2007年3月 全米話題作 2007年4月18日 米ボックスオフィスのチャートを賑わす全米話題の映画を厳選して紹介します。 2007年3月のボックスオフィスは、男たちの筋肉祭りムービー『300』が圧勝!圧勝!それに続いて、こちらも筋肉男子のマーク・ウォルバーグ主演の『ザ・シューター 極大射程』もなかなか健闘!そんな男祭りのなかで、ディズニーの新作も踊り出ました! マッチョマンに、めがね坊や、鎖オヤジのサミュエルに、中年パパ4人組などなど……個性派ぞろいの3月です! 全米初登場 8位 3/9-11順位 11位 英題:black snake moan 監督:クレイグ・ブリュアー キャスト:サミュエル・L・ジャクソン、クリスティーナ・リッチ、ジャスティン・ティンバーレイク 妻の浮気により、離婚したラザレス(サミュエル・L・ジャクソン)の人生はすさみきっていた。孤独な彼は、ある日、道端に半裸で意識不明になっていた、白人の女の子レイ(クリスティーナ・リッチ)を見つける。自分の家に彼女を連れ帰り、看護をするにつれ、ラザレスは、レイが幼い頃の虐待が原因でセックス依存症となっていることを知る。そして、ラザレスは、自分なりの方法で彼女を救う決意をする……。 インディーズ映画でありながらも、全米で大ヒットし、オスカーにまでノミネートされた『ハッスル&フロウ』のクレイグ・ブリュアー監督の最新作『ブラック・スネーク・モーン』は、クリスティーナ・リッチ演じるセックス中毒の白人娘を、サミュエル・L・ジャクソンが鎖でつないで監禁。精神的な弱さを1から叩き直して行くという過激な予告編。クリスティーナ・リッチが暴行されたあげく、道端に捨てられるという強烈な役と、元N’SYNCのジャスティン・ティンバーレイクとのハードなセックスシーンに挑戦した体当たりぶりは、公開前から大きな話題を呼んでいたが、あまりに過激すぎる内容でR指定となった本作だけあり、全米初登場は8位と低迷気味。『ハッスル&フロウ』のような盛り上がりも期待されてはいたものの、週ごとに順位は下がる一方で、3月末にはついに50位にランクダウンしてしまった。 <ジャスティン・ティンバーレイク> 本作で、鎖につながれ、監禁されてしまったクリスティーナ・リッチを助けにくる若き米兵役を演じているのが、元N’SYNCというアイドルグループの中心的存在だったジャスティン・ティンバーレイク。アイドル時代は、今は大変なことになっていしまっているブリトニー・スピアーズのスウィートな彼氏だったジャスティンも、破局後は、お姉さまのキャメロン・ディアスと大人な交際を続けていました。けれど、『ブラック・スネーク・モーン』のハードなセックスシーン、自身のプロモーションビデオの中で、スカーレット・ヨハンソンと演じたキスシーンにキャメロンは大激怒。最近破局を迎えてしまいましたが、本作を観れば、「これはキャメロンもヤキモチやくでしょう……」と納得のかなりハードなセックスシーンに挑戦しています。さらに、スカーレット・ヨハンソン、ジェシカ・ビールと立て続けにロマンス説も浮上して、今なんだかやたらとモテモテの元アイドルのジャスティンくんなのでした。ちなみに……、ジャスティンの声って、子犬ちゃんみたいでとってもかわゆいんですっ、ぜひぜひチェックしてみて下さいね! 全米初登場 3位 3/30-4/1順位 6位 英題:shooter 監督:アントワーン・フークア キャスト:マーク・ウォールバーグ、マイケル・ペーニャ、ダニー・グローバー 元海兵隊のスナイパー、ボブ・リー・スワガー(マーク・ウォールバーグ)は、一線を退き、広大な自然の山奥で隠遁生活を送っていた。しかし、退役したアイザック・ジョンソン大佐(ダニー・グローバー)が彼のもとを訪問し、大統領暗殺計画を阻止するため、ボブの力を借りたいと言う。ところが、それは巧妙に仕組まれた罠だった。 『ディパーテッド』で、口は悪いが正義感の強い刑事役を熱演し、オスカーにノミネートされたマーク・ウォルバーグが、主演を演じる『ザ・シューター 極大射程』。いつもは脇役でいい味を見せているマークが、久しぶりに主役を張った本作では、気合も十分! 恐ろしいほど太くなった腕と、極上の筋肉美に体を作り上げて、やる気満々の役作りぶりを見せてくれただけあり、全米初登場は3位と出足は好調。