『シュレック3』キャメロン・ディアス 単独インタビュー
プリンセスたちが遂げた進化は現代女性に通じるものがある
取材・文・写真:シネマトゥデイ
ひねりの効いたブラック・ユーモアで、子どものみならず、大人までも爆笑させてしまう大人気CGアニメーション『シュレック』シリーズ第3弾。シリーズを通して、キュートでユーモアたっぷりのフィオナ姫を演じているのは、日本でも大人気のキャメロン・ディアス。これまでのプリンセス像を打ち破るような、フィオナ姫の声を演じている彼女に、映画を通して伝えたかったこと、そして大ヒットアニメ製作現場の秘話を語ってもらった。
夢は自分の手でつかみ取るもの
Q:完成した作品をご覧になった感想を聞かせてください。
こういうシリーズものって、1作目が絶賛され、2作目も前作よりも良かったと評価されると、3作目は今まで以上のものを求められると思うの。『シュレック3』には、大切なメッセージも込められているし、面白いし、愉快で新しいキャラクターたちも登場して、素晴らしい作品に仕上がったと思うわ。この作品に参加できて、本当に良かったって思っているわ。
Q:あなたが演じたフィオナという役柄にはどんなメッセージが込められていると思いますか?
フィオナ姫に込められたメッセージというのは、もしあなたがどうしても手に入れたいものがあるならば、誰かがそのチャンスをくれるのを待つのではなく、自分でつかみ取らなきゃいけないってことね。ストーリーの中では、お姫様を通して伝えられているけれども、これは男女を問わずに言えることだと思うの。幸運なことに、わたしは幼いころから両親に“自分の夢は自分でつかむもの”とそう教わっていたの。だから『シュレック』のストーリーは、いつでもわたしにこのパワフルなメッセージを思い出させてくれるのよ。
Q:わたしたちが子どものころ、お姫様は王子様の助けを待つものというイメージがありました。この作品は、現代の子どもたちが持つ、お姫様のイメージを変えたと思いますか?
その通りね。わたしたちが子どものころから知っている、おとぎ話のプリンセスたちって、いつも必ず理想の王子様に助け出されるのよね(笑)。眠れる森の美女も、シンデレラも……。でも、この映画では、彼女たちがリードして自分たちで行動を起こさなくてはという教訓を学んで、力を合わせて勝利を勝ち取っているの。プリンセスたちが遂げた進化は、現代の社会に生きる女性の立場に通ずるところがあって素晴らしいと思うわ。この脚本は人々の共感を得られる様に作られているところが、とてもかしこいと思うの。
キスシーンの撮影秘話
Q:共演者であるマイク・マイヤーズやエディ・マーフィの印象を聞かせてください。
残念なことに、わたしたち共演者は同時にアフレコをしていないから、共演者と言っても誰とも現場では会っていないの(笑)。でも、母親役のジュリー・アンドリュースとはロスで一緒にプロモーションの仕事をしたの。彼女は素晴らしいわ! 本当にインスパイアさせられるし、とても優雅な女性よね。パワーを感じたし、とにかく一緒の時間を共有できて感激だったわ。
Q:1人でアフレコをするなんて面白いですね。
完成まで3年もかかったのよ。それを聞けば想像できると思うけど、そんなに長い間、キャストのスケジュールを合わせるのはとても難しいし、かなりキャストの負担になってしまうの。だから、各自のスケジュールが取れるときに、必要なシーンを撮っていくのが一番効率的なの。わたしのときは、プロデューサーのクリスがわたし以外のパートを全部やってくれたのよ。ドンキーの声も彼は上手なのよ(笑)。だから、ほとんどほかのキャストと一緒に収録している気分だったわ!
Q:シュレックとのキスシーンがたくさん出てきましたが、あれはどうやって演じていたのですか?
それはね、よく使うのが自分の手とキス(笑)。手の甲とね。あとはエアーキス。おかしくて、しょっちゅうスタジオ内のみんなで笑っていたわ(笑)。だってすごく変ですもの(笑)。『シュレック』のクリエイター陣はかなりユーモアのセンスの持ち主よ。関わっているスタッフみんなね。じゃないと絶対にこんなユーモアたっぷりの作品は生まれなかったと思うわ。製作中、笑いが絶えなくて、とてもいい時間を過ごせたわ。
キャメロン・ディアスのハッピーエンディング
Q:あなたにとってのハッピーエンディングは?
わたしはあまり自分にとってのエンディング(終わり)のことは考えないの。だって、エンディングって終わってのことだから、そこで止まってしまうじゃない? もし、今のわたしがわたしの思い描くハッピーエンディングだとしたら、これより先はないってことでしょ? わたしにとってのハッピーって、常に成長し続け、もっといい経験をして、よりバランスの取れた人生を歩むことなの。そのために、自分の人生に起こるすべてのことに感謝するようにしているわ。そうすることで、自分の気持ちがとても満たされてハッピーになるの。それがわたしにとってのハッピーエンディングならぬ、“and they live happily ever after(いつまでも、いつまでも、幸せに暮らしましたとさ……)”っていうことね(笑)。
取材前日のジャパン・プレミアの様子を聞かれると、「大勢のファンが来てくれて、とても興奮したわ。だっていざ当日にならないと、どれだけの人々がきてくれるか想像できないでしょ?(笑)」とキャメロンらしいおちゃめな返事が返ってきた。本作のPRでは、元恋人のジャスティンとの話題でマスコミに追いまわされていた彼女だったが、持ち前の明るさで、すべての問題に向き合っているように思えた。姿はまったく似ていないとはいえ、強く、たくましく、そして明るいフィオナ姫はまさに彼女そのもの。キャメロンの“いつまでも幸せな”サクセスストーリーの続きにこれからも期待したい。
『シュレック3』は6月30日よりサロンパス ルーブル丸の内ほかにて公開。