映画『清須会議』:豪華キャストから三谷監督へのメッセージ!
映画『ザ・マジックアワー』『ステキな金縛り』など数多くのヒット作を生み出してきた三谷幸喜監督が約17年ぶりに書き下ろした小説を映画化した『清須会議』がついに完成! 10月14日に行われた完成披露試写会に集結した総勢11名の豪華キャスト陣に、役柄への思い、そして三谷監督への温かい(?)メッセージをいただいてきました!(取材・文:森田真帆)
役所広司(柴田勝家)
Q:三谷監督が作り上げたキャラクターをどのように楽しまれましたか?
僕は以前、三谷監督に「愚かな役を演じさせると、本当に頭が悪そうに見える」って褒められたことがあったんです。だから、これでいけばいいんだなって自信を持って挑みました。真面目にやっているんだけどすっかり空回りしてしまうという役を演じるのはとても楽しかったです。勝家は単純かつ正直な男で、うそをついてもすぐにバレてしまう。それとお市様への純粋な恋心はかわいらしいですよね。あんなにもあからさまに嫌な顔をしているのに気が付かないんだから(笑)。何も見えないくらい盲目なところは彼の魅力だと思います。
Q:三谷監督に一言!
三谷監督とのお仕事はいつも楽しくて、今回も本当に楽しませてもらいました。難しかったシーンはあまりなかったんですが、「サザエがアツい!」と言うシーンは、大変でしたね……。どうやってわざとらしく演じればいいのか、苦労したのを覚えています(笑)。
大泉洋(羽柴秀吉)
Q:三谷監督が作り上げたキャラクターをどのように楽しまれましたか?
役所さんがご自身の役柄を大いに楽しまれているのを横目に、わたしは三谷監督からその場で要求されることに応えるのに必死で、楽しむ余裕まではありませんでした。監督から「秀吉は悪役です」と言われた通り、ずるい男だし、嫌なところもいっぱいあるんだけれども嫌いになれないんです。自分が演じているのに言うのも変ですけどね。自分の野望に向かって正直で、そこに向かって真っすぐに行けるところがいいのかなあ。不思議な魅力のある男なんですよね。
Q:三谷監督に一言!
勝家との旗取り合戦のときに、「勝家に押されて倒されたときの秀吉の起き上がってくる顔が素晴らしかった!」って、珍しく三谷さんからメールをいただいたんです。そんなふうに褒めていただけることはなかなかないので、うれしいなあと思って、試写を楽しみにしていたんです。でも出来上がった作品を観たら、その寄りのシーンがカットされていて……。あの引きの画じゃ表情がわからないじゃないですか!! めっちゃ楽しみにしていたのに! 結局カットするならなんでメールまでくれたんですか(笑)。
小日向文世(丹羽長秀)
Q:三谷監督が作り上げたキャラクターをどのように楽しまれましたか?
頭脳明晰(めいせき)で冷静沈着、それでいて思慮深いという僕からはかなり遠い、憧れちゃうような人を演じることができたのはとてもうれしかったです。三谷監督の言う通りに演じればきっと理想の長秀に近づいていけると信じていました!
Q:三谷監督に一言!
ステキな作品をありがとうございます! 役者は声を掛けていただかないと現場に立つことができないので、三谷監督初めての時代劇、そして監督の大好きな長秀を演じることができて本当に光栄でした!
佐藤浩市(池田恒興)
Q:三谷監督が作り上げたキャラクターをどのように楽しまれましたか?
当て書きで役柄を書く三谷さんですから、原作を読んだときは俺のことをそういうふうに思っていたのかとショックを受けました(笑)。恒興のような男はいつの世にもいたと思うんです。苦しみながらもがきながら生きている男ですが、最後に達観して大人の男に帰結させてくれる。最後には、そういうお土産をくれた三谷幸喜はずるいぞ、と思いました。
Q:三谷監督に一言!
何にもないときからだいたいみんなに「来年の秋よろしく!」って言われて困っていると思います(笑)。いつも三谷監督の名前でみんなが集まっているんだから、今度は本ができてからオファーしてください! って言ったら、俺、声掛からなくなっちゃうかもしれないけどね(笑)。
妻夫木聡(織田信雄)
Q:三谷監督が作り上げたキャラクターをどのように楽しまれましたか?
