第63回『千年の愉楽』瀧口亮二
イケメン発掘調査隊
イケメン調査隊Vol.63
故・若松監督に直談判して、役をゲットした一本気!ワイルドな男気イケメン
<インタビュー>
Q:本作は俳優として出演するだけでなく、助監督として参加されていますね。
これには説明が必要ですね(笑)。僕はもともと原田芳雄さんが憧れでして、亡くなられたときに僕の心にポッカリと穴が空いてしまったんです。その原田さんが好きだったという中上健次さんの「千年の愉楽」が映画化されると聞いて、絶対に参加したいと思って。若松プロに電話したら偶然にも若松孝二監督本人が出て「おまえ、今頃電話しても遅いんだよ。アンテナが張れてないんだよ!」って断られちゃったんです。でも、諦めきれずに数日後「何でもいいからやらせてほしい」と電話したら「事務所に来い」って言われたんです。実際に監督にお会いしたら、「おまえ、助監督もやれ」「現場の手伝いもやれ」って。そして、プロデューサーに「こいつに役をやってくれ」と。それで決まりました(笑)。
Q:若松監督に直談判して、役をゲットしたんですね。
そうです。プロフィールも持っていったんですが、全然目も通さずに一言二言しゃべって決まりました(笑)。聞かれたのは、「車の運転、できるか?」ぐらいだったかな(笑)。
Q:若松組の印象はいかがでしたか?
僕は他の方と比較できるほど、映画の出演経験がありませんが、若松組の現場は20人ぐらいしかスタッフがいなくて、1シーン1シーン、監督が納得するシーンを撮れるようにするために、全員が集中してピリピリしている。皆さん仕事に対して、真っすぐなんです。みんなが同じ音を聞き、同じ空気を感じて仕事をしているから、濃密な現場でしたね。撮影は11月から半ばぐらいまで、僕は助監督として入ったので、その前の撮影に入る前の準備など10月から関わりました。現場では俳優の送り迎えや、インコの世話、仕込み、掃除片付け、機材の運搬、時にはカチンコも打ったり、小道具も作ったり……。その瞬間瞬間で、必要なことは何でもやりました。
Q:役どころは高良健吾さん演じる半蔵の仕事仲間の一人ですね。出演シーンの感想は?
芝居に対しては、もっと丁寧に会話をすればよかったとか、いろんな反省点はあります。監督はあまり細かい演出はされなかったけれど、半蔵の急を知らせるシーンでは、「もっと息を切らせてやるんだよ、バカヤロー」とか言われていましたね。監督の喝をもらうたびに、俳優としてのエネルギーが燃えて、とにかく無我夢中でやりました。
Q:寺島しのぶさん、佐野史郎さんらベテラン陣に加えて、高良さん、染谷将太さんなど同世代の役者さんとの現場で得たことは?
寺島しのぶさんは本当に穏やかというか、リラックスされていて、そのまま演技にすーっと入っていく。その集中力に驚きました。高良さんは誠実で、真面目。自分の役に対して、いちずにやっていて。若手の誰の演技がどうということより、とにかく、大いに刺激を受けたし、今後の励みになりました。
<一問一答>
Q:好きな映画を教えてください。
原田芳雄さんの『大鹿村騒動記』に、高倉健さんの『八甲田山』。それから、ドキュメンタリー映画『水になった村』という作品が好きですね。ダム建設のために村が水没してしまうまでの15年間を追った作品で、とても印象に残っています。
Q:特技がそば打ちと、和菓子作りって聞きましたが、ホント?
ホントです。そば打ちは、一時田舎暮らしをしたいと思ったことがあって、そのときに、そば打ちを習いました。和菓子は、以前祖父が和菓子屋を営んでいたので、見よう見まねで作っていました。ようかんに水ようかん、普通に和菓子屋で売っているものなら、ヘタだけど作れます(笑)。求肥(ぎゅうひ)や練り切りも作れるので、近しい友人にはあげたりしています。得意なもの……うーん、茶通かな。簡単なんです。
Q:スイーツ男子なんですね。
そうですね。お酒はたしなむ程度。つまみは好きなんですけどね、塩辛、キムチとか。でも、スイーツかな……。それもあんみつとか、和菓子が好きですね。
Q:役者になりたいと思ったのは?
中学・高校の頃、カッコつけたりして、本当の自分が何なのかわからなくなって、もんもんとしたことがあったんです。田舎に帰って、ちょっと引きこもった時期もあって、その頃に役者の思いがふつふつと浮かんで、自分の中にたまっている思いを演技で表現できるんじゃないかと思ったんです。その一方で、仏教にも興味もがあって、坊さんになろうかと思ったり(笑)。いろいろと考えていましたね。
Q:好きな女性のタイプ
諦めない人がいいですね、自分に対してでも、何かに対してでも。頑張っている人がいいですね。
Q:気になる女性のしぐさは?
ふとしたときに、ちゃめっ気がのぞいたり、すごーくきちんとしている人だと思っていたら、ドジなところが見えたり。ギャップにドキッとしますね。
Q:初恋は?
保育園で同じ年の子です。今も覚えています。
Q:好きになったら、どうなりますか?
自分からガンガンいきます。高校時代ですか? 全然モテなかったですよ。その頃って、不良っぽい子がモテるじゃないですか。僕は丸刈りで、サッカーひと筋でした(笑)。
Q:今後、役者としての目標は?
若松監督に恥じることのないよう、「心」で、一つ一つの仕事と向き合っていきたいです。欲を言えば、原田さん、高倉さんのような俳優になりたいですね。男くさくて、人間くさい。一本筋の通った男を演じられる俳優になれるよう頑張りたいと思っています。
取材・文:前田かおり 写真:吉岡希鼓斗
生年月日 :1984年7月18日
出 身 :栃木県
身 長 :178cm
血液型 :A型
趣 味 :サッカー
特 技 :そば打ち、和菓子作り
芸歴:
2006年、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督の『バベル』
に出演。ほか『ラーメンガール』やテレビ、CMなどで活躍する。本作では出演兼助監督を務めている。待機作に『図書館戦争』、『奇跡のリンゴ』が控え、田中泯主演映画『始まりも終わりもない』では助監督として参加。
<映画>
■2006年
『バベル』
■2008年
『ラーメンガール』
■2013年
『千年の愉楽』
『図書館戦争』
『奇跡のリンゴ』
<ファンレター宛先>
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