第9回:ウーマンラッシュアワーの『恋するリベラーチェ』談義
映画たて・よこ・ななめ見!
ジブリで宮崎駿監督の出待ちをしちゃうほど映画大好きな村本大輔と、映画に関しては素人同然の中川パラダイスが、あらゆる角度からブッ飛んだ視点で映画トークしちゃいます。今回は、スティーヴン・ソダーバーグ監督の最新作『恋するリベラーチェ』をななめ見!(取材・文:シネマトゥデイ編集部 森田真帆)
村本:この映画は大変な作品ですよ! 男たちの恋心がさく裂してですね、そこまで出すか! っていうくらい、強烈なラブシーンがあるわけです。でもね、これに反応した男がいたんですよ。中川が隣で興奮してました。
中川:いや~、ヤバいね。この映画は……。いろいろ思い出しちゃう。
村本:ほら! な? あのね、リベラーチェ(マイケル・ダグラス)とスコット(マット・デイモン)が、ポップコーンを片手にソファでラブラブしながらテレビを観るシーンがあるんやけど、中川がちょっと僕に擦り寄ってきましたから。実は、この男は小学生のときに男に目覚めているんですよ!
中川:もうびっくりやった。村本さんの言う通り、僕は小学生の頃、男に目覚めたんですわ。こんなん言って、吉本に怒られるかもしれませんけど……。同級生にチューされて、あんなとこやこんなとこにチューされてしまったんです。
村本:うわー! そこまで言ってしまったらアカンやろ! コンプライアンス違反や!
中川:二人がラブラブしてるシーンがかわいくてね。マット・デイモンさん言うたら、『ボーン・アルティメイタム』でしょ? あのシリーズでは筋骨隆々なのに、この『恋する~』ではおなかがポヨポヨしててめっちゃかわいい!
村本:中川が言う通り、マット・デイモンってあんな感じやったっけ? 何かめっちゃぽっちゃりしてたよな? リベラーチェの言いなりになって整形までしてしまって、どうしたんかと思ったわ。
中川:それにしてもなんでアメリカ人って、あんなケツアゴ好きなんやろ。かっこええ、セクシーってことなんですかね?
村本:でもだからって整形までするか!? すごいよな! あの美への探求心は。リベラーチェさんも整形した途端、ツルッツルになっとったやん! どんだけ若返っとんねん!
中川:マット・デイモンも、どんどんかっこよくなっていったよな。もう最後の方なんてキラッキラしてたし。あれ、特殊メイク? それとも前半の太った方が特殊メイクなんかわからんかったわ。観てるうちに、何が本物なんかわからんようになってしまったもんな。
村本:これが実話っていうのが、何よりすごいわ。リベラーチェって実在する人なんやろ? みんな、あんなに整形するもんなん? 整形する医者までツルツルやったで。整形手術の影響なんか、笑顔ひきつってるし!
村本:僕の中では、ゲイの人ってめっちゃ優しくて、めっちゃヒステリックっていう印象やったんやけど、まさにその通りやったわ。もう、けんかするときのすごさと言ったら……大暴れやで!
中川:それだけ独占欲が強いんやな。お互いのこと、こんだけ愛し合えるってすごい。憎しみ合ったぶん、愛が深くなっていく。ちょっと最後の方とか、泣きそうになったもん。
村本:リベラーチェの気持ちもわかるし、彼氏のスコットの気持ちもわかってしまう。これ、男同士だからなんかなあ。若くてかわいい子を見たら、ついアプローチしちゃうリベラーチェも、浮気されて大暴れしちゃうスコットの気持ちもわかる。僕もな、付き合ってた女に浮気されたとき、もう思い付く限りの罵詈(ばり)雑言を浴びせまくったことあるからな。
中川:ゲイとか、そういうの全部、映画観てるうちに忘れちゃうもんな。これだけ長い間、一人だけを愛するのってほんまに素晴らしい。
村本:確かにな。ほんまにすごい映画ですよ、これは。僕は女の子が大好きだから、男同士の恋愛なんてちっとも観たくなかったんですよ、正直! でもね、リベラーチェさんとスコットの愛を見ているうちにね、何か二人を応援したくなっちゃって。最後には大感動ですよ! ほんっまに感動した。男同士だからって関係ないからな。僕も愛し合いたい! 愛する人を見つけたくなる映画やったな。
村本:この映画の衣装さんは、ほんまにすごいよな。衣装の全てが、どっからどう見てもオネエなんやもん。スコットが着てるサーモンピンクのシャツとか、センスが絶妙過ぎる!
中川:確かに、ああいう薄ーいピンクって、ゲイの人めっちゃ好きやもんね。
村本:ステージの衣装もキラッキラしてたもんな。もう大みそかの小林幸子も真っ青や! 最後は宙を舞ってたし。めちゃめちゃ重たそうな毛皮かぶってな。
中川:僕もあんなん着てみたい。ちょっとうらやましかった。
村本:着ればええやん! ものっすごいインパクトやで。来年の「THE MANZAI」は、あの衣装で出よう。中川くん、よろしくね。
中川:え? 二人で着るんちゃうん?
村本:僕が着るわけないやろ! あのキラキラ衣装が似合うのは、中川だけや。もう、中川パラダイス改め、「ナカガワーチェ」になったらええねん。ファンの皆さん、「THE MANZAI」をお楽しみに!
『恋するリベラーチェ』
映画『オーシャンズ13』『トラフィック』などのスティーヴン・ソダーバーグ監督が、アメリカのエンターテインメント界で最も有名なピアニストといわれたスター、リベラーチェが、スコットという一人の青年と出会い、愛し合い、最期を迎えるまでの10年間をつづった作品。ド派手な衣装にを身をまとったリベラーチェ役に名優マイケル・ダグラスが、リベラーチェの恋人スコットに『ボーン・アルティメイタム』シリーズのマット・デイモンがふんし、これまでのイメージを一新する演技を見せている。
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2008年に結成された、村本大輔と中川パラダイスによるお笑いコンビ。2011年「ABCお笑い新人グランプリ」最優秀新人賞受賞、2013年NHK上方漫才コンテスト優勝など数々の賞に輝き、4月に東京進出を果たした。「日清食品THE MANZAI 2013」認定漫才師50組に選ばれ、11/16(土)よしもと祇園花月で開催される本戦サーキット4戦目に出場。
1980年生まれ。福井県出身。自分でも「ネットに書き込まれるうわさはほとんどが事実です!」と認めている、自称・ゲス野郎芸人。だがその一方で、ジブリ作品やピクサーなどの心温まるアニメが大好きで、映画『あなたへ』で号泣するほどのピュアな一面も持ち合わせる大の映画好き。水産高校に通っていたため(中退)、お魚系や海洋ネタにも意外に詳しい。
1981年生まれ。大阪府出身。これまで10回もコンビ解散している村本と唯一トラブルもなくコンビを続けている広い心の持ち主。2012年に入籍し、現在1児の子育てを満喫中のイクメンパパでもある。映画に関しては、「王道なものしか観ない」というフツーレベル。