代に突入する俳優としてそろそろアクション俳優の名も返上! と思っていたら、『ロッキー・ザ・ファイナル』(2006)で熱い雄姿を披露。そして現在は『ランボー』シリーズの第4作を準備中。ロッキーこと、シルヴェスターの不屈の精神は枯れることはないのである。 |
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