『ウォッチメン』特集第1弾~ヒーロー殺人の謎に迫る!~
フィクションでありながら、1980年代のアメリカという現実世界を舞台に描かれるグラフィックノベルの完全実写化映画『ウォッチメン』。さまざまな歴史的事件を監視してきたウォッチメンだったが、ヒーロー行為を禁止する“キーン条例”により現在は活動を休止していた。しかし、何者かによるヒーロー殺人を機に、次々とウォッチメンたちの命が狙われていく……。
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ウォッチメンの一人で、スマイルバッチがトレードマークだった“コメディアン”は何者かによって、高層マンションから突き落とされ殺された。スマイルバッチは血に汚れ、道に打ち捨てられていたのだが、それを拾った男がいた。顔が白と黒のもように変化する謎多き男、ロールシャッハだ。
1963年11月22日、第35代アメリカ合衆国大統領ジョン・F・ケネディはテキサス州ダラスを遊説のために訪れた際、何者かによって狙撃され46歳という若さでこの世を去った。犯人とされるリー・ハーヴェイ・オズワルドはすぐに逮捕されるも、ダラス市警察本部から郡拘置所に移送される際に、地元マフィアとつながりのあったジャック・ルビーによって射殺されてしまう。殺害動機に関しては不可解な理由ばかりで、犯行当時なぜジャックがオズワルドにやすやすと近づけたのかなど謎は多い。政府の対応も不自然な点が多く、ケネディ大統領暗殺事件は世界に衝撃を与えるとともに、映画や小説のテーマになるなど現在も謎多き事件としてアメリカに影を落としている。
ケネディ大統領暗殺にかかわったとされる、コメディアン。彼の死とこの事件は果たしてどんなかかわりがあるのか? 実はこの暗殺事件の真相をすべて知っており、それが原因で暗殺されたのか? コメディアン殺害の犯人はケネディ大統領暗殺事件にかかわりを持った何らかの人物……!?
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化学実験の失敗により、不滅の男となったDR.マンハッタンは迫り来るソ連との核戦争を前に、救世主として人類から希望を託されていた。しかし、何者かの陰謀によりDR.マンハッタンはなぜか雲隠れしてしまい、事実上の追放となってしまう。
ベトナムの南北統一をめぐり、アメリカが大規模な軍事介入を行って長期にわたり交戦したものの、国内外から沸き起こった反戦運動や地上戦の泥沼化を経て撤退を余儀なくされた。多くの死者と莫大な損益はアメリカ経済を直撃し、戦地での惨状やアメリカ兵士およびベトナム市民たちの後遺症がたびたび取りざたされることになる。ベトナム戦争が泥沼化した1960年代後半には反戦運動はブームと化し、多くの若者が「ラブ&ピース」を掲げて徴兵制度や体制に反発するヒッピーとなった。ベトナムの傷は現在も癒えることはなく、カルチャーに多大な影響力を及ぼしている。
アメリカが大規模な軍事介入を行ったこの戦争。実世界では長期化し、アメリカは撤退を余儀なくされたが、『ウォッチメン』の世界ではDR.マンハッタンの介入により、アメリカの短期決戦による勝利となっている。DR.マンハッタン介入の理由とは? 追放の真相はこの闇の特命に隠されている?
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一連の「ヒーロー狩り」を独自に捜査していくロールシャッハは、過去にヒーローだった仲間のもとを訪れていく。一方、“キーン条例”施行の後、若き実業家として成功を収めたオジマンディアスにも暗殺の魔の手が伸びていた。暗殺は未遂に終わったが、犯人は黒幕の名前を告げず、絶命してしまった……。