『アポロ13』『グリーンマイル』 など、誰もが一度は観たことがあるであろうヒット作に出演しているトム・ハンクス 。アカデミー賞では、スペンサー・トレイシー以来の快挙とされる2年連続主演男優賞を受賞するという演技派としても知られ、数々の女優と共演、そして有名監督とタッグを組んで多くのヒット作を生んでいます。そんな彼の監督&主演作『幸せの教室』 がいよいよ公開。55歳の今でも俳優、監督、プロデュース、なんでもこなすマルチな才能の持ち主、トム・ハンクス の魅力に迫ります。
トムといえば「サタデー・ナイト・クラブ」や『ビッグ』などのコメディアンとしてブレイク。ウイットに富んだ話し方には定評があり、1988年の『ビッグ』では、大人に変身してしまった少年役をユーモアたっぷりに演じてみせ、ハリウッドでブレイクを果たしました。
そしてトムは『フィラデルフィア』『フォレスト・ガンプ/一期一会』 でアカデミー賞2年連続受賞という快挙を成し遂げた、演技派としても知られています。ベトナム戦争やさまざまな人間との出会いや別れを通して成長していくヒューマンストーリー『フォレスト・ガンプ/一期一会』 では、人を引き付ける不思議な魅力を持つフォレストを見事に演じてみせました。そんな風変わりな青年フォレストとはがらりと変わった『フィラデルフィア』では、エイズに侵される弁護士を熱演し、16キロという減量もしたそう。
そう、この『フィラデルフィア』のほかでも、スクリーンで見るごとに雰囲気や体形が毎回違うトム。レオナルド・ディカプリオ と共演した『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』 では中年のFBI捜査官を、コーエン兄弟監督作『レディ・キラーズ』 では、小太りの詐欺師を、『キャスト・アウェイ』 では、無人島に取り残された男の4年間を追い、25キロの減量に成功。自身も極限状態まで追い込まれたんだとか。演技のみならず、体作りも怠らないストイックさが演技派俳優としての地位を確立したのでしょう。
最新作『幸せの教室』 では、これまでの役柄とはがらりと変わり、バツイチで会社をリストラされるごく普通の中年男を演じたトム。シャツをパンツインして、バッグも髪型もイケてない本当に「普通」というトムもある意味新鮮かも?
見た目からして、決してハンサムではないトム。しかし、これまでにメグ・ライアン 、ジュリア・ロバーツ 、ロビン・ライト 、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ 、オドレイ・トトゥ 、ヘレン・ハント 、サンドラ・ブロック などなど数々の有名女優との共演を果たしています。
とくに彼のラブロマンスで記憶に残るのは、結婚を目前にしながらも幸せに迷うキャリアウーマンと、愛する妻に先立たれたシングルファーザーの運命的な恋を描いた、ハートフルな恋愛ドラマ『めぐり逢えたら』でのメグ・ライアン との共演。この二人の共演は日本でも「お似合いカップル」として話題になり、続く共演作『ユー・ガット・メール』もヒットを記録しました。
最新作『幸せの教室』 では、『チャーリー・ウィルソンズ・ウォー』 以来のジュリア・ロバーツとの共演を果たしています。前作は議員と富豪という関係だったのに対し、今回は大学に編入した中年生徒と、日常生活に不満を持つ女教師という設定。トムが絶大な信頼を置いているというジュリア。今回の役も、トム自身がジュリアにオファーしたんだとか。大人の男と女の、ラブストーリーも必見です。
トムが出演する作品は、決まって大物監督がついています。『ターミナル』 『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』 『プライベート・ライアン』 などの、スティーヴン・スピルバーグ 。『アポロ13』『天使と悪魔』 などのロン・ハワード 。『フォレスト・ガンプ/一期一会』 『キャスト・アウェイ』 のロバート・ゼメキス などなど……。トムの演技力と人柄を買ってというのは言うまでもないでしょう。
そのせいあってか、近年のトムは俳優業だけでなく監督やプロデュース業に意欲的。ドラマでは、「フロム・ジ・アース [人類、月に立つ]」や、日本でも話題になった戦争ドラマ「バンド・オブ・ブラザース」で監督&脚本&製作総指揮を務め、映画では、実は『ポーラー・エクスプレス』 やメリル・ストリープ 主演の『マンマ・ミーア!』 などで、プロデューサーとしても活躍しています。
実はトム、この『幸せの教室』 が初の監督作というわけではないのです。彼の初監督作は、1996年の『すべてをあなたに』。1960年代を舞台にした、ロック・バンドの青春ストーリーで、リヴ・タイラー も出演しています。トムは監督以外に、脚本、出演だけでなく、オリジナル曲の作成にまで熱を入れたそう。
そして今回が監督第2作となった『幸せの教室』 。トムらしい、ユーモアがちりばめられた青春&恋愛ドラマに仕上がっていますが、本作を制作するに当たって、トムのある思いがあったそう。それは冒頭で、トム演じる主人公がリストラされるシーン。理由は「大学を卒業していないから」というもの。そこで主人公は大学に入学するというストーリーになるのですが、実はトム自身も高校卒業後、短期大学へ進み、そこでの体験に衝撃を受けたそう。そんなトムのキャンパス・ライフから生まれたのが本作でした。本作には、厳しい現実だからこそ、前に進まなければならないというトムのメッセージが込められています。
先日、ブロードウェイデビューも決まったり、映画『メリー・ポピンズ』の製作秘話を描いた作品で、ウォルト・ディズニー役の候補に挙がったり、ロバート・ラングドン教授シリーズの第3弾となる映画『ザ・ロスト・シンボル(原題) / The Lost Symbol』も始動したりと、大忙しのトム。俳優として、監督として、今後の活躍もますます楽しみです。
映画『幸せの教室』は5月11日より全国公開
監督第2作『幸せの教室』でジュリア・ロバーツと再び共演!
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文・構成:シネマトゥデイ編集部 山本ゆみ
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