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映画館へ行こう!最先端の劇場設備をご紹介!

今週のクローズアップ

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今週のクローズアップ 映画館へ行こう!最先端の劇場設備をご紹介!

 直近1年以内に映画館で映画鑑賞をした人は全体の5割弱というショッキングな調査結果(gooリサーチ)も発表されるなど、近年深刻化している映画館離れ。しかし映画館で観る映画は一味も二味も違う! しかも最近の劇場の進化は目覚ましい! ということで、最先端の技術を駆使した映画館をご紹介。
【IMAX】成田HUMAX シネマズ IMAXデジタルシアター

 「IMAXデジタルシアター」はカナダIMAX社が開発した上映システム。床から天井までいっぱいに広がる巨大なスクリーンが特徴で、デジタルデータを用いた高画質映像と独自のサラウンドシステムにより、まるで映画の中にいるような臨場感が味わえる。また、2台のプロジェクターを用いることで明るくクリアな映像を実現しているため3Dメガネの暗さにわずらわされることもなく、3D作品においてそのポテンシャルを最大限に発揮するといえる。

 そして今年5月、成田HUMAX シネマズにオープンしたのが、日本で初めてとなる単独棟のIMAXデジタルシアターだ。シネコン内の既存のスクリーンを改修した従来のものとは異なり、3階建て相当の建物をIMAXデジタルシアター専用として建設。日本にあるIMAXデジタルシアターでは最大級のスクリーンサイズとなっている。

 また、IMAXの特徴といえるのがIMAXでしか観ることのできない映像があるという点。本格長編映画としては初めてIMAXカメラを用いたクリストファー・ノーラン監督の『ダークナイト』を筆頭に、マイケル・ベイ監督の『トランスフォーマー/リベンジ』トム・クルーズ主演の『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』などの大作がIMAXカメラで撮影されたシーンを含んでおり、該当シーンになるとIMAXシアターでは上下に画面サイズが広がり、大迫力の映像体験ができる。ちなみに、現在公開中の『ダークナイト ライジング』では前作『ダークナイト』の2倍に近い1時間を超えるシーンがIMAXカメラで撮影されている。

 

2台のプロジェクターを用いるIMAXデジタルシアター

成田HUMAX シネマズIMAXデジタルシアター内
(C)クリエイティブスタジオ・カワカミ 川上 明

成田HUMAX シネマズ外観
【imm sound】シネマサンシャイン平和島imm 3D soundシアター

 「imm sound」は、スペインのimm sound社が7年という歳月をかけて開発した次世代型音響システム。従来の映画音響が客席の前後左右を平面的にカバーする2Dサウンドだったのに対し、imm soundでは観客を取り囲むように天井を含む劇場全体にスピーカーを配置して3次元サウンドスケープを忠実に再現。Immersive(没入型の、夢中にさせる)という英単語から取った「imm」の名に恥じない、圧倒的なリアリティーを「音」で実現した。

 そして、このシステムを日本で初めて導入したのが6月30日にオープンしたシネマサンシャイン平和島imm 3D soundシアターだ。同シアターでは、天井の16台を含む全51台のスピーカーを観客を取り囲むように設置。大音量のシーンが迫力満点なのはもちろんのこと、シアター内いっぱいに広げた音を再び一点に集約させる際の緊張感は群を抜いたものがあり、静と動をうまく使った作品を鑑賞するにはぴったりの環境といえる。

 imm 3D soundシアターは、ステレオ(2ch)、5.1ch、7.1chといった従来のオーディオフォーマットで作られたコンテンツを3D化することも可能だが、その実力を最大限に発揮するのはimm soundをポストプロダクションから使用した作品においてだろう。初めて同システムを用いた作品は『ジ・インポッシブル(原題) / The Impossible』(全米公開12月予定)。『永遠のこどもたち』フアン・アントニオ・バヨナ監督がメガホンを取り、ユアン・マクレガーナオミ・ワッツを迎えて描く、2004年12月に起きたスマトラ沖地震をモチーフにした作品となっている。

 
シネマサンシャイン平和島imm 3D soundシアターのスピーカー配置図
シアター内
スクリーン裏のスピーカー
シアターの天井に設置されたスピーカー
シアター側面のスピーカー
【ドルビーアトモス】

 最後に、日本の劇場導入は未定ながら全世界20の商業スクリーンに設備され、次世代の音響技術として注目されているドルビーラボラトリーズ(以下ドルビー)が開発した「ドルビーアトモス」をご紹介。ドルビーは今年6月、アカデミー賞授賞式会場ドルビー・シアターに同システムを導入したほか、7月にはライバル会社imm soundを買収したことでも話題を集めている。

 ドルビーアトモスとimm soundには、スクリーン裏のスピーカー配置、天井スピーカーの配置、サイドサラウンドの配置が異なっているという違いがあるものの、技術的にはどちらもオブジェクトべースのもので類似性がある。今回の買収で、新時代の音響システムがより早く普及することになりそうだ。ドルビーアトモスを初めて採用した作品はディズニー/ピクサーの『メリダとおそろしの森』。日本では残念ながら、同作のドルビーアトモスでの公開はなかったが、同フォーマットを使用した作品がハリウッドで年内3、4作品、香港で2、3作品予定されているというので期待したい。

「ドルビーアトモス」イメージ画像

文・構成:シネマトゥデイ 市川遥

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