第15回:ウーマンラッシュアワーの『アメイジング・スパイダーマン2』(4DX3D版)談義
映画たて・よこ・ななめ見!
ジブリで宮崎駿監督の出待ちをしちゃうほど映画大好きな村本大輔と、映画に関しては素人同然の中川パラダイスが、あらゆる角度からブッ飛んだ視点で映画トークしちゃいます。今回は、シネマサンシャイン平和島にて『アメイジング・スパイダーマン2』を最新劇場上映システム「4DX®」(フォーディーエックス)で体験! 動く座席、飛び出す水、風という最先端の映画館体験に大興奮です!(取材・文:シネマトゥデイ編集部 森田真帆)
※「4DX®」(フォーディーエックス):上映作品のさまざまなシーン・シチュエーションと連動して、モーション(座席可動)・エアー・雨・風・ミスト・香り・フラッシュ・バブル・煙などの9つの機能により、自分がまるで劇中の登場人物になったような一体感を得ることができる最新上映システム。
村本:いや~、完全に甘く見てたわ。何これ! すごかった! 『スパイダーマン』シリーズに関しては、これまで映画館で観ることがあまりなくて、一人で部屋で観ることが多かったんですよ。でも今日の経験で変わりましたよ。これぞ映画! 風とか雨とか、まるで主人公のように感じることができて、完全にスパイダーマンワールドに入っていたわ。
中川:僕は乗り物酔いするタイプやから、正直めっちゃ不安だったんですよ。特に映像と乗り物が組み合わさったアトラクションなんて、具合悪くなってしまうほどなんやけど。
村本:今日も「オエエエッ!」ってなっとったもんな。
中川:なってない! そうならんかったから、この話出したんや! めっちゃ楽しくて、(スパイダーマンと)一緒に空飛んでるってほんまに思ったし、自分の手のひらから糸出してる感覚で。全然気持ち悪くならんかった!
村本:ビルから落ちるとき、一緒に落ちたもんな。4DX®の仕掛けが本当にすごい! 風もぴったりのタイミングで出てくるわ、ストロボたかれるわ、スモーク出るわ、雨降ったら水が飛んでくるわ!
中川:せやねん。しかも銃撃戦のシーンも背中が「ガガガガッ」ってなって、めっちゃびっくりした。これ、みんなに観てほしいよな。
村本:そう。その「ガガガガッ」が、いい具合にマッサージ効果もあって気持ちいいしな。ほんまに臨場感ハンパなかった。最初にコーヒー持って入ろうとしたとき、取り上げられて「ええっ!」て思ったんやけど、納得やったわ。あんなん、やけどするわ!
中川:遊園地感覚やんな。ユニバーサル・スタジオのスパイダーマン(のアトラクションに乗っている)みたいな感覚もありつつ、ちゃんとストーリーも入ってくる。おもろかったわ~!
村本:前作がおもろかったぶん、今回は正直期待してなかったんです。あれ以上おもろいもんは作れんやろ、と。それが! 超えてきましたね~。今日初めて『スパイダーマン』観た気分やわ。
中川:上げてくるなあ~。
村本:キャラがいちいちおもろいねんな。ピーター(アンドリュー・ガーフィールド)のおばちゃんも濃いよなあ。なんか日本でいう、泉ピン子みたいな感じで。でもね! 何よりも注目してほしいのは、いじめられっ子のメガネ少年。あいつは、ほんまにおいしい役! あいつが全部持っていきよったわ。この僕の言葉にはね、映画見終わった人たちみんな共感すると思うで。
中川:何か、あの子のシーン泣けたもんな。
村本:せやで! この映画ね、泣けるんですよ。あんなね、4DX®でブンブン振り回されているというのに、泣けちゃうんだからすごい。
中川:座席からだけじゃなく、体からも水が出た感じやな。
村本:体からも水が出るっておまえ、うまく言うてるつもりかもしれんけど、相当気持ち悪いで。何その表現! 材料そろってるのに、調理方法間違えすぎやねん! 体から水って、ただの汗や! 座席から水が出るとは聞いていたけど、目からも水が出ちゃうなんて僕は聞いていませんよ! 5DXじゃないですか!
中川:うまく重ねてきたな! 仕上げてきたわ~。
村本:ほんまに気持ち悪いことしか言われへんのやから! 僕がね、いつかピンで売れた時に、そんな中川に細い細いクモの糸を一本垂らしてあげますよ。
中川:切れない糸で頼むね!
村本:おまえは、それにしがみついて上ってくるというより、ハンモック作って寝るタイプやからな。恐ろしいわ!
村本:ピーターとグウェン(エマ・ストーン)の関係も良かったなあ。「わたし海外に行くの」「俺もついていく」「わあ、うれしい」ってなったやろ。あそこでめっちゃグッときたんです! 何てステキ! 中川なんて、沖縄国際映画祭に嫁が一緒に来るって言っただけで「最悪や!」ってめっちゃ落ちこんでましたからね。「人生終わった」って言っていましたから。
中川:そこまで言ってないわ! やめとけ!
