映画ライターが話題の問題作を斬る!映画『渇き』徹底紹介!
鬼才パク・チャヌク監督が魅せる集大成!
リアルな暴力シーンや主人公の激しい怒りなど、情熱の暴走を描き続ける彼にとって本作はその極み。登場人物の欲求は激しく、それが真剣過ぎるためにときにユーモラスに映り、鮮血のバイオレンスは感情を伴う分痛々しい。人間の狂気を高濃度のエンターテインメントとして提示して見せた、まさに彼の集大成と呼ぶにふさわしい。
本作のために10キロ減!ソン・ガンホの新境地!
映画『シュリ』『JSA』『殺人の追憶』など大ヒット作に次々と出演し、人気・実力ともに韓国ナンバーワンの座に君臨するソン・ガンホ。人間味あふれるユーモラスな役を得意としてきた彼だが、ここでは体重を10キロ減量して、内面はもちろん外見的にもストイックな神父像に説得力を持たせた。共感を誘う個性を生かしつつも、欲望への抵抗とその決壊をリアルに体現して見せる。名優の新境地を見逃すな!
これは神に背いた罰か、女の罠か~バンパイアの神父と人妻の禁断の愛!~
- これは神に背いた罰か、女の罠か~バンパイアの神父と人妻の禁断の愛!~
- これは神に背いた罰か、女の罠か~バンパイアの神父と人妻の禁断の愛!~
バンパイアと人間の女性のロマンスというと、映画『トワイライト』シリーズが記憶に新しいが、本作はジュブナイル(少年少女向け)性重視の同作とは明らかに一線を画する。神父は吸血の欲望のみならず、ヒロインへの肉欲にも抵抗しなければならない。しかも彼女は人妻なのだから、まさに禁断の3乗。それゆえに葛藤(かっとう)は激しく、やがて起こる悲劇もすさまじい。官能的な映像美のパワーも相まって、それは鮮烈な印象を与えるだろう。