『ヘヴンズ ストーリー』特集 未曾有の映画館体験ができる! 三つの理由
未曾有の映画館体験ができる! 三つの理由
家族を殺された少女、妻子を奪われた男、復讐(ふくしゅう)代行を副業とする警官ら多数の人物が絡み合い、復讐の先にある再生を描く『ヘヴンズ ストーリー』。その大きな世界観とおそるべき映画の強度で 「映画館で観るべき作品!」と注目を集める本作の三つの理由に迫る!
理由(1) 日本映画界を揺るがす一大事件! 上映時間は4時間38分!!
監督自身が企画やプロデュースを手掛けることで、地殻変動を繰り返す日本のインディペンデント映画界。今年はすでに若松孝二監督の『キャタピラー』が第60回ベルリン国際映画祭で最優秀女優賞を受賞しているが、さらなる衝撃として映画界を揺さぶることになるのが、鬼才・瀬々敬久監督による最新作『ヘヴンズ ストーリー』だ。上映時間はなんと4時間38分!! カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞した『地獄の黙示録』をはじめ、過去の超長尺映画には名作が多い点も、本作が事件と目される理由だ。この一大事件ともいえる破格のスケール、集中して観るには映画館という場所がまさしくうってつけ!
理由(2) 全9章、10年間のカタルシスを彩る映画俳優たちの豪華共演!!
本作は全9章で構成されているが、断じてオムニバス映画ではない。一見、関連性がない複数の殺人事件が、次第に絡み合い、やがて有機的につながり合う一大叙事詩なのだ。主要登場人物は20人を優に超える。彼らの「生と死」と向き合う10年間が、大きなうねりと化し、観客を飲み込んでしまう巧妙なストーリーテリング! この近年、例を見ないカタルシスを彩るのは、主演の寉岡萌希、長谷川朝晴、忍成修吾、村上淳、山崎ハコをはじめ、菜葉菜、江口のりこ、片岡礼子、嶋田久作、菅田俊、光石研、津田寛治、根岸季衣、渡辺真起子ら日本映画界きっての実力派俳優達に加え、大ベテランの柄本明、佐藤浩市。映画ファンならばこの豪華共演をスクリーンで見届けるべき!
理由(3) 物言わぬ風景の圧倒的パワー! これは鑑賞ではなく体験だ!!
人間の本質に迫るスケール、 巧みな構成とそれを肉付けする役者たちに加えて、本作に圧倒的な強度を与えているのが、映画のロケの力だ。瀬々監督が1年以上に及ぶ撮影で切り取った風景の数々は映画の力を漲らせ、特にたびたび登場する廃墟や団地は物語を支配するほどの圧倒的なパワーを放っている! それはまさしくスクリーンで鑑賞すべき……いや、体験すべきである。現実の事件にインスパイアされ、ゼロ世代(※)の日本を総括しようとする瀬々監督の野心は、西洋式「ヘヴン」とは異なる風景を生み出してしまったのだ。
※2000年から2009年までの10年間のこと。
※2000年から2009年までの10年間のこと。
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