しかし、3月、大いに盛り上がりを見せた『300』には、マーク・ウォールバーグ並みに肉体を作り上げた男たちが300人! これにはさすがのマークも惨敗の結果となってしまった。しかし、全米のベストセラー作家スティーブン・ハンターの原作だけあって、ストーリーは重厚。また、『リーサル・ウェポン』シリーズのダニー・グローバーと骨太な役者が脇を固めており、作品の評価は決して悪くない。あまりにも強敵すぎた『300』と公開時期が重なってしまったことが、不運としか言えない結果を呼んだようだ。 <マーク・ウォルバーグ> 自らもさまざまなインタビューで「おれの家は、本当に貧乏だった」と語っているとおり、貧しい家庭の9人兄弟の末っ子として生まれたマーク。劣悪な環境の中で、育ったマークは、すっかりグレて、ストリートでケンカばかりを繰り返す不良少年となってしまったのでした。14歳で、中学を中退、さらに16歳のときには、暴行・強盗罪でなんと刑務所へ。しかし、アメリカの国民的アイドル、ニュー・キッズ・オン・ザ・ブロックとしてデビューした兄のドニーの協力で、出所後マークもグループの一員としてデビュー! それでも、アイドルなんて、とても肌に合わなかったマークは、すぐにソロデビューし、ズボンをズリ下げた“マーキー・マーク”として大人気ラッパーとなったのです。そんなマークも、刑務所にいた事実が明るみに出ると、アイドルとしての座から転落。俳優として、コツコツとお仕事を続けた結果、ようやくオスカーにもノミネートされるほど、実力派の役者へとなったのです! 元極悪不良少年のマークですが、数々の苦労を乗り越えて、つかんだ成功。これからも頑張って欲しいですね! 全米初登場 1位 3/16-18順位 1位 英題:300 監督:ザック・スナイダー キャスト:ジェラルド・バトラー、レナ・へディー、デイビッド・ウェナム 時は紀元前480年。スパルタ王レオニダス(ジェラルド・バトラー)のもとに、大帝国ペルシャからの使者がやってくる。ペルシアの王クセルクセス(ロドリゴ・サントロ)に土地と水、さらには服従しなければ、国を滅ぼすという過酷な選択だった。しかし、レオニダスはその場で使者を殺し、幾千もの国々を征服してきた100万の大軍と戦う決意をする。レオニダスの元に集まったスパルタの兵は300。圧倒的に不利な状況の中、伝説的な戦いが幕を開ける! 『オペラ座の怪人』のジェラルド・バトラーがそのセクシーな肉体を、惜しみなくさらけ出し、半裸で戦いまくる本作は、アクション好きのアメリカ男子から、マッチョ好きの女性たちまで、みんなが大喜びで観にいった結果、公開週で7000万ドル、全米興行成績2週連続1位というR指定映画に関わらず最高の記録を打ち出した。もちろん作品の魅力は、役者たちの肉体美だけではなく、『シン・シティ』のフランク・ミラーが練りに練ったグラフィックノベルを忠実に再現したド迫力な映像、スタイリッシュなエディティングとカメラワークで、誰もが大興奮する最高の仕上がりとなっている。アメリカでは、週末には近くのIMAXシアターに行き、ド迫力の映像と音で『300』と堪能する! というオツなデートが大流行しているようだ。“R指定”映画にも関わらず、大人たちの中にある、子どもスイッチをポンと押してくれるワクワクが満載のスーパーアクションは4月に入っても、まだまだトップ10に残っている大ヒットとなった。 <ロドリゴ・サントロ> もう爆発的にボボーン! とフィーバーが来る前に、この人のファンになってください! 今年イチオシのイケメンは、ブラジリアン美男子のロドリゴ・サントロ。『300』では、大帝国ペルシアの大王クセルクセス役を、ミステリアスに、セクシーに演じています! このロドリゴ、地元のブラジルでは大人気の俳優なのですが、ハリウッドではまだまだ知名度も低め。ですが2004年に、ピープル誌の2004年「世界で最も美しい50人」に選ばれるほどの美形です! 皆さま覚えてらっしゃるでしょうか? 『チャーリーズ・エンジェル フルスロットル』の始めの方に出てきた、超スーパーホットなサーファーの男の子を!あの人! あの男子なんです! もし忘れちゃった方は、もう一回みてチェックして! そして、ロドリゴの完璧な肉体を見てください! そして、超セクシーな瞳をチェックしてください。とろけます! 