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2007年9月

全米話題作

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全米話題作9月
米ボックスオフィスのチャートを賑わす全米話題の映画を厳選して紹介します。
2007年9月の初登場1位を飾ったのはどの作品か!?
今月も話題作が目白押しです!
『ボーン・アルティメイタム』
全米初登場 1位 8/10-12順位 2位

英題:THE BOURNE ULTIMATUM
監督:ポール・グリーングラス
キャスト:マット・デイモン、ジョーン・アレン、ジュリア・スタイルズ
 
ストーリー

自分を暗殺者に仕立てあげたCIAの極秘プロジェクト、“トレッドストーン計画”などに関する取材を進めていた新聞記者ロス(パディ・コンシダイン)とロンドンで接触しようとしたボーン(マット・デイモン)。しかし、CIAの現地要員に監視されていたロスは、若い暗殺者(エドガー・ラミレス)に狙撃されてしまう。
チェック!
マット・デイモンが、CIAの元暗殺者ジェイソン・ボーンを演じる『ボーン』シリーズ第3弾。2002年に公開された『ボーン・アイデンティティー』、2004年に公開された『ボーン・スプレマシー』は、どちらも大ヒット。今作はファン待望の公開となったが、続編があまりヒットしないというハリウッドならではのジンクスに負けず、第3弾も予想以上の盛り上がりを見せた。というのも実は本作、8月に公開されていたにもかかわらず、9月になってもまだトップ10入りし続けるという偉業を成し遂げたからだ。大作の公開が相次ぎ、どんな作品でも1か月間のトップ10入りが限度であるハリウッドでは異例のこと。9月に入り、上映館も約1000ほど少なくなったものの、トップ10から落ちなかったのは、やはり脚本の緻密(ちみつ)さ、スピーディな映像展開、そしてマットが演じるボーンの人気があるからだろう。ボーンは、今やスパイダーマンをしのぐアメリカの国民的ヒーローとなっているのかもしれない。
イケメンチェック!
<マット・デイモン>
1970年にボストンで生まれたマットは、ハーバード大学にも通っていたほどの秀才くん(途中で、役者業が忙しくなったため、現在は休学中)! 20歳のときに、『ミスティック・ピザ』で映画デビューしたものの、なかなか日の目を見ない日々が続きます。そんなときに、親友のベン・アフレックとともに脚本を執筆した『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』で、アカデミー賞とゴールデン・グローブ賞のオリジナル脚本賞を受賞。同作ではアカデミー主演男優賞にノミネートされ、役者としてついに花開いたのでした! それからのマットの活躍ぶりはご存知の通り! 『オーシャンズ』シリーズや、『ディパーテッド』などなど、大作がめじろ押し。演技も、アクションも完ぺきにこなすマットは、今やハリウッドで最も“作品を当てる男”としてひっぱりだこなのです! プライベートでは、撮影中に出会った、現在8歳になる娘を持つアルゼンチン人のシングルマザーと、2006年に結婚。昨年娘が誕生しました! マットはかなり娘にメロメロで、今まで毎日通っていたジムにも行かず、仕事が終わると、とっとと家に帰る良きパパなのだそうです!
 
作品情報 >>
『ボーン・スプレマシー』作品情報 >>
『ボーン・アイデンティティー』作品情報 >>
『ブレイブ ワン』
全米初登場 1位 9/21-23順位 3位

英題:THE BRAVE ONE
監督:ニール・ジョーダン
キャスト:ジョディ・フォスター、ナヴィーン・アンドリュース、テレンス・ハワード
 
ストーリー
 
ニューヨークでラジオ番組のパーソナリティを務めるエリカ(ジョディ・フォスター)は、婚約者であるデイビッド(ナビーン・アンドリュース)との挙式を目前に控えた身。しかし、ある日の夕暮れ、愛犬を連れて散歩に出かけた2人は3人組の暴漢に襲わ れ、エリカは意識不明の重体となり、デイビッドは命を落としてしまう。
チェック!
ハリウッドの才女、ジョディ・フォスターが挑んだ超問題作『ブレイブ ワン』。恋人を“無差別の暴力”により殺され、自身も大けがを負わされた女性が、銃を手にして復讐(ふくしゅう)の鬼と化す……。一見どこにでもあるようなストーリーに聞こえるかもしれないが、ジョディの鬼気迫る名演と、彼女に負けないテレンス・ハワードの誠実な演技によって、物語はただの復讐(ふくしゅう)劇とはまったく違う“人間ドラマ”になっている。観た後に必ず人々に、何かを問いかけるジョディの演技はアメリカの観客の心に訴えかけたようで、観客レビューは上々。観客が限定されてしまうために、興行成績が伸びにくいR指定にもかかわらず、全米初登場1位を記録した。その後、順位は下がってしまったものの10月の初週でも、トップ10から落ちることがなかったのは、やはり名女優ジョディの熱演によるものなのではないだろうか?
イケメンチェック!
<テレンス・ハワード>
低い声と、吸い込まれそうになるきれいな瞳が印象的なイケメンおじさまテレンス・ハワードは、現在38歳! 3歳のときに、自分の父親が正当防衛で男を刺すのを目撃してしまったという衝撃的な過去を持つテレンスは、プライベートのみならず、役者としてもかなりの“遅咲き”な苦労人です。主役のオーディションを受けるまでに、19年間も脇役を演じつづけたのですから! テレンスにようやく大きなチャンスが巡ってきたのは、36歳のときに演じた『ハッスル&フロウ』の主役。この作品は、ラッパーの夢を捨て切れないピンプ(売春婦たちを取り仕切る人物)が、自分が面倒を見ている売春婦や、友だちの力により成り上がって行くというストーリー。実はピアノもギターもピカイチの腕前を誇るテレンスは劇中歌もすべて自分自身で歌い、さらに19年間の脇役生活で培った名演技を見せてアカデミー賞にノミネートされたのです! 実はノミネートされてからも、なかなか主役でドカーン! ということがないテレンスですが、『ブレイブ ワン』でも見せているように、彼が演じる脇役は強く印象に残ります。これからも、ベスト・オブ・脇役を目指して頑張ってもらいたいですね!
 
