第5回:ウーマンラッシュアワーが『モンスターズ・ユニバーシティ』の監督に突撃取材!
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関西からやって来た人気お笑いコンビ・ウーマンラッシュアワーの連載第5回をお届け! 映画大好きな村本大輔と、映画に関しては素人同然の中川パラダイスが、あらゆる角度からブッ飛んだ視点で映画トークしちゃいます。今回はスペシャル企画として、映画『モンスターズ・ユニバーシティ』のダン・スカンロン監督に突撃インタビュー。長編から短編まで、あらゆるピクサー作品をiPodに入れて持ち歩くほどのピクサー好きを公言する村本の愛は、監督に届くのでしょうか?(取材:ウーマンラッシュアワー/構成・文:シネマトゥデイ編集部 森田真帆)
村本:「モンスターズ・ユニバーシティ」って何かに似ていると思ったら、お笑いの養成学校にめっちゃ似ていたんです。彼らは怖がらせることを勉強したけど、僕らは笑わせることを勉強したという。出てくるモンスターも、同期の芸人でこんなやつおったわ~とか、どこか懐かしい。ああいうキャラクターたちはどのように考えたのでしょう?
スカンロン監督:実は、僕の大学時代の友人たちをモデルにしているんだよ。大学時代を思い返して「ああ、こういうやついたよな!」って人をモンスター化する。そんなふうに、何となく自分の青春時代を思い出して、みんなに共感してもらえるように心掛けて作っていたんだ。
村本:僕はめっちゃ性格悪いんですよ。だから、結構、狡猾(こうかつ)なランディに共感を覚えてしまったんですが、監督ご自身は誰に近いんですか?
スカンロン監督:マイクかな。大学時代は勉強ばかりしていて、パーティーとも無縁だったんだよ。だから今は、そのぶん思いきりはじけて遊んでいますよ。
村本:じゃあ今はサリーになっちゃったんですね!
中川:僕も村本も小さい頃からお笑い芸人に憧れて、この世界に入ったんです。だから、映画の中で描かれているマイクのひたむきな姿にとても感動しました。監督も、小さい頃からアニメの世界に憧れていたんですか?
スカンロン監督:そうだね。小さい頃から絵を描くことが大好きだった。アニメも映画も大好きで、何よりも面白いスケッチを描くことが好きだったんだよ。自分が好きだったことをそのまま仕事にできたというのは、本当にラッキーだったと思っているよ。
中川:マイクはずっと怖がらせ屋に憧れているけど、僕らは前作『モンスターズ・インク』で彼が厳密には怖がらせ屋ではないことを知っているわけで……。
スカンロン監督:そうなんだ。僕やお二人はたまたま自分の夢がそのまま仕事になってラッキーだったけど、マイクのようにどうしても実現できない人もいる。夢がかなわなくても、違う形で夢をかなえたり、もっとすてきな人生にすることだってできるということを伝えたかったんだ。
中川:だからこそ、共感できるんですね。お笑い芸人になれなくて、作家さんになる人もいるわけだし……。
スカンロン監督:お二人が通っていた学校もそうだと思うけど、みんなが同じ仕事を目指す学校って、「絶対になってやる」って自信満々で入るのに、入学したら周りはすごいやつばかりで自信をなくしちゃうんだよね。
村本&中川:僕らが所属している吉本興業っていう会社はすごく変わっているんですが、ピクサーはどんな会社なんですか?
スカンロン監督:ピクサーはチャレンジ精神のある人をものすごく応援してくれる会社なんです。僕もずっとピクサーにいますが、新しいことへのチャレンジをサポートしてくれるからこそ、いろいろなことを実現できるんです。
村本:僕らの吉本興業は給料の10分の9を持っていく会社なんですよ(注:村本さんのギャグです。事実ではありません)。移籍はできませんかね……。
スカンロン監督:そうなんですね……。
村本&中川:はい! ぜひ!
スカンロン監督:(笑)。
村本:ひとつ聞きたかったんですけど、マイクもサリーもオリジナル版はビリー・クリスタルとジョン・グッドマンという有名なコメディアンの方が声を担当していますね。日本語の吹き替え版も芸人さんが担当しているんですが、それには何か理由があるんですか?
スカンロン監督:これは僕個人の意見ですが、人を笑わせる演技というのは、泣かせたり、感動させる演技よりも難しいと思うんです。セリフ一つとっても、笑わせるというのは大変です。でもコメディアンの人たちは、言葉をどのように話せば人々を笑わせることができるか、子どもたちを楽しませられるのかというノウハウを知っている。だからマイクとサリーも、映画の中で一番大事な「ジョーク」をきっちり表現できる、アメリカで一番のコメディアンにお願いしているんです。
村本:もうおかしすぎて何回も爆笑してしまいました! そこで監督にお願いがあるんですが、僕はピクサーのアニメが大好きで、ピクサー作品との出会いによって自分の人生が変わった! って言えるくらい愛しているんです。もし、できれば僕らを声優として使ってもらえませんか?
スカンロン監督:自分の人生を変えたって言ってもらえるとは、本当に感激だよ! ありがとう。うん! きみのことはちゃんと覚えたから、考えておくよ(笑)!
『モンスターズ・ユニバーシティ』
ディズニー/ピクサーの代表作である、『モンスターズ・インク』のシリーズ第2弾にして前日譚(たん)。人間の子どもたちを怖がらせるのが仕事のモンスター、怖がらせ屋に憧れていたマイクの学生時代を描く。『カーズ』『トイ・ストーリー3』などに携わってきたダン・スカンロンが初めて長編アニメのメガホンを取る。
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2008年に結成された、村本大輔と中川パラダイスによるお笑いコンビ。2011年「ABCお笑い新人グランプリ」最優秀新人賞受賞、2012年「THE MANZAI 2012」決勝進出、2013年NHK上方漫才コンテスト優勝など数々の賞に輝き、4月に東京進出を果たした。
ウーマンラッシュアワー全国ツアー2013「DEEP KISS」
東京進出を果たしたウーマンラッシュアワーが早くも全国ツアーを開催!
バイトリーダーのネタを超える漫才を引っ提げて全国を行脚!
7/6 札幌公演
開場18:30 開演19:00
会場:札幌スクールオブミュージック専門学校/札幌放送芸術専門学校7F LS1
7/20 福岡公演
開場18:00 開演18:30
会場:イムズホール
8/3 大阪公演
開場13:00 開演13:30
会場:ABCホール
8/18 福井公演
開場18:00 開演18:30
会場:ハートピア春江 小ホール
8/24 名古屋公演
開場18:00 開演18:30
会場:今池ガスホール
8/31 仙台公演
開場18:30 開演19:00
会場:仙台市福祉プラザ・ふれあいホール
9/16 埼玉公演
開場18:30 開演19:00
会場:さいたま市民会館おおみや 小ホール
10/14 東京公演
開場19:00 開演19:30
会場:ルミネtheよしもと
1980年生まれ。福井県出身。自分でも「ネットに書き込まれるうわさはほとんどが事実です!」と認めている、自称・ゲス野郎芸人。だがその一方で、ジブリ作品やピクサーなどの心温まるアニメが大好きで、映画『あなたへ』で号泣するほどのピュアな一面も持ち合わせる大の映画好き。水産高校に通っていたため(中退)、お魚系や海洋ネタにも意外に詳しい。
1981年生まれ。大阪府出身。これまで10回もコンビ解散している村本と唯一トラブルもなくコンビを続けている広い心の持ち主。2012年に入籍し、現在1児の子育てを満喫中のイクメンパパでもある。映画に関しては、「王道なものしか観ない」というフツーレベル。