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作品選びは慎重に……ポール・ベタニー

今週のクローズアップ

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今週のクローズアップ 作品選びは慎重に……ポール・ベタニー

 9月23日公開の『プリースト』。日本では聞き慣れないグラフィックノベルが原作となっている本作で主演を務めたポール・ベタニー。どことなく不気味な雰囲気を醸し出すが、背が高くイケメンであることは間違いない! いささか出演作選びがよくないのが難点……というワケで、ポールの人となりに迫ります。
美男の苦悩 演技派だけどハマリ役がないんです!

 祖父は音楽家、祖母と両親は俳優、姉は作家という、芸能一家に生まれたポール・ベタニー。19歳で俳優の道を志し、長編映画デビューはちょい役で出演した『ベント/堕ちた饗宴』。このときから順調に映画の仕事をこなし、殺気ある「目の演技」で一躍名前を知られることになった『ギャングスター・ナンバー1』でギャングを演じたかと思えば、コメディー映画に出てみたり、イメージにとらわれず「演技派」としての道を歩んでいる。しかし、幅広く演じることが吉と出るかと思えば凶だった!? ……というのも、今年40歳「これぞハマリ役」にまだ出会えていないのだ。

 これまで、ラッセル・クロウ主演『ビューティフル・マインド』ニコール・キッドマン主演『ドッグヴィル』ハリソン・フォード主演『ファイヤーウォール』、ジョニデ&アンジー共演『ツーリスト』など、そうそうたるスターたちの脇にいるのだが……。彼の場合、作品選びのセンスがイマイチではとささやかれる。

 最近の一番の痛手といえば『英国王のスピーチ』英国王役を断ったことだろう。脚本家は、ポールをイメージして書いたというのに! 結果、コリン・ファースがオスカーを手にしたのはご存じの通り。映画の撮影が続き、家族に会いたくて『英国王のスピーチ』を断ったと語っているが、本当に後悔してないのか!?

 

ゴーイング・マイ・ウェイです
Evan Agostini/Getty Images

仕事とは違い(!?)私生活は順風満帆

 16歳のとき、8歳の弟マシューが亡くなったことがきっかけで、子だくさんの家庭を築きたいと思うようになったというポール。

 私生活では、『ビューティフル・マインド』で共演したジェニファー・コネリーと結婚し(一部のファンの間では、彼女と結婚してから仕事運が下がったのはでといわれている……)、彼女の連れ子と、実子のステラン、今年5月に生まれたばかりの娘アグネスの5人家族。息子ステランは、『キス★キス★バン★バン』で共演したステラン・スカルスガルドから名前を取ったというのは有名な話。

 家族をとっても愛するポールは、ブラピ&アンジーカップルと同じく、妻が仕事をしているとき、自分は仕事を入れないという方針を取っているそうだ。そのため、子どもの送り迎えや、家族との散歩姿をよくパパラッチされていて、知る人ぞ知るグッドファーザー。ステランが2歳のときに、自分がタバコを吸う姿を息子がマネしたため、それから禁煙したというエピソードもあるほど!

 

夜のお散歩もパパラッチされちゃいます
Arnaldo Magnani/Getty Images

バチ当たりな役がハマリ役なのでしょうか?

 2006年の超話題作『ダ・ヴィンチ・コード』で、ポールが人々を殺害する修道士シラスを演じたのは記憶に新しいところ。彼はもともと金髪だが、役づくりのため、より白い髪に脱色しようとしたら、頭皮がかぶれてしまう悲劇に! 結局、髪をそりカツラをつけたのでありました。

 「このシラス役はポールじゃないとヤダ!」とロン・ハワード監督の再三のラブコールに応じ出演したのだが、不気味な無表情、殺気ある目、自身を痛めつけるドS演技はかなりのハマリ役。そのデジャブ!? と思える姿が9月23日公開の『プリースト』でも観られる。実は、この作品の撮影が長かったため『英国王のスピーチ』を断ったという、彼の運命を変えてしまった(?)作品である。『プリースト』は悪役ではなくヒーローだが、教会に背いて勝手に戦うアウトロー聖職者なので、『ダ・ヴィンチ・コード』とバチ当たり的要素は共通している。

 近年、天使やら聖職者役が多かったので、その方向でいくのかと思えば、映画版『レ・ミゼラブル』のオファーがきているんだとか! 主演ジャン・バルジャンはヒュー・ジャックマン、彼を追う警部にポールがオファーされていると報道されている。監督は、『英国王のスピーチ』トム・フーパー、脚本は『グラディエーター』ウィリアム・ニコルソン。フーパー監督はいまだにポールと仕事をしたがっているらしく、すでにポールはスクリーンテストで歌を歌ったんだとか。「これを断わったらダメだよ~」というファンの声が聞こえそうな話だが、キャストは未発表。ぜひ、ミュージカル映画で新境地を開き、作品選びは慎重に……とポールに伝えたい。


『プリースト』ではアクションも頑張ってます

文・構成:シネマトゥデイ 片岸朝香

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