第1回:ウーマンラッシュアワーの『ハッシュパピー ~バスタブ島の少女~』談義
映画たて・よこ・ななめ見!
4月に念願の東京進出を果たしたウーマンラッシュアワーの二人が新連載を開始! ジブリで宮崎駿監督の出待ちをしちゃうほど映画大好きな村本大輔と、映画に関しては素人同然の中川パラダイスが、あらゆる角度からブッ飛んだ視点で映画トークしちゃいます。今回は『ハッシュパピー ~バスタブ島の少女~』をご紹介!(取材・文:シネマトゥデイ編集部 森田真帆)
村本大輔(以下、村本):セリフがいちいちぶっ飛んでてすごいんですよ。登場するセリフを使って女の子口説いたら、うまくいくかもしれません。まさに人生に役に立つ映画! この映画を観ればモテモテになるハズ。
中川パラダイス(以下、中川):確かに、出てくるセリフ全てが深かった! モテモテのためには何使うん?
村本:例えば、「僕は君のことが好きすぎて頭がおかしくなりそうなんだ。そういうときはチキンビスケットの紙袋の匂いをかいで自分を保つことにするよ」とかな。そんでパピーちゃんみたいに女の子が「わたしもかぎたい!」って言ったら、「君はまだ大丈夫さ」って。何か意味わからんけど、おしゃれやん。
中川:じゃあ僕も、うちの子に「お母さんはコンロに手をかざすだけで火を付けられるほど魅力的なんだよ。目と目が合っているだけで幸せだったよ」って言うわ。
村本:そうそう、「ワニを撃ち殺して、その4分後に君が生まれた」って言ってみ! かっこよすぎやろ。ようわからんけど!
村本:パピーちゃんのお父さんは、うちの親父とダブったね。
中川:あの人びっくりするくらいワイルドやで! みんなで楽しくカニ食べてるのに、「パピー! カニの食べ方があかん!」ってめっちゃキレてたし。
村本:そうそう。上機嫌かと思っていたらいきなり怒るでしょ? うちの和彦(父親)もそう。
中川:そうやったっけ?
村本:こないだ大阪ラストライブの打ち上げしてたら、親父から電話があって、すごい上機嫌で「いま、キャバクラおんねんけど、おまえのことが好きな女の子がおるから、話したれ」って言われて。「打ち上げ中やから後で……」って言った瞬間に、「もうええ!」ってめっちゃキレられたわ。
中川:そらいきなりやな。
村本:しかもな、うちの親父も釣りが好きでよくカニとかとってきたんやけど、よう「カニの食べ方ちゃう!」って、叱られたわ。パピーと一緒やろ。多分、パピーちゃんの親父は、うちの親父がモデルやわ。でも俺が、親父のラーメンの食べ方を「ずるずる言わせんといて!」って言ったら馬乗りでボコボコに殴られたからね。ようわからん理由で怒られとったなあ。
中川:パピー父と一緒や。パピーちゃんのお父さんのキレどころも、ほんまわからんかった。それにしても、あのカニのシーン、めっちゃおいしそうやったなあ……。
村本:何と言ってもパピー父が、パピーちゃんに魚の捕り方を教えるとこ! かなり衝撃的な魚の捕り方をしていたからね。「おまえが一人で生きていけるようになるために、魚の捕り方を教えよう。まずは右手を水に入れる、魚を捕まえたらすぐに殴るんだ! ガーーーー!」って魚を殴る。僕は水産高校中退だけど、釣ざおで釣るという常識を覆されたわ。ぜひ水産高校の新しい教科に取り入れてほしい。
中川:それにしても水に手を入れたら、魚って来るんやな。それもえげつないほどでっかいの捕ってた! でもパピーちゃん、魚殴った後に「痛いっ!」ってめっちゃダメージ受けてたよな? めっちゃ怖かったわ……。あれ、何で痛いん?
村本:魚にはトゲとか、いろんなんが生えているからね。でもパピーちゃん、最強やから、「痛いっ!」って言った後に、魚ボッコボコにしとったやん。パピーちゃんのメンタルの強さにも脱帽です!
村本:荒くれ者のパピーちゃんのファッションは、とってもかわいかったね。ジーンズの短パンに長靴がおしゃれで。僕も今年の夏はパピーちゃんと同じスタイルで「ハッシュムピーちゃん」になります!
『ハッシュパピー ~バスタブ島の少女~』
現代社会から隔離されたバスタブと呼ばれる島に生きる少女が、さまざまな困難を乗り越えながら力強く生きていく姿を描き、カンヌ映画祭やサンダンス映画祭で高い評価を受けた作品。ヒロインの少女ハッシュパピーを演じたクヮヴェンジャネ・ウォレスは、最年少となるアカデミー賞主演女優賞にノミネート。監督のベン・ザイトリンも、長編デビュー作にしてアカデミー賞監督賞にノミネートされた。
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2008年に結成された、村本大輔と中川パラダイスによるお笑いコンビ。2011年「ABCお笑い新人グランプリ」最優秀新人賞受賞、2012年「THE MANZAI 2012」決勝進出、2013年NHK上方漫才コンテスト優勝など数々の賞に輝き、4月に東京進出を果たした。
1980年生まれ。福井県出身。自分でも「ネットに書き込まれるうわさはほとんどが事実です!」と認めている、自称・ゲス野郎芸人。だがその一方で、ジブリ作品やピクサーなどの心温まるアニメが大好きで、映画『あなたへ』で号泣するほどのピュアな一面も持ち合わせる大の映画好き。水産高校に通っていたため(中退)、お魚系や海洋ネタにも意外に詳しい。
1981年生まれ。大阪府出身。これまで10回もコンビ解散している村本と唯一トラブルもなくコンビを続けている広い心の持ち主。2012年に入籍し、現在1児の子育てを満喫中のイクメンパパでもある。映画に関しては、「王道なものしか観ない」というフツーレベル。