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今や世界的殺人鬼キャラのアイコンとなっている、ホッケーマスクの殺人鬼ジェイソン・ボーヒーズ。2009年2月13日の金曜日には、第1作目をモチーフにしたリメイク版も公開された。しかし『13日の金曜日 PART3』が、ホッケーマスク イコール ジェイソンとなった記念すべき作品だということは意外に知られていない。そもそも1作目の映画『13日の金曜日』には殺人鬼のジェイソンは登場しないし、意を決して大暴れする映画『13日の金曜日 PART2』ではホッケーマスクではなく、ズタ袋をかぶっているのだ。
今作で、人を驚かせるのが趣味のオタク高校生シェリーが持っていたホッケーマスクをジェイソンが奪い、装着したことで今日のジェイソン像が確立された。シンプルながらシンボリックなキャラクター像がウケ、その後の内容がほとんど同じ10本のシリーズと、スペシャル企画映画『フレディVSジェイソン』やリメイク版が制作されるに至った。記念すべき誕生の瞬間を収めた作品ではあるが、ホッケーマスク装着の案はこうした未来を予見した計算ではなく、顔を隠すための単なるアイデアに過ぎなかったそうだ。
劇場公開は3D上映だったため、殺害シーンなどが飛び出す映像用に計算された構図になっている。しかし発売されているビデオやDVDは3D仕様ではないため、作品全体を包む間の抜けた感じを味わうことができる。
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リメイク版でジェイソンを演じたデレク・ミアーズ
Eric Charbonneau / WireImage / Getty Images |
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ジェイソンとともに、今なおホラー映画界のツートップとして君臨する悪夢の番人フレディ・クルーガー。今作では、焼けただれた顔、ナイフが装着されたグローブ、しま模様のセーター……その3点がトレードマークのフレディの衝撃的な出生秘話が明かされていく。
特殊メークをベースに、リアルな殺害シーンを売りとする『13日の金曜日』シリーズとは違い、VFXを多用した幻想的でコミカルな殺害場面の数々を売りとする本シリーズ。高い演出力を要求されるためか、本作を足がかりに売れっ子になる監督も少なくない。本作の監督であるチャック・ラッセルは、その後ジム・キャリー主演のコメディー映画『マスク』やアーノルド・シュワルツェネッガー主演の映画『イレイザー』などでヒット監督になり、
今では大作映画のプロデュースなどを手掛ける人物だ。また脚本で参加したフランク・ダラボンは、映画『ショーシャンクの空に』『グリーンマイル』『ミスト』など傑作を放つ名脚本家兼監督として活躍中である。
『13日の金曜日』同様、リメイクされることになった『エルム街の悪夢』。ロバート・イングランド生涯の当たり役となったフレディには、映画『ウォッチメン』で顔のない男ロールシャッハを演じたジャッキー・アール・ヘイリーがキャスティングされた。2010年4月16日のアメリカ公開に向け、目下撮影中だ。 |
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ロバート・イングランドのはまり役、フレディ・クルーガー
Hulton Archive / Getty Images |
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小説家スティーヴン・キングや、映画『パンズ・ラビリンス』のギレルモ・デル・トロ監督などが敬愛してやまないモダンホラー小説の祖H・P・ラヴクラフト。本作は、ラヴクラフトの中編小説「死体蘇生者ハーバート・ウェスト」をヒントに、スプラッター描写満載で描いた大人気ホラー・シリーズの第3弾。
前作の映画『死霊のしたたり2』から約14年ぶりとなる続編で、マッドサイエンティストのウェストが刑務所内で死体蘇生実験をしたことから、ゾンビの大暴動が巻き起こるというもの。監督はアメリカ、スペイン、インドネシアで低予算映画を連発するプロデューサーのブライアン・ユズナ。シリーズ全作にかかわり、前作と今作では監督を務めるという熱の入れようで、過去シリーズをはるかに超える阿鼻叫喚場面を連発させている。そのグロテスクな視覚効果を担当したのは、ユズナお気に入りの日本人アーティスト、スクリーミング・マッド・ジョージ。映画業界はもとより、X JAPANやマリリン・マンソン、スリップノットとの仕事で知られる人物だ。あごが外れたゾンビや下半身が切断されたゾンビ、薬中ゾンビをクリエートし、画面をグチャグチャに彩っていく。
本シリーズは、番外編コミックやテレビドラマが製作されるほどの根強い人気を持っており、シリーズ第4弾も製作段階にある。新シリーズは、ウェストがホワイトハウスを地獄に変えるというストーリーラインになるそうだが、これまでにウェストを演じてきたジェフリー・コムズが降板したとのうわさがあり、完成が危ぶまれている。 |
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テレビ版「スター・トレック」シリーズにも出演。ジェフリー・コムズ
David Livingston / Getty Images
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シリーズ1作目の『The FEAST/ザ・フィースト』はマット・デイモンとベン・アフレック主宰の新人発掘番組から誕生したB級モンスター映画。全世界でヒットし、脚本家のパトリック・メルトンとマーカス・ダンスタンは、映画『ソウ4』『ソウ5』の脚本を任されるに至った。その後製作された映画『フィースト2/怪物復活』『フィースト3/最終決戦』は同時撮影で製作され、1作目から監督と脚本家、そして一部の出演者が続投している。
1作目は、テキサスにあるバーで繰り広げられるモンスターとのバトル。2作目は女暴走族がモンスターと一戦交え、今作ではその後生き残った人々がモンスターとバトルを繰り広げていく。監督のジョン・ギャラガーは、映画『バタリアン』『ヒドゥン』など、1980年代のホラー映画で活躍した名優クルー・ギャラガーの息子。俳優・監督・撮影などさまざまな経歴を持ち、シルヴェスター・スタローンの息子セイジ・スタローンが監督を務めたクルー主演の短編映画『ヴィク』(原題)ではカメラマンを務めている。ちなみにセイジは、キワモノ映画を紹介する「グラインドハウス・リリーシング」の経営者でもあり、スタローン監督・主演の映画『ランボー 最後の戦場』の低俗っぷりは、息子の趣味に影響されたのではないかとのうわさもある。
製作総指揮はハーヴェイ、ボブ・ワインスタイン兄弟。映画『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズなどの大作、ヒット作を数多くプロデュースしているが、映画業界参入のきっかけはスプラッター映画『バーニング』である。ホラー映画を知り尽くした男たちが描く本作は、ノーカット“極悪アンレイテッド”バージョンで公開される。 |
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『フィースト3/最終決戦』より
(C) 2008 The Weinstein Company, LLC. All rights reserved.
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文・構成:シネマトゥデイ編集部
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