作品情報 >>
『バイオハザード3』
全米初登場 1位 9/28-30順位 3位

英題:RESIDENT EVIL: EXTINCTION
監督:ラッセル・マルケイ
キャスト:ミラ・ジョヴォヴィッチ、オデッド・フェール、アリ・ラーター
 
ストーリー
 
前作の惨劇から8年。感染は全世界へ広がり地上が砂漠と化す中、ラクーンシティの生存者たちは、アラスカを目指してネバダ州の砂漠を横断していた。そこですべての元凶であるアンブレラ社の巨大な陰謀を阻止するため闘い続けるアリス(ミラ・ジョ ヴォヴィッチ)は、離ればなれになっていたカルロス(オデッド・フェール)と生存者一団に遭遇する。
チェック!
ミラ・ジョヴォヴィッチ主演の『バイオハザード』シリーズ第3弾。本作で、シリーズ最終章ということもあり、ミラの気合の入りようは最高潮。ミラが演じるアリスのワイヤーアクションもこれまで以上にど派手になり、今シリーズでは初めて監督を担当するラッセル・マイケイの演出も、CGを組み合わせた見事な映像でエンターテインメント作品としてはかなり楽しめるホラーアクションだ。娯楽作品ではあるもののホラーというジャンルゆえに、R指定を受けている本作だが、ゲームの人気、そして映画の人気も相成って、全米初登場1位を飾った。オープニング成績は、約2400万ドルと同シリーズ最高の興行収入でシリーズものでは大成功と言えるだろう。また、ゲストの出演者であり、ゲーム版の主人公クレアが本作で初登場。そのクレアを演じるのは、アメリカの大ヒットドラマ「HEROES」で凶暴性を秘めたセクシーなシングルマザー役のアリ・ラーター。彼女は、日本での知名度はまだまだだが、アメリカでは現在かなりの人気を誇っており、そうしたゲスト陣の豪華さも話題になっている。
イケメンチェック!
<オデッド・フェール>
アリスが唯一心を開いている相手で、今回は大活躍するカルロスを演じるのは、オデッド・フェール。エキゾチックな顔立ちに、モデル体型のミラよりも高い188センチという身長の彼は、今ハリウッドで注目を集めているイケメンオジサマ。ドイツ人の父親と、オランダとスペインのハーフの母親を持ち、イスラエルで生まれたオデッドは、イスラエル軍に3年間いたという特異な経歴の持ち主。海軍に従軍した後、ドイツに渡ったオデッドは、ドイツでイスラエル航空のセキュリティーの仕事に就きます。ですが密かに夢見ていた役者への思いを捨てきれず、24歳でイギリスの演技学校に入学しました。ハリウッドに渡ったのち、『ハムナプトラ』シリーズなど、いくつかの映画に出演してきたものの、本作のカルロス役がこれまでのキャリアでは一番の大きな役。役者としてのキャリアスタートは遅かったオデッドですが、ヘブライ語も、英語も、ドイツ語も堪能。おまけに銃のエキスパートの彼は、これから徐々に活躍の場を広げていくのではないでしょうか? 最後に残念なお知らせですが、今年37歳というすてきなお年ごろの彼には、すてきな奥様と2人のお子さんがいるそうです……。
 
