第16回 ホントに作るの!? 『インディ・ジョーンズ5』への思い入れスペシャル!
LA発! ハリウッド・コンフィデンシャル
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ホントに作るの!? 『インディ・ジョーンズ5』への思い入れスペシャル!
映画ファンの皆さん、こんにちは! 秋もめっきり深まってきましたが、いかがお過ごしでしょうか? ハリウッドもここのところ随分と涼しくなってきましたが、そんな中で静かにも熱く(!)盛り上がっているのが、『インディ・ジョーンズ5』の製作のウワサ! そこで黙っちゃいられないのが、自称インディファンのわたくしめでございますっ。なんと言ってもこの世で一番好きな映画のトップ3に『レイダース・失われたアーク《聖櫃》』は入っていますし、今は亡き愛犬にもインディと名付けたほどで、とにかく「インディ・ジョーンズ」シリーズへの思い入れは並々ならぬものがあるわけです。
というわけで、前置きが長くなりましたが、『インディ・ジョーンズ5』の製作のウワサが加熱しつつあるハリウッドから、この新作についての巷の反応、そして毎度おなじみ極秘で行われている製作進行状況のこぼれ話も交えて、ファンの見地から切り込みレポートお送りしちゃいます!
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そんじょそこらの事じゃ、まず漏えいはありえないジョージ・ルーカス&スティーヴン・スピルバーグ陣営。でも、『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』に出演していた当人たちが明かした情報なら疑う余地はないでしょう! この夏にマットことインディJr.を好演したシャイア・ラブーフの主演で公開された『トランスフォーマー/リベンジ』のプロモーションでBBCのインタビューに答えていたシャイア。BBCのレポーターに、これからのインディ・ジョーンズに対する抱負を質問されてこう答えました。「この間、スティーヴン(・スピルバーグ)が次作のあらすじを考えついたって教えてくれたよ」これを受けて業界は騒然!
さらに9月には、フランスはカルヴァドスというリゾート地で開催されたドゥーヴィル映画祭に招かれていたインディ本人ことハリソン・フォードが、フランスの雑誌『ラ・フィガロ』のインタビューにて、「スティーヴンとジョージ(・ルーカス)は、新作のインディ・ジョーンズに向けて準備を始めようとしてるところさ」と答えました。ワオ!! 普段は多くを語らないハリソンなのに、その日はこれに加えてもっと情報をくれました。「ジョージ、スティーヴン、そして僕3人の間で、第5作目の冒険をどんなものにするかっていう点で合意したんだ。だからジョージは忙しいよ。もちろん脚本が良ければ僕は喜んでまたインディのコスチュームを着るさ」と。
これだけ聞けば、『インディ・ジョーンズ5』の製作始動は、時間の問題と解釈して大丈夫な感じですよね。しかし、実はこの朗報を手放しで喜べない理由があるのです……!
確かに売り上げ総額を見れば全世界で大ヒット! なのですが……実は過去の3部作に比べたらそのヒットのクオリティーは雲泥の差だったのです。
ハリウッドの映画業界において、大作映画が封切られる最初の週末は、どのスタジオも想像を絶する気合が入っていて(宣伝担当者のクビもかかっているわけですし……)、その週末に向けて1年前、時にはそれ以上前から上映館の押さえ作戦が始まります。なぜならデビューの週末にその封切作品が、いくつの映画館で、そしていくつのスクリーンを使って上映されるかによって、その映画の興行収入が大きく変動してくるからです。『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』に関しても、それは例外ではなく、4,264館というとてつもない数の映画館で封切られ、オリジナル作品で1981年に全米公開された『レイダース・失われたアーク《聖櫃》』の1078館と比べても、すごい館数であることがよくわかります。稼げるときに稼げるだけ稼いでしまおう、というわけです。
そんな『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』は、映画批評家には上々の評判だったのですが、俗に言うインディ・ジョーンズ・ファンたちの間では大きく判定が分かれ、特に大ファンたちは同作に対して、「裏切られた気分だ」「もうこのシリーズはやめにしたほうがいい!」など、怒りにも似た酷評が飛び交いました。実はわたしもその一人で、勇んで初日の深夜先行ロードショーを観に行ったものの、映画の中でいきなり宇宙人が登場したときには、あまりの落胆でウツが入りそうになったくらいです!
今回の『インディ・ジョーンズ5』のうわさを受け、歯に衣着せぬ物の言い方で、若い映画ファンから人気を得ているMTVの映画サイトの担当ライターは、「『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』が公開された時点で、インディ・ジョーンズのシリーズ自体をもうやめたほうがいいっていう人たちもたくさんいたけど、僕は違う。インディは最高のキャラクターだ。ハリソンは依然として人好きのするキャラだし、宇宙人なんか登場させなくても、インディには考古学者としての冒険がまだ十分残っているはずだ」とコメントしています。
「そうだ、そうだ!」と叫んでしまったインディ・ファンはわたしだけではないはずです。あの宇宙人が姿を見せたとき、スピルバーグの残念作品の一つ『A.I.』を思い出してしまったのはわたしだけでしょうか? 先述のラ・フィガロ誌のインタビューによると、どうやらハリソンからは「『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』を基盤にした続編の可能性もなきにしもあらずだ」などという発言が飛び出していたらしいのです! そ……そりゃあいけません!!
今月のハリコンをルーカスさん、スピルバーグさんに読ませたら、「余計なことは言わんでええっ!」とどやされそうですが、インディ・ファンとしては放っておけません!
でも光明の兆しとしては、どうやら新作の脚本ドラフト(=下書き)には『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』で大活躍したショーン・コネリー演ずるインディのパパ、ヘンリー・ジョーンズのキャラが登場している! といううわさなのです。『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』ではインディのお父さんはすでに亡くなった設定になっていましたが、ひょっとすると新作では時代をさかのぼってヘンリーの再登場!? ということもありえなくはないようです。もちろん、ショーン・コネリーの登場がすべてではありませんが、彼の再登場はストーリー的にも、かなりスパイスアップされるのでは……という希望がわいてきます。
『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』の試写に訪れたショーン・コネリーは見終わって一言、「わたしに観てほしいのなら、今度はもっと短くしてもらいたいな……」と言っていたそうなので、え~、スピルバーグさん、ルーカスさん、次回作は少々短めに……ということで!
リリース予定によれば、『インディ・ジョーンズ5』の公開は、すでに2012年に設定されているようです。これはもう、最高の脚本を書いていただくしかないでしょう! 第5作目こそ宇宙人抜きで(苦笑)、温故知新! 『レイダース・失われたアーク《聖櫃》』に負けずとも劣らないインディを期待しています!!
(取材・文 神津明美 / Addie・Akemi・Kohzu)
高校留学以来ロサンゼルスに在住し、CMやハリウッド映画の製作助手を経て現在に至る。アカデミー賞のレポートや全米ボックスオフィス考など、Yahoo! Japan、シネマトゥデイなどの媒体で執筆中。全米映画協会(MPAA)公認のフォト・ジャーナリスト。
『スター・ウォーズ』サーガのサントラを生のフル・オーケストラで演奏するすごいコンサートへ行く予定。背景には映画の映像も使われるらしい。超楽しみだぁ~!