第45回 日本でもブレイク必至の海外ドラマ 全米ではこのテレビドラマがヒートアップ中!
LA発! ハリウッド・コンフィデンシャル
LA発!ハリウッドコンフィデンシャル
日本でもブレイク必至の海外ドラマ 全米ではこのテレビドラマがヒートアップ中!
いよいよ9月! アメリカでは新学期が始まるとともにテレビ界でも新シーズンの開幕。米国では人気のないテレビ番組はシーズン途中だろうがストーリーが完結してなかろうが、バッサバッサと切られて2~3週後には新番組に取って代わられてしまうんです。だからそんな中でも、高視聴率を取って生き残っている番組はかなりのもの。今月のハリコンは激烈な視聴率バトルを勝ち抜いて2シーズン目に突入し、快調に飛ばしている大人気テレビドラマ2本を「男子にオススメ系」「女子にオススメ系」として先取り紹介します!
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全米ベストセラーにもなったジョージ・R・ R・マーティン原作の同名ファンタジー長編小説シリーズをベースにHBO(放送局)がドラマ化した壮大なファンタジー・アドベンチャードラマ。 七つの国(=セブン・キングダム)を舞台に、国を支配するための王位をめぐって激しいバトルが繰り広げられます。野望の裏にひそむ登場人物たちの愛憎、姿を見せない恐ろしいモンスターたちの脅威と、劇場映画も顔負けの壮大なスケールで物語が展開します。
この番組が高い評価を得ている理由の一つは緻密に練られたストーリーにあります。極寒の地ウィンターフェルの統治を任されているネッド・スタークとその一族、ネッドの幼なじみで現在は王のロバート、王の後妻で腹黒いサーセイ妃、そして自分の一族で王国を乗っ取ろうと企むラニスター家と、他にも多くの重要キャラがいるのですが、ひとまずこれらの登場人物がシーズン1の中心キャラクターとなります。
世襲制ではなく、力ずくで(あるいは政治作戦で)王座を勝ち取った者がキングになるという乱世を描いていて、王を取り巻く者の中でも誰が信用できる人物なのか、たくさんのキャラクターたちがどう絡み合っているのかなど、視聴者にも非常に頭を使わせる内容です。一緒に観てている友達やオンライン仲間たちと議論するのもこのドラマのツウな(オタクな!?)楽しみ方となっています。
首がスパーン! 血がドバッ! というような壮絶バトルシーンや「えーっ! ここまで見せるの!?」というベッドシーン、そして極め付けは妃(きさき)とその双子の兄との禁じられた関係というショッキングな設定で一般視聴者からは「過激すぎる!」という声も多い、その描写。このような描写はグラフィックノベル(=通常、大人の読者を対象としたコミックを指す)や「ダンジョンズ&ドラゴンズ」のようなロールプレイングゲームをほうふつさせます。多くの「ゲーム・オブ・スローンズ」ファンはこうした要素を楽しみつつ、ファンタジーの世界に引き込まれていくのです。
番組もう一つの魅力は、番組のクオリティーに深みを与えている壮大なロケ地の数々です。ドラマに登場する七つの王国はそれぞれ独特で、その撮影場所には北アイルランドをはじめ、クロアチア、マルタ、モロッコ、アイスランドといった国々が選ばれ、ドラマ全体に厚みを与えています。
というわけで男子オススメ系ドラマとしてご紹介した「ゲーム・オブ・スローンズ」ですが女子ファンも多数おり、わたしもその一人です。エピソード1を観たら2、3、4……とドンドン引き込まれてしまって、あっという間にオール10話を制覇。この番組の魅力はスゴいです。
2011年10月にNBC系で開始され、今年2シーズン目を迎えたファンタジー刑事ドラマ。主人公の青年ニックはオレゴン州の田舎町の刑事で、育ての親だった叔母が何者かに殺されたときから、不思議な透視能力が生まれます。何と人間のふりをして社会に紛れ込んでいるクリーチャー(=モンスター)の素顔が見えるようになったのです。やがて自分がクリーチャー退治の本家でドイツから渡ってきたグリム家の末えいであることを知るニック。彼の叔母が亡くなったことで自分にその役目が回ってきたわけです。しかし誰にも相談できない秘密にニックは困惑。そんな折、周囲で謎の殺人事件が多発し始め、ニックの相棒や愛するガールフレンド、そして自身も危険に見舞われるようになります。
「グリム」の魅力であるヒーロー、ニックを演じるのはデヴィッド・ジュントーリ。2003年にバーでMTVのエグゼクティブにスカウトされたというイケメン度100%の男子。MTVの番組や人気ドラマ「グレイズ・アナトミー」などのゲスト出演を経て「グリム」のニック役を手にしました。正統派ハンサム系、まさにおとぎ話の王子様! という感じ。刑事役も板についてきて、その頼れる雰囲気も女子にはグッと来ます。(かなり私情入ってます!?)
この番組のもう一つの魅力は毎回登場するクリーチャーたち。グリム童話からヒントを得た怪物はエピソードごとに変わるので、毎週とても楽しみ。人を襲う悪者クリーチャーが中心ですが、無害で内気なクリーチャーもいます。普段は家屋修理などをしている世話焼きオジサンが実はビーバーのクリーチャーだったり、薬草屋のお姉さんがキツネのクリーチャーだったり。また、演じる俳優さんたちも何となくそのクリーチャーを想像させる容貌で思わず「なるほど~!」と笑ってしまいます。
わたしが一番好きなクリーチャーは、ニックの親友で実はオオカミ男というモンローです。人食いから足を洗った今は菜食主義に転換。本来ならモンローは、グリムであるニックとは宿敵の関係ですが、善人クリーチャーになって何かとニックを助ける準ヒーロー的存在です。ちょっと抜けてるモンローのキャラクターはダークなストーリーの中で息抜き的存在。こういったユーモアあるキャラや筋書きが「グリム」ファンにはたまらない魅力となっています。民放局で放映されている番組の中で、わたしが今一番好きなドラマで超オススメです。
さて、駆け足で先取り海外ドラマ2本をご紹介しましたが、いかがでしたか? これからハリコンで紹介してほしいアメリカの番組やテレビ俳優がいたら、わたしのツイッターアドレスまでリクエストくださいね。ではまた次回お会いしましょう!
(取材・文 明美・トスト / Addie・Akemi・Tosto)
高校留学以来ロサンゼルスに在住し、CMやハリウッド映画の製作助手を経て現在に至る。アカデミー賞のレポートや全米ボックスオフィス考など、Yahoo! Japan、シネマトゥデイなどの媒体で執筆中。全米映画協会(MPAA)公認のフォト・ジャーナリスト。
ツイッターもよろしく!→@akemi_k_tosto
とにかく「ゲーム・オブ・スローンズ」にハマってしまった。こんなはずではなかったのにダンナと共にその魔力にまんまと引き込まれた。今朝、わたしたちの会話はのっけから「ゲーム・オブ・スローンズいつ観ようか?」でした。(^^;)>”