作品情報 >>
『キングダム/見えざる敵』
全米初登場 2位 10/5-7順位 3位

英題:THE KINGDOM
監督:ピーター・バーグ
キャスト:ジェイミー・フォックス、クリス・クーパー、ジェニファー・ガーナー
 
ストーリー

父母参観日に出席中のFBI捜査官ロナルド(ジェイミー・フォックス)の元に、サウジアラビアで自爆テロ事件が発生したと知らせが入る。彼は法医学調査官のジャネット(ジェニファー・ガーナー)や、爆発物専門家のグラント(クリス・クーパー)らとともに事件の調査を開始。しかし、FBIの捜査を拒むサウジ政府との交渉は難航し……。
チェック!
9月28日から公開された『キングダム/見えざる敵』は、中東で起きた爆発事件の調査に、ジェイミー・フォックス、ジェニファー・ガーナーらが演じる精鋭のFBI捜査官たちが立ち向かうというストーリー。リアルな中東問題にも切り込んだ、社会派の政治サスペンスだが、全米初登場は惜しくも2位。しかも1位になったのは、元WWEのレスラーであるザ・ロック主演のコメディー映画という皮肉な結果に。毎日いやになるほど、中東問題と対峙(たいじ)させられているアメリカ人にとって、この作品は少しリアルすぎたのかもしれないが、ジェイミーとジェニファーの好感度は、アメリカでもトップクラス。2人の出演により、人々の注目も集まっていたが、やはり内容的に、アメリカの観客には重かったようだ。公開から3週たっても、まだ2位につけていたザ・ロックの『ザ・ゲーム・プラン』(原題)と違い、3週目には7位にランクダウンしてしまった。ウェブ上での観客評価も平均値がBとなかなかなだけに、実に残念な結果となってしまった。
イケメンチェック!
<ジェイミー・フォックス>
テキサス出身のジェイミーは、ジュリアード音楽院でピアノを専攻していたほど音楽の才能に長けていました。ですが、彼が選んだ道はコメディーでした。1996年から約5年に渡り、「ザ・ジェイミー・フォックスショー」というコメディーショーのホストを務めた彼は、瞬く間にお茶の間の人気者に。しかし、役者としての彼は、あえてコメディーとはかけ離れたジャンルの作品を選んだのです。普通コメディアンが、路線変更をするとなるとジム・キャリーしかり、かなり大変なのですが、ジェイミーは大成功。『コラテラル』で見せた名演でアカデミー賞にノミネートされ、次の年に主演した『Ray/レイ』では、レイ・チャールズを熱演。もともとは、コメディーの持ちネタとしてものまねがとても上手なジェイミーだったのですが、“ものまね”という領域をはるかに超越した大熱演で、アカデミー主演賞を受賞! 黒人の俳優としては史上3人目にあたる大快挙を成し遂げたのです。「ずっとコメディー畑にいたけれど、僕はいつも違うジャンルに挑戦したい」とインタビューでも話していたジェイミー。『キングダム/見えざる敵』では、冷静でタフなFBI捜査官を見事に演じ切っています。演技派のジェイミーがこれからどんな役に挑戦していくのか、とても楽しみですね!
 
作品情報 >>
今月はこの作品に注目!『ザ・ゲーム・プラン』(原題)
全米初登場 1位 10/5-7順位 1位

英題:THE GAME PLAN
監督:アンディ・フィックマン
キャスト:ザ・ロック、モーリス・チェスナット、カイラ・セジウィック
 
チェック!

『ハムナプトラ2/黄金のピラミッド』で大人気となったコワモテ俳優ザ・ロック主演の本作は、NFLのスーパースターのもとに突然娘と名乗る女の子が現われて……という、“突然パパ”系映画。『スリーメン&ベイビー』『キャプテン・ウルフ』『ビッグ・ダディ』とこのような作品は、これまで山のように公開されているが、なぜか人気なのがこの系統の映画だ。今回は、コワモテでちびっこに人気のザ・ロックが主演ということで、ジェイミー・フォックスが主演の社会派サスペンス『ザ・キングダム/見えざる敵』を抑えて、見事全米初登場1位に踊り出た。難しい内容の『キングダム/見えざる敵』と違い、かなりライトな内容の本作は、子ども連れで観に行けることもあり、映画館にはファミリーがいっぱい。笑いを求めるアメリカの観客にとっては、もってこいの作品なようで、公開から4週に渡って、ベスト3入りをするというコメディーながらも大人気となった。
イケメンチェック!
<ザ・ロック>
本作に主演しているドウェイン・ジョンソンは、今じゃすっかり俳優となってしまったものの、本当はWWEというアメリカ最大のプロレス団体に所属しているスーパースター。WWEの中では、ストーン・コールドやHHH(トリプル・エイチ)と並ぶ、人気選手なのです。そして、引退している元プロレスラーなのでは? と思っているあなた! ザ・ロックはまだまだ現役なんです。ちゃんとWWEにはまだ所属しています! ただ、現在は俳優としてあまりにも活躍しているために、エージェントの規制が厳しく、いつけがをして撮影ができなくなってしまうか分からないようなプロレスの試合には、契約上出られなくなっているとのことで……。このロック様は、今ハッスルで人気の高田総統のような、「おれ様」キャラのヒールレスラー。「ザ・ロック様は、人間界のチャンピオンだ~」とかなり笑える毒舌トークが魅力でした。そんなコワ~イ一面を知っているからこそ、本作のように子どもに振り回されてしまう役柄は、ギャップの差が面白くてアメリカでは人気が出ているのかもしれませんね。ここまで俳優として人気が出ているのだから、WWEでもう一度、ザ・ロック様を見てみたいものです!
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