バカでどうしようもないんですが、なーんか許しちゃうんだよなぁって空気を持ったバカ殿になれるよう心掛けました。織田信雄は、バカの中にも「一番になれない寂しさや切なさ」がある悲しい男なんですよね。バカにもなりたくなるよなぁって考えると、少しかわいくも見えてきちゃいました(笑)。
Q:三谷監督に一言!
三谷さんに初めて芝居を褒められたのがこのバカ殿役というのが、何とも言えないうれしさがあります。またバカをやらせてください!
寺島進(黒田官兵衛)
Q:三谷監督が作り上げたキャラクターをどのように楽しまれましたか?
官兵衛のイメージカラーは黒。そのカラーと、三谷監督に作ってもらった黒田官兵衛像を大切に、役づくりにも自分なりにとことんこだわりました。自分で言うのもなんだけど、結構、魅力的な軍師になったんじゃないかなって思っています(笑)。
Q:三谷監督に一言!
三谷監督の作品は、この作品で3本目です。自分にこういう芝居ができるんだっていう自信を、この役を通していただきました。ありがとうございました!
伊勢谷友介(織田三十郎信包)
Q:三谷監督が作り上げたキャラクターをどのように楽しまれましたか?
衣装もメイクも面白くて、今まで着た着物の中で一番かっこよかったなって思います! 信包は、どこか浮世離れしていて外側から物事を見ながらも、自分の立場への執着心もある男。達観し切っていないところが彼の魅力だなと思います。
Q:三谷監督に一言!
三谷監督の演出に携われたなって思ったら、あっという間に撮影が終わってしまったので、もっともっと一緒にやりたかったです。これからも三谷テイストあふれる作品を作っていただけることを期待しています。あと、三谷監督が作ったバディー物の映画を観てみたいので、ぜひ作ってください。チョイ役でもいいので、また作品の一端を担わせてください!
鈴木京香(お市様)
Q:三谷監督が作り上げたキャラクターをどのように楽しまれましたか?
静かに座っていても、華やかな威厳とパワーを感じさせなければと必死でした。亡くした家族を深い悲しみで思い続けていながらも、どっしりと強い女性としてふてぶてしく生きるお市様にとても魅力を感じます。
Q:三谷監督に一言!
天下、取ってくださいね。
中谷美紀(寧)
Q:三谷監督が作り上げたキャラクターをどのように楽しまれましたか?
はばかることなく尾張弁を話し、酒宴では夫の秀吉に乗せられて踊りまくるという、土着的で明るいキャラクターを三谷さんが引き出してくださいました。夫が武功を上げることを願う一方で、長浜城でのささやかな暮らしでも十分幸せであるという、かわいらしい一面を持った新たな寧が誕生したのも、三谷さんのおかげです。
Q:三谷監督に一言!
どのようにしたら、三谷さんのように人を歓喜させ、笑わせることができるようになるのでしょうか? あくびは極力我慢しますので、エンターテインメントの神髄をぜひ教えていただきたいです!
剛力彩芽(松姫)
Q:三谷監督が作り上げたキャラクターをどのように楽しまれましたか?
三谷監督の中で出来上がっている世界観をしっかりと伝えてくださるので、松姫という人物像をイメージすることは容易だったのですが、それを自分がどう表現すれば良いのかという部分で最初は悩みました。そんなとき細かく三谷監督が説明してくださったので、切なさの中にも女性としての強さ、人としての芯の強さを随所に出していこうと思いながら演じられたと思っています。
Q:三谷監督に一言!
今回、三谷組に参加できて本当に幸せです。改めて自分のお芝居の未熟さも痛感しましたが、もっともっと貪欲にお芝居に対しても、人としても、たくさん吸収し続けていこうと決めました。豪華なキャストの皆さんの中で松姫を演じさせていただき、ありがとうございました。
坂東巳之助(織田信孝)
Q:三谷監督が作り上げたキャラクターをどのように楽しまれましたか?
原作を読ませていただき、全体にモノローグ調でありながらも信孝だけは文中で本心をさらけ出していないという印象を持ちました。その本心を顔や体、声などでほんのちょっとでもにじませられたらと思いました。織田家の面々の高い鼻にも驚きましたし、楽しみました。
Q:三谷監督に一言!
三谷監督お疲れさまでした。三谷組はとても居心地がよく、と同時に身の引き締まるようなステキな現場でした。ありがとうございました。
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