村本:ほんまにこの男とは大違い! ステキな二人! この映画の監督、『(500)日のサマー』を撮った人なんでしょ! 僕、あの映画めっちゃ好きなんですよ! iPadに入れているぐらい大好き! だから、ロマンスの演出がうまいんですよね。男の子が大好きなアクション映画なのに、女の子のみならず、大人の僕までキュンとしちゃう仕上がりになっているって、すごいでしょう。
中川:僕は、ピーターと父親の関係がすごくグッときたなあ。自分の仕事のために、子供を置いていかなきゃいけないっていう父親のつらさというかね、でもそれも愛があったからこそ、というのが伝わってきて。めっちゃ泣きそうになったわ。
村本:おまえやったらどうすんの? 子供連れて逃げる? それともピーターみたいに置いていく?
中川:僕やったら、連れて行くなあ。今離れるのはいややし、引き連れて行くわ。
村本:引き連れてって何やねん! おまえ、自分の子供を部下と間違えてるやろ。こいつの場合は、飛行機で銃撃戦になって窓ガラスが割れたときに、窓の穴を埋めるために子供を連れて行くだけですからね。何といっても、沖縄に来るってなっただけで人生終わったって思うような男ですから! ほんっまに邪悪な人間!
中川:そんなことするかっ!
村本:まあでも僕もスパイダーマンみたいにいちずな愛に目覚めたいですね。運命の赤い糸を出すスパイダーマンになりたい。ついでに言うと、お相手にはクモの巣を張っちゃってるような男っ気のないピュアな女の子を探すことにします。
中川:最低やわ! 気持ち悪っ!
村本:ピーターって純粋でイイ男やんな。頭の中にめっちゃ残っているセリフがあって。グウェンと別れた後も、ピーターは常に屋上とかから彼女を見ているわけです。で、僕はてっきりグウェンが他の男と遊んでいないか、見張っているんやと思っていたわけ。
中川:それ、ストーカーやな……。
村本:でもな、女の子が「あたしを監視していたの?」って聞いたときの、彼のひと言が! 「君を見守るため。デートしている気分やった」って言ったんですよ! もうあのひと言を聞いた瞬間に、「すみませんでした!」っていちずな彼に謝っていましたよ。
中川:悪役も良かったなあ。エレクトロ(ジェイミー・フォックス)、めっちゃ怖かった。
村本:ていうかああいうファン、ほんまにおんねん! ツイッターで1回絡んだだけで、過剰になっていく感じね。僕のファンなんて、大体エレクトロ。
中川:大体、エレクトロってめっちゃ最悪やん! まあでもファンの名前なんて全員覚えられへんしな。エレクトロに「僕の名前、覚えてる?」って聞かれたときのスパイダーマン、めっちゃかわいそうやったわ。
村本:な? ほんまにおんねん、ああいうやつ。「サインください」って近寄ってきて、「お名前は?」って聞くと「何だったでしょうか?」ってクイズにするやつ、ほんまにおんねん。もうエレクトロだらけ。
中川:でも逆にハリー・オズボーン(デイン・デハーン)は、ちょっと村本さんぽかったで。
村本:うん。あいつに共感したもん。自分の希望を奪われたら、相手の希望を根こそぎ奪うタイプですからね。しかもね、彼が言っていたでしょう。「モデルと遊ぶって疲れる」って。僕もあの気持ちわかるんです。芸能界の人とデートするのって、金は掛かるわ、気使うわ、大変ですからね。だからこそ、僕もハリーもファンに手を出してしまうんです。
中川:ハリー、別にファンに手出してなかったやん!
村本:いや、スパイダーマンのファンに手出していたやん。エレクトロさんに!
中川:男やん! しかも手出そうとして、感電しとったわ!
村本:同期のファンに手出すみたいな感じやな。
『アメイジング・スパイダーマン2』
人気アメコミ超大作『スパイダーマン』リブート作品の第2弾。正義の味方スパイダーマンとして活躍する青年ピーターが、人間発電機エレクトロや、怪人グリーン・ゴブリンら強敵に立ち向かう。『Ray/レイ』のオスカー俳優ジェイミー・フォックス、『クロニクル』のデイン・デハーンら人気スターを新キャストに迎え、さらにパワーアップ。迫力のアクションシーンのみならず、青年ピーターの前に立ちはだかる試練を描いたドラマにも注目したい。
2008年に結成された、村本大輔と中川パラダイスによるお笑いコンビ。2011年「ABCお笑い新人グランプリ」最優秀新人賞受賞、2012年「THE MANZAI 2012」決勝進出、2013年NHK上方漫才コンテスト優勝など数々の賞に輝き、4月に東京進出。先ごろ行われた「THE MANZAI 2013」で見事優勝し、3代目王者に輝いた。
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1980年生まれ。福井県出身。自分でも「ネットに書き込まれるうわさはほとんどが事実です!」と認めている、自称・ゲス野郎芸人。だがその一方で、ジブリ作品やピクサーなどの心温まるアニメが大好きで、映画『あなたへ』で号泣するほどのピュアな一面も持ち合わせる大の映画好き。水産高校に通っていたため(中退)、お魚系や海洋ネタにも意外に詳しい。
1981年生まれ。大阪府出身。これまで10回もコンビ解散している村本と唯一トラブルもなくコンビを続けている広い心の持ち主。2012年に入籍し、現在1児の子育てを満喫中のイクメンパパでもある。映画に関しては、「王道なものしか観ない」というフツーレベル。