どこからともなくイケメン王子さまが現れ、めでたく結婚! 末長く幸せに暮らすというプリンセス・ストーリーは女子永遠の憧れではないだろうか。今回はそんな女子必見の「お姫さま映画」を王道からカルト作品まで一挙紹介!
童話「シンデレラ」を『アンナと王様』 のアンディ・テナント 監督が、ロマコメの女王ドリュー・バリモア を主演に据えてパワフルにアレンジ。誰もが知るこの物語を実話だったという設定に変え、魔法やカボチャの馬車などマジカルな要素は皆無ながらもファンタジックに描き出す。ちなみに、魔法使いに代わってシンデレラを導く役割は、彼女と同じ平民出身とされるレオナルド・ダ・ビンチが担っている。
本作のプリンセス・ダニエルはただただ不遇を耐える「シンデレラ」とは違い、義理の姉がダニエルの死んだ親のことを侮辱すればグーで殴りつけ、世間知らずのプリンスには喝を食らわせ、自らのピンチにもプリンスの救助を待つことなく脱出する、という男勝りのお姫さま。そんな自立心あふれる女性ながら、プリンスの言葉に一喜一憂するいじらしい一面もあり、ドリューのくるくる変わる表情と相まってとても魅力的な存在として描かれている。魔法使いが自分を変えてくれるのをただ待つだけでなく、自ら運命を切り開いていく彼女の姿に共感を覚える現代女性は多いだろう。
『エバー・アフター』(DVD)発売中
価格:1,490円(税込み)
販売元:20世紀フォックス ホーム エンターテイメント ジャパン
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ディズニーの記念すべき長編アニメーション50作目として製作されたのが、
「髪長姫」の呼称で知られるグリム童話のヒロイン・ラプンツェルを主人公にしたファンタジー・アドベンチャー。『トイ・ストーリー』シリーズ のジョン・ラセター が製作総指揮を務め、手描きアニメーションの温かみを最先端のCGで表現するなどディズニーの「伝統」と「新しさ」を見事に融合させた。
本作のプリンセス・ラプンツェルは、自由自在に操れる驚くほど長い“魔法の髪”を持つ女の子。18年間塔の外に出たことがなかった彼女が、新しい世界に踏み出し本当の自分を見つけようと奮闘する姿は応援せずにはいられない。また彼女はディズニーのプリンセスらしく、歌って、歌って、歌う! 本作の音楽を担当しているのは、『アラジン』の「ホール・ニュー・ワールド」などで合計八つのアカデミー賞を受賞しているアラン・メンケン というだけありミュージカル・シーンの出来は特筆すべきもの。お姫さま気分でうっとりできること請け合いだ。
『塔の上のラプンツェル』(DVD)発売中
価格:3,360円(税込み)
販売元:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン
(C)Disney
日本ではあまりポピュラーではないが、海外ではカルト的な人気を誇っており、「プリンセス映画はちょっと……」という世の荒波にもまれ純粋な心を忘れてしまった女子たちにもお薦めしたいのがこちら。ウィリアム・ゴールドマン の著書「プリンセス・ブライド」を『スタンド・バイ・ミー』 のロブ・ライナー 監督が映画化した本作は、風邪をひいた孫に祖父がおとぎ話を読んであげる現実世界のパートと、中世のアドベンチャーパートが交互に展開される。
本作のプリンセス・キンポウゲは、農家の青年に対し上から目線で命令ばかり。しかし彼(金髪へき眼のイギリス男子!)はそんな彼女に対し、いつだって「As you wish.(仰せの通りに)」という言葉で愛を表現。さらに極悪なプリンスに結婚を迫られても、彼がお城に乗り込んできて救い出してくれるという、女子なら一度は憧れるシチュエーションを堪能できる。それと同時に、物語を中断させ「このシーンいるのかよ!」とキスシーンのカットを要求する現実世界の子どもや、キャラの濃すぎる登場人物たち、プリンセスの救出に現れるも訳あって首が据わっていない青年など、甘いだけのおとぎ話とは一線を画すハチャメチャなストーリーに爆笑間違いなしだ。
プリンセスを演じるのは、本作で映画デビューを果たした、ショーン・ペン の元妻ロビン・ライト 。近年では『ドラゴン・タトゥーの女』 のエリカ・ベルジェ役などできるいい女を演じている彼女の、初々しい姿が印象的。また、今は亡き「刑事コロンボ」のピーター・フォーク さん演じる祖父は絶品の一言。彼がアドベンチャーパートの「仰せの通りに」という言葉を、現実世界で効果的に使っている点にぜひ注目してほしい。
「プリンセス・ブライド・ストーリー ―デジタル・レストア・バージョン―」(DVD)発売中
価格:1,890円(税込み)
発売元・販売元:角川書店
(C)1987 THE PRINCESS BRIDE LIMITED.
そして6月15日から公開されているのが、『アリス・イン・ワンダーランド』 のスタッフが手掛けたアクション・アドベンチャー大作『スノーホワイト』 。ディズニーが長編アニメ第1作の題材に選んだことでも有名なグリム童話「白雪姫」を、新進気鋭のルパート・サンダーズ 監督が大胆にアレンジしている。
クリステン・スチュワート 演じるスノーホワイトは、外見だけでなく心まで清らかで美しいというザ・プリンセス! しかし “アクション・アドベンチャー”とうたわれているだけあってそのままでは終わらない。ドレスを脱ぎ捨て、甲冑(かっちゅう)をまとい、愛らしいだけのプリンセスからりりしく変貌を遂げていく姿には誰もが夢中になるだろう。
そんなスノーホワイトと対立する存在として描かれているのが、シャーリーズ・セロン 演じる邪悪な女王。シャーリーズは自身の役柄について「自分の外見だけにとらわれて生きると、とても悲しく空っぽな人間になってしまうということを女性たちに伝える役目を果たしていると思うの」とコメントしているが、まさにその通り。プリンセスがプリンセスたるゆえんは、心の美しさ! 派手なアクションに目が向きがちだが、そんなことにも気付かせてくれる作品に仕上がっている。
映画『スノーホワイト』 はTOHOシネマズ 日劇ほかにて公開中
りんごは食べちゃだめなのに……
甲冑(かっちゅう)をまとっていざ出陣!
美に取りつかれた悲しき女王
(C) 2012 UNIVERSAL STUDIOS. All Rights Reserved.
文・構成:シネマトゥデイ編集部 市川遥
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