チャン・イーモウに見いだされた華麗なる主演女優たち 今週のクローズアップ 2011年7月14日 中国が誇る巨匠、チャン・イーモウ監督の最新作『サンザシの樹の下で』が7月9日より公開。主演に起用した無名の新人女優が、のちに世界的に活躍するトップ女優となることで知られるイーモウ監督が、本作で新たなシンデレラ・ガール、チョウ・ドンユィを発掘。かつて、彼によって見いだされたスター女優たちと併せて、華麗なるイーモウ・ガールたちをご紹介していきます。 1987年に発表されたイーモウ監督のデビュー作でありながら、ベルリン国際映画祭でグランプリである金熊賞を受賞し、中国国内でも「『紅いコーリャン』現象」を巻き起こした名作、『紅いコーリャン』にて女優デビューを果たしたコン・リーは、同じくイーモウ監督の『秋菊(しゅうぎく)の物語』にて第49回ヴェネチア国際映画祭最優秀女優賞を、第46回カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞したチェン・カイコー監督の『さらば、わが愛/覇王別姫(はおうべっき)』にて、ニューヨーク映画批評家協会賞最優秀助演女優賞を獲得し、女優としてのキャリアを着実に積んでいきます。 まさしく「中国美人」という言葉がぴったりのルックスに、チャイナドレスがよく似合う抜群のスタイル、そして確かな演技力を備えた彼女は、中国国内はもちろんのこと、ヨーロッパを中心に海外での高い評価がありながらも、ハリウッドでは意外にも遅咲き。2005年、後述するチャン・ツィイー主演で日本でも大きな話題となった『SAYURI』にて、ファン待望のハリウッド進出となりました。 最新作『シャンハイ』では、ジョン・キューザック、チョウ・ユンファ、そして日本を代表するハリウッドスター・渡辺謙と肩を並べ、中国を代表するトップ女優としての貫禄を見せつけています。 アラフォーの色気さく裂!! (C) Jean Baptiste Lacroix / WireImage / Getty Images アジアを代表するハリウッド女優といっても過言ではない、チャン・ツィイーですが、彼女も映画デビューはやっぱりイーモウ監督作品。そのあまりのかわいさに日本でも多くの映画ファンが心を奪われた、1999年の『初恋のきた道』が、ベルリン国際映画祭で銀熊賞を受賞したことで、一気に脚光を浴びました。 翌年出演した、アン・リー監督の『グリーン・デスティニー』がアカデミー賞外国語映画賞を受賞したことで、ハリウッドでも注目の的となったチャン・ツィイーは、さらに翌年、ジャッキー・チェンとクリス・タッカーのコンビで人気シリーズとなった『ラッシュアワー』の続編『ラッシュアワー2』に出演し、あっさりハリウッド進出! あっという間に世界的な知名度を高めてしまいます。 イーモウ監督とは、2002年の『HERO』、2004年の『LOVERS』と、ダイナミックなワイヤーアクションが話題を集めた大作で再びタッグを組む中、2005年、彼女の代表作となる『SAYURI』(ロブ・マーシャル監督)の主演を射止め、ハリウッドスターとしても押しも押されもせぬ地位を築き上げたチャン・ツィイー。私生活でも世界の富豪たちとの交際歴を持つなど、まさしくアジアを代表するセレブ女優なのです。 これぞハリウッド女優の貫禄! (C) Venturelli / WireImage / Getty Images コン・リー、そしてチャン・ツィイーと世界に誇るイーモウ・ガールを輩出してきたイーモウ監督が新たに見いだしたのが、最新作『サンザシの樹の下で』で主演を務めたチョウ・ドンユィ。7,000人の候補者の中から選ばれたというシンデレラ・ガールの彼女は、いきなりの主役抜てきに、「詐欺かと思った」と明かすほど驚いたのだとか。 小柄で華奢(きゃしゃ)な体つきもあってか、18歳ながら監督にも、「18歳という年齢よりもあどけなく、世慣れしていない印象を受けた」と言わしめたチョウ・ドンユィ。しかし、そのピュアな存在感が、『サンザシの樹の下で』のヒロイン・ジンチュウそのものであり、切ない初恋を描いた純愛物語である同作にリアルな風を吹き込んでくれています。 『サンザシの樹の下で』出演後は、「中国13億人の妹」の愛称ですっかり人気者となったチョウ・ドンユィ。続々とオファーが舞い込んでおり、出演作もめじろ押し! 果たして、コン・リー、チャン・ツィイーに続く、スター女優へと大きな飛躍を見せるのか。今後の活躍に注目です! 映画『サンザシの樹の下で』より この笑顔にキュンキュンします! (C)2010, Beijing New Picture Film Co., Ltd and Film Partner (2010) International, Inc. All Rights Reserved. 文・構成:シネマトゥデイ編集部 ADVERTISEMENT