録音が行われたのはブダペストの歴史あるラジオ局Magyar Radio(マジャール・ラジオ)のスタジオ。1925年に設立され、変動するハンガリーの歩みを尽かさず報道してきた、NHKのような公共放送局です。
その局内の、時代を感じさせるスタジオに、80人ほどのオケのメンバーがそれぞれの楽器を持って集まりました。皆、普段着で、年齢もまちまち。のんびりとした雰囲気の中、ハンガリー語で仲間たちと話しています。そこに、ハンガリー人のコーディネーターであるチャバさんの紹介でマークさんの登場。ちょっと緊張した面持ちで指揮台に上がり、英語であいさつします。それを通訳の女性がハンガリー語に訳すと、オケのメンバーも軽くそれに答えます。簡単なやり取りが終わった後、早速演奏が始まりました。マークさんが指揮棒をさっと振り上げ、バイオリンが一斉に演奏を始める! それに続きチェロ、ビオラ、ハープ、ドラムとすべての音が混じり、オーケストラの演奏がスタジオじゅうに響き渡ります! 間近でオーケストラを聴いたことがないわたしは、そのダイナミックな演奏にひたすら感動。さすが、生の音は違う!
隣接したブース内ではその音を録音するエンジニアと楽譜をチェックするスタッフが仕事をしています。楽譜の音が乱れると、ブースの中からマイクでスタジオに連絡がいきます。それを聞いてマークさんはその部分を取り直す。そうやって、一つ一つの曲が演奏されていきます。
途中、ハンガリーの子ども合唱団の少年3人が参加し、初々しい顔で賛美歌的な歌を歌いました。なかなか音程が合わず、頑張っている顔がかわいかったです。
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