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今年のアカデミー賞を席巻した『キッズ・オールライト』が、4月29日公開。女性同士のカップルに子ども2人という、一風変わった家族の物語。最近は、以前にも増して、セクシャルマイノリティーを取り巻く映画が多く、コメディーからシリアスまでバラエティーに富んでいます。こういう映画は抵抗がある……といわずに観るとお国柄も出ていて意外と面白い! |
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ジム・キャリーとユアン・マクレガーがカップルを演じる、実話を基にした仰天ラブストーリー。警察官で妻子がいる男なのだが、大事故に遭ったことで「自分らしく生きてやる!」といきなりカミングアウト。詐欺師となって、刑務所に入っては脱獄を繰り返す。これを実際にした男の話というからオドロキ! そんな彼の「本来の姿」をフツーに受け入れる奥さん(元妻?)の懐の深さもオドロキなのです。
本作は、ゲイの社会的なことや葛藤など、マジメな問題は取っ払って、とにかく軽い(というかはじけ過ぎ)。かといって、ゲイを軽視しているような描き方ではありません。愛する人のために詐欺をし、刑務所に入り、脱獄する、すべては愛のため。その主人公がたまたまゲイだっただけです。
際どいラブシーンがあるわけでもなく、カラッとしたラブコメなのに、アメリカでは3回も公開延期になりました。大都市を除いたアメリカは、同性愛に関してまだまだ保守的ですが、映画業界でも、シリアス・アート系で描かれる作品は映画賞を受賞しても、ラブコメは「毛色」が違うらしい……。
本作は、同性愛者擁護団体GLAAD(中傷と闘うゲイとレズビアンの同盟)が主催する第22回GLAADメディア賞長編映画(限定公開)部門ノミネート作。
●『フィリップ、きみを愛してる!』特集 |
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腕組みが不自然さ全開(撮影中)
Mike Franklin/FilmMagic |
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この作品、残念ながら日本公開はされておらず、DVD発売もされていません。2009年に、年に1度開催される「東京国際レズビアン&ゲイ映画祭」で上映されたスウェーデン映画。
この映画は、医者と良さげな企業に勤める収入もガッツリ安定しているであろう男性カップルが、養子を迎えるところから始まります。施設も、なかなか同性カップルに子どもを紹介してくれないのですが、やっとで赤ちゃんが来ることに!(スウェーデンは、同性婚が認められていますが、養子を迎えるのはまだまだのよう)
ご近所親睦パーティーに呼ばれ「僕の妻です」と「彼」を紹介すると、ア然とするご近所さん。そして次の親睦パーティーに呼ばれなくなるあたり、同性愛者への理解が進んでいる北欧でも、偏見があることがわかります。そんな彼らの元に手違いでやってきたのは、同性愛者を嫌う、ワルな(ちょっとカワイイ)15歳の少年。無論、問題ボッ発。果たして、少年は彼らに心を開くのか? ご近所さんたちはこの家族を受け入れるのか?
同性愛者を取り巻く問題を絡めながらも、「笑ってはいけない映画」ではありません。笑いを挟みつつライトに仕上げた佳作。機会があればぜひ観ていただきたい1本。
本作は、同性愛者擁護団体GLAADが主催する第22回GLAADメディア賞長編映画(限定公開)部門ノミネート作。 |
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出演のトーケル・ペターソン
Adam Osterman/WireImage
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4月29日より公開の『キッズ・オールライト』は女性カップルに2人の子どもの家庭。実際アメリカには、女性カップルが子どもを持つ家庭は存在します。そのケースでは、知り合いの男性カップルのそれぞれがお父さんで、2組の男女の片方はそれぞれ医者というもの。経済的に裕福というのは同性カップルではかなり重要なのです。
さて、映画に話を戻すと『キッズ・オールライト』でも片方の女性は医者という設定。スウェーデン映画など観ても、同性カップルが子どもを養育するにはお金と社会的地位は重要なのだと感じます。本作では、2人の子どもたちが自分の父親を捜すため精子バンクに問い合わせてからが問題。互いの了解が得られれば会えるというのがアメリカらしいですが、昨今、匿名性が低くなったため、精子提供者が減っているといわれています。
作では、隣近所との関係があまり描かれておらず、家庭問題にフィーチャーされています。シリアスになり過ぎない作りで、息子が2人の母に「レズなのに何で男同士のビデオ観るの?」なんて尋ねるシーンも、普通に笑えます。この映画は、子育てをし成長した子どもを持つレズビアンカップル家庭という、変わったシチュエーションですが、「母/父親が誰なのか」「見たこともない母/父に会ってみたい」ということは同性愛者の元で育っている子どもに限らない話。家族を愛することって? 家族と向き合うことって? を投げかけるハートフルな1作です。
本作は、同性愛者擁護団体GLAADが主催する第22回GLAADメディア賞長編映画(拡大公開)部門ノミネート作。 |
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和気あいあい(?)
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文・構成:シネマトゥデイ編集部 |
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