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第15回

今月の5つ星

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シネマトゥデイが選ぶ 今月の5つ星

毎月公開される新作映画の中から、シネマトゥデイ編集部おススメの5本を紹介します。
本年度アカデミー賞作品賞&監督賞を含む6冠を制した反戦映画をはじめ、アカデミー賞、ゴールデン・グローブ賞など賞レースをにぎわせた人気スターの話題作を紹介!

4月9日公開 観る人によって180度解釈が異なる衝撃のミステリー 『シャッター アイランド』 作品情報

マーティン・スコセッシ監督&レオナルド・ディカプリオが4度目のタッグを組んだミステリー。精神を病んだ犯罪者を収容する孤島を舞台に、ディカプリオふんする連邦保安官が、密室から姿を消した女性患者の捜索に挑む。しかし、保安官の目的は女性患者の失踪(しっそう)事件から死んだ妻を殺した犯人捜しへと転じ、さらには非人道的な治療を行う施設への糾弾と、思いも寄らない方向へ進んでいき、保安官があらゆる謎にがんじがらめになっていくさまがスリリングだ。何かを訴えかける亡き妻、戦争時代の死体の山といった、保安官が見る現実とも妄想ともつかない映像や、医師や犯罪者たちが放つ意味深な言葉が全編にちりばめられており、ロールシャッハテストのように、観る者によってそれらのとらえ方が180度違ってくるところが面白い。映画を観た者同士で感想を話し合うと、ぐんと観方が広がる、一度観て二度おいしい問題作だ。

『ハート・ロッカー』©2008 Hurt Locker, LLC. All Rights Reserved.
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4月10日公開 奇想天外な設定は、アカデミー賞受賞作をしのぐ面白さ! 『第9地区』 作品情報

ハリウッドでオスカー監督となり、牙を抜かれてしまった感のあるピーター・ジャクソン。しかし、彼の目は死んでいなかった! ジャクソンは、これまでCMディレクターとして活躍していた南アフリカ共和国出身の新人監督ニール・ブロンカンプの短編映画のアイデアを長編に膨らませ、製作という立場で映画『第9地区』を放った。ブロンカンプ監督のテンションはニュージーランド時代のジャクソンを思わせ、元VFXマンという基礎、そしてCMディレクターとして培ったスタイリッシュな演出センスが、新人監督とは思えぬ風格を作品に与えている。既存のSF映画、特に宇宙人を扱った諸作品群のセオリーに縛られることなく「もし何百人ものエイリアンが難民としてやってきたら?」という、バカバカしくもユニークな発想を、アパルトヘイトを彷彿とさせるかのような人権問題を提起しつつ、一級のストーリーテリングで見せてくれる。アカデミー賞では映画『アバター』VS『ハート・ロッカー』の一騎打ちとなったが、同じく作品賞にノミネートされた本作の方が、斬新さという点では格段に上だと思う。

『シャーロック・ホームズ』 ©VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED
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4月17日公開 バートン監督がデフォルメした不思議の国の住人が魅力的 『アリス・イン・ワンダーランド』 作品情報

ヘンテコな世界を描いたら右に出る者はいないティム・バートン監督と、奇妙なキャラクターが似合うジョニー・デップが7度目のコンビを組んだ注目作。19歳に成長したアリスが冒険するバートン監督のオリジナルストーリーで、アリス演じるミア・ワシコウスカちゃんが、まぁ男前です。ルイス・キャロルの原作「不思議の国のアリス」「鏡の国のアリス」を知らなくても楽しめる仕上がりで、登場するキャラクターも頭のデッカイ女王や、ニヤニヤ笑う猫などクセ者ぞろい。黄緑お目目のジョニデは、不気味を通り越して気持ち悪めだけど、それはそれでよし。全体的にバートン監督が得意とする毒っ気が薄いので、子ども向けの印象も。ストーリーはともかく、スクリーンの隅々まで観ると実はいろいろと隠されたアイテムが散らばっています!

『フィリップ、きみを愛してる!』© 2009 2009 EUROPACORP
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4月17日公開 17歳の少女のほろ苦い自分探しが切ない余韻を残す 『17歳の肖像』 作品情報

アカデミー賞作品賞に加え、24歳の新進女優キャリー・マリガンが主演女優賞にノミネートされ、話題を集めた本作。ロンドン郊外の中流家庭で、オックスフォード進学を目指して猛勉強中の16歳のジェニーが、魅惑的な年上の男性デイヴィッドと出会い、大人の階段を駆け上がっていく。青春真っ盛り、17歳の誕生日に彼女が両親からもらったプレゼントは、ラテン語の辞書。進学に関係のない“正しくない欲望”をことごとく父親から否定されてきた彼女にとって、自分を大人の女性として扱い、敬い、未知の世界へ連れ出してくれるデイヴィッドは、まさに救世主。そんな彼の“甘いささやき”によってうっせきしていた欲望を一気に爆発させ、自分の新たな可能性を見いだしていくジェニーには、誰もが共感するだろう。やがて彼女は予期せぬ落とし穴にはまり、苦渋の選択を迫られることになるのだが、彼女の体験から一つ言える教訓は、大切なのは失敗するか成功するかではなく、自分一人の力で選択するということ。恋、仕事、人生において何を幸福ととらえるかは人それぞれだが、目下自分探し中という人には、ジェニーがラストで放つ言葉がズシリと響くはず。

『NINE』©2009 The Weinstein Company. All Rights Reserved.
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4月24日公開 救いようのない人生をサバイブする少女に勇気づけられる 『プレシャス』 作品情報

アフリカン・アメリカンのコミュニティーで実際に起こっている、児童虐待、性的虐待、人種差別などの社会問題を取り上げた人間ドラマ。両親から虐待を受け、不幸な人生をたどるヒロイン、プレシャスの姿に胸を締め付けられるばかりだが、希望を捨てずに生きようとするたくましさに、最後は逆に勇気づけられてしまった。ヘビーな日常のシーンから一気に幻想の世界へと切り替わる、斬新な映像構成が効いている。また、コメディエンヌのモニークふんする母親は、まさにモンスターばりの迫力で、アカデミー賞助演女優賞受賞も納得の存在感! ほぼすっぴんでソーシャルワーカーにふんした歌姫のマライア・キャリーレニー・クラヴィッツら有名スターの共演も見ものだ。単純明快なシンデレラストーリーには程遠い内容ながら、本年度アカデミー賞で2部門受賞しているだけに、日本でも幅広い層に支持されるだろう。

『マイレージ、マイライフ』©2010 Twentieth Century Fox
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