アカデミー賞5部門ノミネート!監督タランティーノの映画人魂がここに!~究極のタランティーノ印はコレだ!~
鬼才クエンティン・タランティーノの新たな代表作にして、最高傑作と呼ぶにふさわしい「究極の衝撃作」が誕生した! その名は『ジャンゴ 繋がれざる者』。私的な映画愛や過激なバイオレンスを満載した娯楽大作でありながら批評家筋にも絶賛され、作品賞など5部門にノミネートされたアカデミー賞レースでもダークホース的な存在感を発揮している本作は、19世紀アメリカの奴隷制を題材にし、西部劇の独特の雰囲気をも盛り込んだ、今まで誰も観たことがない斬新なドラマが展開される。痛快な復讐劇でありながらも、監督自身が「これはラブストーリーだ」と語る本作は、全ての映画ファンが待ち望んだ究極のタランティーノ映画となった。
カリフォルニア、ワイオミング、ルイジアナなど大掛かりなロケーションも見もの
アメリカ史上の汚点である「奴隷制」という硬派なテーマを、マカロニ・ウエスタンの特異なスタイルで料理する発想は、まさにタランティーノならではの斬新さ。元奴隷の黒人ガンマンが、傲慢な白人たちを次々とあの世に葬っていく前代未聞の復讐劇が観る者のド肝を抜く一方、最愛の妻を捜し求める主人公のラブストーリーが切ない情感をかき立てる。ずば抜けた意外性と絶妙なバランス感覚が共存する脚本は、タランティーノの成熟をも感じさせ、見事ゴールデン・グローブ賞に輝いた。
麗しのレオ様が、ドSでシスコンの農場主を喜々として怪演。キレた形相にビビります!
タランティーノ作品の強烈な個性を象徴するキャラクター&キャストは、今回もとびきり異彩を放っている。奴隷からスゴ腕ガンマンへと劇的な変ぼうを遂げる主人公ジャンゴと、彼の妻捜しを後押しする元歯科医のドイツ人の賞金稼ぎ、シュルツを演じるのは、共にオスカー俳優のジェイミー・フォックスとクリストフ・ヴァルツ。さらに初の本格的な悪役に挑んだレオナルド・ディカプリオが、フランスかぶれの農場主カルビンに扮し、愛すべきレオ様のイメージを覆す残忍な怪演を見せつける。
主人公の怒りが爆発するクライマックスは、銃弾の雨のオンパレードで血まみれ上等!
マカロニ・ウエスタン(イタリア製西部劇)の売り物は、本家のハリウッド西部劇ではありえないアクロバティックかつ血まみれのバイオレンス描写だ。袖口に忍ばせた隠し銃が突然火を噴くガンプレイなど、タランティーノのマニアックにして濃厚なマカロニ愛がサプライズ感たっぷりのスリルを呼び起こす。静かな「間」を巧みに生かした銃撃アクションの呼吸も抜群で、クライマックスには前作『イングロリアス・バスターズ』を彷彿(ほうふつ)させる壮大な爆破スペクタクルも炸裂する。