夏休みが終わり、ボーっとした感じが抜けない日が続いていませんか? これからお休みを取る人たちも、シルバーウィークに遊びまくる人たちも、この上半期の疲れをここでそぎ落としておきましょう。そんなときにぴったりの超ゆる系映画をご紹介します。 |
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『かもめ食堂』の舞台は、日本から直行便で約10時間のフィンランド・ヘルシンキ。実は日本から一番近いヨーロッパの国。
たった2館だけの上映からクチコミで全国100館まで拡大してヒットした本作は、日本食を出す小さな食堂を営むのはサチエ(小林聡美)とそこにミドリ(片桐はいり)、マサコ(もたいまさこ)が加わり、超ゆるゆるな時間が流れます。フィンランドの大自然とゆったりとした時間の流れは映画というよりは、フィンランドそのものを映し出しています。というのも、フィンランドでは夕方4~5時には仕事を終え(残業はほとんどしないそうです!)、短い夏の間は湖や川で泳ぎ、家に帰って一家団欒(だんらん)の時を過ごすそうです。は~、日本では考えられませんね!
本作がクチコミヒットした理由として、3人の女性たちの“腹をくくってフィンランドに来た”というところがポイントのよう。「仕事を辞めるのが怖い」「お金がない」「時間がない」……現実的にいろんな理由で実行できないけど、この映画に出てくる3人は違うのです。それが女性客の支持を得て大ヒットとなりました。劇中に出てくる「かもめ食堂」は今もヘルシンキ市内で食堂として営業中。ほとんどが日本人観光客なんだとか。
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『ホノカアボーイ』の舞台は、ハワイ島。他人とうまく付き合えないダメダメな青年レオ(岡田将生)は、旅の途中で出会ったホノカアという町で映写技師の助手をしながら暮らし始めます。この辺りから、「ちょっと現実離れしてない?」と思わせる設定で、ハワイ島なのに出会う人たちはなぜか日系人ばかり。日本語オンパレード。「本当にそんなことあるのかいな?」とツッコミたくなりますが、これは原作者自身のハワイ滞在中の出来事で、ホノカアという町は日系移民者の多いところなのだそうです。原作者はバッグブランドとして有名なPorter Classic(ポータークラシック)の取締役って知っていましたか?
南の島の澄んだ空気と青い海、おいしそうな食べ物……癒やし要素が多く、若い青年レオに恋心(?)を抱く初老のビー(倍賞千恵子)の姿もカワイイ。この映画を観て、草食系男子が、南の島の気のいい人たちに囲まれて、何だか楽しく過ごしやがって!! と嫉妬(しっと)してしまう人は心がかなーり荒んでいるかも。今のあなたは他人の親切、他人の幸せを素直に受け入れられますか? 日常に疲れた人にこそ観てほしい1作! |
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9月12日公開の『プール』の舞台は、日本から直行便で約6時間のタイ・チェンマイ。テレビで見たことがあるような金ピカ大仏や揚げバナナなど、南国独特の雰囲気が満載。『かもめ食堂』『めがね』のスタッフで作られた新作で、大学の卒業旅行として一人チェンマイのゲストハウスで働く母・京子(小林聡美)を訪ねる娘・さよ(伽奈)が過ごす6日間。舞台はタイでも、ゲストハウスで働くのは日本人たちなので日本語オンパレード。これといった大事件が起こるわけでもなく、母娘の確執(かくしつ)はあるものの淡々と過ぎる時間……完ぺきなるゆる系。
監督・脚本・企画・原作が女性陣ということもあり、女性の琴線に触れる映画であることは間違いない。逆にいうと、男性客はどう観るのか? というのも気になるところですが……。ほのぼの過ぎて、一瞬記憶が飛んでしまいそうにもなっても、きっとそれはそれでいいのです。ゆる系映画は背筋をピーンと伸ばして観るよりも、まったり観るのがちょうどいいのです。 |
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(C) プール商会
食事シーンが印象的
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文・構成:シネマトゥデイ編集部
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