エキゾチック・アクション映画に必須の肉体美

　本作でギリシャ軍最強の戦士アキレスを演じたブラッド・ピット。『ファイト・クラブ』のような細マッチョではなく、完全なるマッチョとしてスクリーンに登場しました。

　体作りは約半年、筋肉を10ポンド（約4.5キロ）増やしたそうです。そのトレーニング内容を見てみると……1日の食事は4回。低炭水化物＆高たんぱく質を摂取する食事で、2～3時間はジムで筋トレ。このとき、ブラピ40歳。本人も「中年の危機が間近に迫っていたから、逆にそれが体作りをするきっかけになった。でもすごく大変だった」と語っています。

　もちろん、ちょっとやそっとじゃ完ぺきボディーは手に入りません。ハリウッドスターとはいえ、ブラピだって人間です。お父さんたちの癒やしであるビールを控えなければならず、タバコもNG！　「最初は禁断症状がひどくて、人を殺してでもタバコを吸いたい気分だった」と語るほど禁煙はつらかったようです。

　そのかいあって、出来上がったボディーは圧倒的な存在感！　その熱意が監督に伝わったのか（!?）やたらと裸のシーンが多い仕上がりとなっています。

　巨匠オリヴァー・ストーン監督がメガホンを取った歴史超大作『アレキサンダー』。歴史上初めて世界を統一したアレキサンダー王を演じたのは、ボディーよりも濃い顔に目がいってしまうコリン・ファレル。年が近いアンジェリーナ・ジョリーがなぜか母親役という不思議なキャスティングでした。

　製作費200億円を投じた本作に主演するコリンの役づくりは、体を鍛えることから始まりました。専属トレーナーと共に自主トレ。ひたすら腹筋！　ひたすら受身の練習！　その後3週間、戦闘シーンに参加する170人ほどのキャスト全員で、地獄の強化合宿!!　「イエス、サー！」の掛け声が響く中、朝6時からの3～4キロのジョギングに始まり、筋トレや馬術など。食事は1日1食、しかも少量。マジのブートキャンプです。みんなはそれぞれ役名で呼び合い、コリンは「キング」と呼ばれ、彼がキャンプでも指揮を執って、号令をかけていたそうです。兵士を演じる上では、鍛えたメンタル部分も役づくりに大きく貢献したのでしょう。

　と、ここまで頑張ったコリンですが、「王の貫録（かんろく）がなぁ～」「金髪が似合わないな～」「同年公開だった『トロイ』のブラピのボディーと比べたらちょっと……」などと散々言われ、ラジー賞の主要部門にがっつりノミネート。ちょっとかわいそうでした。

　『デイ・アフター・トゥモロー』ではデニス・クエイド演じる古代気象学者の息子を、『ブロークバック・マウンテン』では同性愛者を、そして『ジャーヘッド』では、海兵隊員役でそこそこのボディーを見せてくれましたが、これまで繊細な若者の役柄イメージが強いジェイク・ギレンホール。しかし、今回『プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂』で本格的にアクションに挑戦しているのです！

　まず目を引くのが、ものすごーく太くなった上腕二頭筋！　と言いたいところですが、「毛」の方が気になる人も多いかも？　長髪、ヒゲ、胸毛（自前かどうかは不明）のワイルド男の3点セットに、筋肉隆々の二の腕と厚い胸板。この体を作り上げるために、約半年間トレーニングを積んだそう。毎日ジムへ通い、パルクールという、道具を使わずに建物などの障害物をぴょんぴょん飛び越えていくエクストリームスポーツや、格闘技などの訓練。撮影中も、撮影現場からホテルまで走って移動していたそう。

　その結果、アクションシーンのほとんどはスタントマンではなく自らがこなしていて、特にエクストリームスポーツの効果は絶大。スクリーンの中で平らな屋根を飛び回っている姿は、観ていて爽快（そうかい）！