1975年生まれの30歳ロドリゴ・サントロは、今年度フィーバー間違いなしの、要チェックな美男子なのであります。 全米初登場 2位 4/6-8順位 2位 英題:meet the robinsons 監督:スティーヴン・J・アンダーソン キャスト:ダニエル・ハンセン、アンジェラ・バセット、トム・セレック 養護施設で暮らしている孤独な少年ルイスには、天才的な発明の才能があった。ある日、ルイスは<メモリースキャナー>という名前の忘れてしまった記憶を取り戻す装置を発明する。その装置で家族の記憶を呼び戻そうとしたルイスだったが、とつぜん山高帽をかぶったなぞの男が現れ、<メモリースキャナー>を盗まれてしまう。そこに、謎の少年ウィルバーが現れて、ルイスは未来の世界へと旅立って……。 ディズニーが初めて描く“未来”。この謳い文句に多くのディズニーファンが期待に胸を膨らませて待っていた『ルイスと未来泥棒』。公開第1週は間違いなく1位に踊り出るだろうと、誰もが想像していたが、公開されると、なんとウィル・フェレル主演のコメディ『ブレイズ・オブ・グローリー』(原題)が第1位に。惜しくも初登場第1位を逃すという、悔しい結果となってしまった。やはりアメリカでは、コメディの力は絶大なようで、ファミリー映画でも、お父さんと、お母さんが大爆笑しながら、一家で観られるウィル・フェレル映画の勝利となった。キャメロン・ディアスやマイク・マイヤーズが主役の声を務める『シュレック』などのように、最近ではスターの起用が当たり前となっている声優陣も、アンジェラ・バセット、トム・セレックとかなり地味なキャストになってしまったのも、敗因の一つかもしれない。ディズニー映画としては、子どもたちの支持に期待を寄せたいところだ。 <ジョーダン・フライ> 本作で主人公のルイスを演じるのは、これからイケメンになること期待度100パーセントのジョーダン・フライくん。1993年という驚きの生まれ年で、本コーナー最年少イケメンくんではないでしょうか? ただいま13歳のジョーダンは、サッカーが大好きな男の子。プレミアでは、とってもかわいい笑顔を見せてくれますが、『チャーリーとチョコレート工場』ではテレビゲームにはまりまくりの“マイクTV”役を、クソ生意気に熱演していました。だけど、素顔のジョーダンはとってもかわいくていい子のようです。『チャーリーとチョコレート工場』でもスタントをすべて自分でこなしちゃうほど、運動神経も抜群! 難しいといわれている声優も、本作では孤独なルイスを素晴らしい演技力で演じきっています。ティム・バートンも、ジョニー・デップも認めたジョーダンの才能。自分とはまるで違うキャラクターを、なんなく演じる彼の天性の才能に、今後も期待していきたいですね! 全米初登場 1位 3/9-11順位 2位 英題:wild hogs 監督:ウォルター・ベッカー キャスト:ジョン・トラヴォルタ、ティム・アレン、マーティン・ローレンス、ウィリアム・H・メイシー 中年の男友だち4人(ジョン・トラヴォルタ、ティム・アレン、マーティン・ローレンス、ウィリアム・H・メイシー)が、家族への重い責任感や、仕事のストレスから逃れるようにバイクでの旅を計画。自由を求めて一生に一度きりのとびきりの旅に出発したはずが、旅の途中で暴走族の暴走に巻き込まれてしまうなど、多くの試練が彼らを襲って……。 おじさまたちの青春コメディに出演して、見事大当たりしたジョン・トラヴォルタは、アメリカ中年たちの永遠のアイドル! 本作のPRのために、公開前バイクが大好きな監督とティム、マーティン、ウィリアムの4人で、ハーレーダヴィッドソンにまたがってツーリングツアーに出かけて大はしゃぎ! 無類の航空機マニアとして有名なトラヴォルタですが、実はバイクも大好き! というやんちゃオジサマのトラヴォルタは、大喜びで、スピード全開で走ったり、両足をハンドルに乗せたり、子どものように楽しんでいたそうな。そんなかわゆいところがすてきなトラヴォルタも、今は50過ぎのいいオジサマ。だけど、そんなオジサマたちがはしゃぎまくりの青春映画『ワイルド・ホッグス』で、さらに人気も急上昇! ちょい悪トラヴォルタの最新作は、お疲れ気味のアメリカの中年男性に“青春トリップ”を流行させてしまいそうです! 構成・文:シネマトゥデイ編集部 ADVERTISEMENT